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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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7148 FPG

東証P
2,122円
前日比
-12
-0.56%
PTS
2,123円
20:17 03/28
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.1 4.09 4.15 5.38
時価総額 1,890億円
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インテリックス Research Memo(2):リノヴェックスマンション事業を主軸に収益ポートフォリオの多様化を進める


■事業概要

1. 事業セグメントの内容
インテリックス<8940>は中古マンションを戸別に仕入れ、リノベーション(再生)した後に再販するリノヴェックスマンション事業を収益柱としている。事業セグメントは、中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)とその他不動産事業とに区分されており、2020年5月期の事業別構成比で見ると、中古マンション再生流通事業が売上高の81.3%、売上総利益の72.2%を占める主力事業となっている。

(1) 中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)
中古マンション再生流通事業には、リノヴェックスマンション販売のほか、保有マンションの賃貸収入及びその他収入(不動産仲介手数料等)が含まれるが、売上高の99%超はリノヴェックスマンションの販売で占めている。

事業の流れとしては、不動産仲介会社から仕入れた物件に対し、子会社の(株)インテリックス空間設計で最適なリノベーションプランを作成、内装工事を施した上で不動産仲介会社等を通じて販売する。同社は物件を仕入れてから販売までの事業期間を経営管理指標として重視し、120日程度を目安として、これよりも期間が長くなるようであれば販売価格を調整して早期に売り切ることを基本方針としている。販売在庫の滞留期間が長期化すれば、収益性が低下するリスクも上昇するためだ。売上総利益率では12~13%を適正水準として事業運営を行っている。また、販売に関しては市場のトレンドを把握するために、一部の物件を子会社の(株)インテリックス住宅販売を通じて販売しており、内装工事に関しては協力会社に外注している。

販売エリアは首都圏からスタートし、2013年以降は地方主要都市(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡)に段階的に進出してきた。首都圏では大手不動産販売会社を含めて参入企業が増加し競争が激化しているが、地方ではリノベーションマンションを手掛ける企業が少なかったこともあり、着実に市場を開拓し、2020年5月期には販売件数比率で54.9%まで上昇している。同社は、全国の分譲マンションのストック数が2018年時点で654万戸あり、うち首都圏で半分程度を占めていることから、首都圏と地方の販売比率は同等程度が適正水準と考えている。

(2) その他不動産事業
その他不動産事業には、新築分譲マンションやオフィスビル、商業ビルや開発用土地等の販売のほか、これら保有不動産に関する賃貸収入、ホテル運営、リノベーション内装工事請負※や不動産仲介手数料収入などが含まれる。また、2015年4月より事業を開始したアセットシェアリング事業や、2017年5月期の第4四半期から開始したリースバック事業も同事業セグメントに含まれている。

※リノベーションマンションを販売する同業他社のほか一般個人からも、リノベーション内装工事を請負っている。戸別のマンション内装工事に関してはノウハウが必要なこともあり、大手不動産販売会社を含めて同業他社からの引き合いも多い。


a) アセットシェアリング事業
アセットシェアリング事業とは、不動産特定共同事業法(通称:不特法)のうち「任意組合型」の活用による不動産小口化商品の販売事業を指す。同商品の特長として、新築・中古を問わず良質な不動産物件を、共同所有により1口100万円単位で取得可能なこと、共同所有することで空室・滞納リスクを分散でき、安定収益が期待できること、相続・贈与用資産として資産評価の大幅な圧縮が可能なこと、などが挙げられる。

特に、相続・贈与対策として利便性の高い商品であることが注目されている。具体的には、実物不動産を小口化した商品のため、相続人の状況に応じて口数ごとに柔軟に遺産分割が可能なこと、不動産価格と相続税評価額との開きがあるため、キャッシュを実物不動産に組換えることで相続財産の圧縮が図れること、不動産収益を納税資金として貯蓄し、納税で必要となる分だけを分割して売却することが可能であること、などが挙げられる。

不動産物件の管理については、主に子会社の(株)インテリックスプロパティで行っている。グループ全体としては小口化販売によるフロー収益に加えて、任意組合の理事長フィーやプロパティマネジメントによるストック収益が得られることになる。一方、投資家の期待収益率としては、分配予定利回り※で3%以上を目安として、商品を組成していく方針となっている。

※賃料収入から実際に発生する経費(管理費等)を控除した年間収入÷投資額


同事業では青山財産ネットワークス<8929>やFPG<7148>など先行する事業者もあるが、同社は不動産業者としてこれまで構築してきたネットワークやノウハウを生かすことで、新築・中古物件、住宅用から商業用まで多様な商品を開発できることが強みとなる。販売チャネルについてはセミナーの開催や自社Webサイト、税理士をはじめとした士業ルート、金融機関等、様々なチャネルを通じて投資家層にアプローチし販売している。

b) リースバック事業
リースバック事業とは、ユーザーから所有不動産を同社が買い取ると同時に、定期建物賃貸借契約(2年間)を新たに結び、そのまま賃貸(リース)するサービスとなる。契約期間を迎えるとユーザーは再契約し居住を延長するか退出、もしくは所有不動産を買い戻す選択ができる契約となっている。相続税資金や老後の資金、ローン返済資金などまとまった資金が必要となった際に、所有不動産を売却しても住み続けることが可能なサービスとなっており、ここ数年で市場が拡大している。

売上高としては、物件取得の際の契約手数料や賃料収入のほか、物件を売却した際には販売収入が計上されることになる。一方、費用面では物件取得時の取得税、登記費用のほか、減価償却費も計上するため、物件取得から一定期間は費用が先行するが、物件売却時には減価償却が進んでいるため利益率が高くなるビジネスモデルとなっていることが特徴だ。賃貸料(年利回りで6~7%)が定期的に入ってくるため、買取件数を拡大することでストック収益を積み上げ、売却時にフロー収益を獲得していくことになる。

リースバック事業は2013年にハウスドゥ<3457>が業界に先駆けて開始したサービスで、現在はファイナンス会社も含めて参入企業が増えているものの、同社では大手不動産会社(センチュリー21・ジャパン<8898>等)との連携も強化しながら仕入・販売ルートを広げ、事業を拡大していく戦略となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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