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6997 日本ケミコン

東証P
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前日比
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10:47 03/29
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PER PBR 利回り 信用倍率
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時価総額 318億円
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「低位材料株」に目覚めの時、急騰“スター株”候補を追う <株探トップ特集>


―株価変貌へ開かれた扉、“低位株ルネサンス”で大利を収める―

 東京株式市場は強力な上昇トレンドが継続している。日経平均株価は昨年5月以来1年半ぶりとなる9連騰を記録、この間の上昇幅は1100円を超えた。師走相場も中盤を過ぎ、マーケットの牽引役となってきた外国人投資家もクリスマス休暇に入り始めているが、売買代金はほぼ3兆円を維持するなど、なお買い気の強い展開が続く。

 振り返って2016年はまさかの急落スタートとなったが、11月の米大統領選で大方の予想を覆すトランプ氏が勝利してから、相場にも新たな価値観が吹き込まれ異次元の株価上昇がもたらされた。気がついてみれば日経平均は昨年12月末以来の1万9000円台を回復し、年足で5年連続陽線が濃厚となってきた。しかし、初動が強烈な逆噴射でいったん下値を探ってからの急上昇局面入りだったこともあって、多くの投資家は乗り遅れた。逆張り指向の個人投資家資金は売り(空売り)から入っている向きも多く、目先は踏み上げ相場(強制的な空売り買い戻しによる上昇相場)の様相を呈している。大勢波動の転換は理解できていても、資金を長期スタンスで寝かせるのは抵抗があるのは投資家心理として当然であり、勢い短期売買に目が行くのは自然な流れでもある。

 となれば、投資家の本音は「急騰銘柄に乗って資金の回転を利かせたい」であろう。

 そうした投資家の心の声を反映するかたちで、東京市場では株価が低位に叩かれた銘柄の大出直り相場が始まっている。戻り相場のプロセスで利ザヤを取りたい場合、抜群の威力を発揮する銘柄というのは、国内外の機関投資家などプロ筋が熱い視線を送る優良株よりも、むしろそれまで音無しの構えだった低位材料株の一群に眠っている。これは過去の相場の歴史が幾度も証明してきていることだ。

●度肝を抜いたエンシュウ、「ビットコイン」で爆騰のトレイダーズHD

 ちょうど1ヵ月前の11月中旬、工作機械メーカーの老舗で材料株素地を持つエンシュウ <6218> が、ホーニング機能付のマシニングセンターを開発したことを材料に連続ストップ高を演じ、65円だった株価がわずか2日間で125円に倍化し市場関係者の度肝を抜いた。また、住宅用中心に工業用ファスナーを手掛ける日本パワーファスニング <5950> [東証2]も12月早々に投機資金が集結し、エンシュウと同様に連日で値幅制限上限に買われ、瞬間風速で株価は2.2倍に噴き上げた。これらは特異な例としても、低位株はスタート地点が低いがゆえに人気化した時の投資効率が群を抜いている、ということが如実に示されている。

 最近ではビットコインの取引仲介業務に参入すると発表したトレイダーズホールディングス <8704> [JQ]が急動意、今月14日にザラ場ストップ高に買われたが、50円高の201円まで上昇率は33%に達した。そして、同日の売買高はなんと1億株を超えた。FX事業を展開するが、フィンテック関連としての思惑の連鎖が株価変貌への扉を押し開いた格好だ。こうした劇的な株高を演じる可能性を低位株は常に秘めている。

●円安追い風に華麗に舞い上がる低位株

 全体相場の体感温度が高まるなかで、主力株や国策的なテーマで買われてきた中小型株は、相場的には新鮮さに欠け、やや食傷気味なものも少なくない。そこでリターンリバーサルの対象として浮上してきたのが、これまであまり物色対象に挙がってこなかった低位株で、新たな切り口で再評価してみようという流れが形勢されつつある。これは、低位株の復権、ルネサンスにつながる動きであり、今後も“隠れテーマ”としてマーケットに底流することになるだろう。

 最近は全体指数以上に上昇基調を鮮明とする低位株が増えている。12月に入り一気に上昇を加速させ、直近は日経平均を上回る11連騰と気を吐いているのがティラド <7236> だ。熱交換器を主力とする自動車部品メーカーで円安を追い風に収益環境は良好、17年3月期は営業利益段階で前期比2倍とV字回復を見込む。

 車載用電子部品として需要旺盛なアルミ電解コンデンサーを製造する日本ケミコン <6997> も面白い存在だ。17年3月期の業績悪は大方株価に織り込まれているとみられ、18年3月期の回復を先読みする買いが継続的に流入している。

●不動産流動化、カジノ、禁煙などのテーマに乗る銘柄も

 内需関連では、流動化ビジネスを手掛ける不動産関連などが意外な値幅を出し始めた。イントランス <3237> [東証M]は都心を中心に不動産再生ビジネスを行い、日銀のイールドカーブ・コントロールによる政策的な低金利環境が調達コスト面で優位に働く。株価は13週移動平均線を足場に12月に入り上放れてきた。

 同じく不動産再生関連ではアルデプロ <8925> [東証2]も投機筋の物色対象として頭角を現している。事業再生ADRを経て経営再建を果たした銘柄。17年7月期第1四半期の営業利益が前年同期比7割強の伸びをみせたことで買いに弾みがついている。

 また、社会的にも関心が高まっていたIR整備推進法の成立で注目されたカジノ関連では、遊技機レンタルを手掛けるJALCOホールディングス <6625> [JQ]が短期資金のターゲットとなっている。

 禁煙関連銘柄としてにわかに脚光を浴びたのがマルマン <7834> だ。同社は高級品を主力とするゴルフ用品大手だが電子パイポを手掛けていることでテーマ買いの流れに乗っている。株価は短いタームで上昇・下降トレンドを形成しながらも25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を継続している。

●超低PBRの低位株にも物色の矛先が向かう

 割安さを担保する低位株にも継続的に物色の矛先が向いている。新潟県を地盤に展開する中堅建設株で北陸新幹線関連でも注目された植木組 <1867> は、着実に水準を切り上げているが依然としてPERは8倍台、PBRは0.5倍未満と解散価値の半値以下に放置されている。

 繊維商社で、工業製品など非繊維部門にも傾注するGSIクレオス <8101> も時価PBRは0.5倍台と解散価値のほぼ半分だ。ナノカーボンの代表的材料であるカーボンナノチューブ(CNT)の開発で先駆しており、ナノテク関連株としての位置づけで人気化素地を持っている。

 このほか、低PBRの低位材料株としては、セントラル総合開発 <3238> [東証2]、神東塗料 <4615> 、高島 <8007> などに注目。また、みちのく銀行 <8350> 、東和銀行 <8558> など地銀株は低PBR銘柄の宝庫であり、業界再編の動きも絡めマークが必要だ。

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