貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6952 カシオ計算機

東証P
1,323.5円
前日比
+19.0
+1.46%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.9 1.40 0.94
時価総額 3,197億円
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決算発表予定日

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広がる“インスタグラム発”ヒット、消費行動変化の「恩恵株」は <株探トップ特集>


―“インスタ映え”求め変わる行動、企業も商機獲得へ対応策―

 インスタグラムの利用者が爆発的な伸びをみせている。背景には、若い女性の間で加工した写真をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で共有することが定着したことに加えて、インスタグラムが消費者の意思決定する際の選択肢のひとつになりつつあることが指摘されている。それに合わせてインスタグラムに関連する企業にとってもビジネスチャンスが拡大しており、業績への寄与が期待できそうだ。

●米国株市場では“スナップチャット”が上場

 そもそもインスタグラムとは、主にスマートフォンのカメラで撮影した写真を複数のフィルターから選んで投稿することのできる写真共有アプリ。Twitter(ツイッター)のようにフォローした人の写真をタイムラインでチェックできたり、24時間後に自動削除される動画機能「ストーリーズ」で気軽に“今”を発信できるところが人気の要因となっている。また、インスタグラム上で写真映えすることを「インスタ映え」と呼び、Facebook(フェイスブック)でいう「いいね!」数を増やすためにインスタ映えする食べ物を提供する飲食店やスポットに出向くといった新たな消費行動が生まれている。

 一方で、日常生活の中の一瞬を切り取り、それを動画や写真にするスマートフォンアプリの人気は株式市場にも影響を与えている。海外の若者を中心に人気のある写真・動画消失アプリのスナップチャットなどを手掛けるスナップ(SNAP)が3月2日(現地時間)、ニューヨーク証券取引所に上場し、初値は公開価格17ドルを41%上回る24ドルをつけた。IT企業としては2014年の中国アリババの上場以来の大規模IPOとなったことで話題になった。

 SNS投稿の監視などを行うイー・ガーディアン <6050> [東証M]は昨年、スナップチャットを活用したスマホネイティブ世代向けのコミュニケーション支援サービスを開始。スナップ上場が報じられたあと株価が急動意した経緯がある。こうした写真・動画アプリの人気に目をつける企業は少なくなく、自社で写真加工アプリを持つLINE <3938> も顔認識カメラアプリを展開するスノーコーポレーションへの出資を発表しており、こうした動きはしばらく続きそうだ。

●インスタ映え狙う若者の購買行動

 国内では、インスタグラムのような写真共有アプリを手掛ける上場企業はほとんどないが、インスタグラムのために消費行動をとる利用者の増加から恩恵を受けている企業がある。ビックカメラ <3048> の広報担当者によると、「スマートフォンのカメラが苦手としている広角の写真や夜景の撮影などをより綺麗に撮ってインスタグラムに載せたい、という要望は増えている。これを背景に高級コンパクト、ミラーレスカメラを中心に購入する人が増えている」としている。パソコンを使わずにスマートフォンに写真を転送してすぐにインスタグラムに投稿することができるカメラが売れている。また、インスタグラムを利用する女性を中心に、デザインがおしゃれなオリンパス <7733> のPENシリーズや、パナソニック <6752> のミラーレスカメラが人気となっている。さらに、コンパクトカメラでも自分撮りに特化したカシオ計算機 <6952> のEX-FR100シリーズやEX-ZR4000などが高単価だが売り上げを伸ばしており、業績押し上げ要因となりそうだ。

●一大ビジネス、ネット広告も参入狙う

 インスタグラムの月間アクティブ利用者数は2016年12月時点で全世界で6億人、日本では1600万人を突破した(インスタグラム社発表)。特にアジア地域の利用者増加が成長を牽引しており、この2年間で倍増するなど注目度は年々高まっている。インスタグラムのアカウント内にはコンセプトに沿った写真や動画広告が掲載されており、広告配信を手掛ける企業にとってもプラス効果が見込めそうだ。

 関連企業としては、フェイスブック向け広告でトップシェア級のセプテーニ・ホールディングス <4293> [JQ]や、インスタグラムを活用したプロモーション支援サービスを手掛けるアライドアーキテクツ <6081> [東証M]、同じくインスタグラム上でリンク誘導を可能にする広告配信サービスを提供するトランス・コスモス <9715> などが挙げられる。

●写真投稿で生まれた思わぬ恩恵

 インスタグラム上で話題となる飲食店やスポットは突然流行することも多く、思わぬ形で企業の宣伝になるケースもある。おしゃれな雑貨を扱うセリア <2782> [JQ]は、100円には見えないデザイン性の高い小物類が写真で拡散されている。こうした掘り出し物を利用者が発信することで、それを購入したい女性を実店舗へ送客するといった流れができている。しまむら <8227> でも同様の動きがあり、写真型SNSで生まれた新たなビジネスチャンスとなっている。

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