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6937 古河電池

東証P
1,014円
前日比
+25
+2.53%
PTS
1,013.1円
11:27 04/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.1 0.95 2.07 16.84
時価総額 333億円
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決算発表予定日

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上昇大旋風「リチウムイオン電池」関連株、EVシフトで株価変貌の夏 <株探トップ特集>


―“例外なき資金流入”が呼ぶ本格的テーマ買い、「無公害車」新時代の筆頭株は―

 世界的に無公害車に対するニーズが急速な高まりをみせており、電気自動車(EV)の普及加速に向けた思惑が、世界各国の株式市場でも強く意識され始めた。それを背景にEVの動力源であるリチウムイオン電池分野へ経営資源を注ぐ企業に対し、グローバルワイドに投機資金の流入が加速している。

 もちろん東京株式市場も例外ではない。3連休を前にした週末14日は、売買代金2兆円割れの全般閑散相場をよそに、リチウムイオン電池関連株が全面蜂起の様相をみせており、久々に“テーマ買い”の大旋風が吹き荒れる格好となった。

●満を持しての急動意、百花繚乱に目を見張る

 ダブル・スコープ <6619> が続急伸で2200円目前まで買われ、昨年10月以来9ヵ月ぶりの高値水準に買われたほか、戸田工業 <4100> は一時14%高の349円まで上値を伸ばし5連騰、古河電池 <6937> も商いを膨らませての大幅高で、5月の年初来高値830円にツラ合わせ。昭和電工 <4004> は4%超の上昇で新値街道をまい進し、時価はリーマン・ショック前の08年7月以来9年ぶりとなる3000円大台復帰を指呼の間に捉えている。

 このほか、東レ <3402> 、旭化成 <3407> なども買い優勢、さらにステラ ケミファ <4109> 、田中化学研究所 <4080> [JQ]、関東電化工業 <4047> 、ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> 、新日本電工 <5563> 、セントラル硝子 <4044> 、オハラ <5218> など、リチウムイオン電池関連に位置づけられる銘柄群はまさに総花的な上昇を示した。

 現在の東京市場は底堅いものの物色の方向性が定まらず、手掛かり材料難が露呈していた矢先であっただけに、なおさらこの集中的なテーマ物色の動きは輝きを放った。

●世界で「EV車シフト」が加速局面に

 2018年を境に米国のZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制が強化される方向にあるが、これに先立ち世界中でEVシフトへの動きが加速している。既に世界最大の自動車市場として不動の地位を固めている中国では、自動車の加速度的な販売拡大で環境問題が深刻化、これを受けて国家戦略としてEVの普及を推進している状況だ。「昨年EVやプラグインハイブリッド車は世界で約65万台販売されたとみられるが、その半数にあたるおよそ33万台が中国で販売されている」(国内証券アナリスト)という。

 また、直近は欧州で風雲急を告げる動きが出ている。スウェーデンのボルボは2019年以降に発売する全車をEVもしくはハイブリッド車にする方針を発表し世界の注目を集めた。同様に、フランス政府もガソリンやディーゼル燃料で走る自動車の販売を2040年までに全廃する計画を6日に発表している。ドイツではダイムラーが13日に、南部の主力拠点で20年をメドに数百億円かけてEV用電池を生産し同分野へのシフトを加速させる計画を明らかにした。ちなみに、昨年に遡れば排ガス不正問題で厳しく追及されたフォルクスワーゲンがグループ戦略として、25年までに30車種以上のEVを投入し、全世界で電動車(プラグインハイブリッドも含む)の販売台数を200万~300万台とする計画を打ち出している。

●進化加速の自動車も動力源なしには動かない

 足もとの相場の動きについて、市場関係者も「個人投資家は目ざとい。拠って立つ強力なテーマ不在と言われるなか、今月に入ったあたりから、リチウムイオン電池部材を生産する銘柄に資金が向かい始めた。きょうはその流れが一気に加速した」(国内投資顧問会社)という。リチウムイオン電池は正極材、負極材、セパレーター、電解液の4部材で構成され、正極と負極をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う仕組み。EV市場が本格的に拡大すれば、その動力源として最右翼であり、必然的に需要が拡大することになる。

 東洋証券ストラテジストの大塚竜太氏は「既に自動車はエレクトロニクスの塊だが、これがEV主流に変わってくるとその傾向が一段と強まる。パワー系統でコアな部分を支える車載用2次電池は、今後世界的に進化のスピードが速まりそうな自動運転車のテーマとも親和性が高い」と、その人気素地を指摘している。関連銘柄は今後も脚光を浴び続けることになりそうだ。

●リーディングカンパニーはパナソニック

 パナソニック <6752> は車載事業の売上高拡大に積極的な取り組みを目指しており、米テスラ・モーターズと共同で車載用リチウム電池の大規模生産ラインを立ち上げている。EV市場でも最大のマーケットとなる中国で共同出資会社を相次いで設立するなど入念な布石を打っている。株価は大型株ゆえ値動きは地味だが、リチウムイオン電池のテーマにおいてはリーディングカンパニーといってよい。

 このパナソニックにセパレーターを供給しているのが住友化学 <4005> であり、現在、韓国で生産能力を大幅増強中だ。セパレーターはポリオレフィン基材にアラミド樹脂により耐熱層を形成、発熱に対する安全性を確保する。同社は有機EL部材でも中核的な位置づけにある企業だが、リチウムイオン電池分野でも存在感を示していくことになる。

●上値余地に要注目の銘柄が目白押し

 14日のマーケットで一時9%を超える上昇をみせ、ひと際目を引いたのが前出のダブル・スコープだ。リチウムイオン電池用セパレーターの専業大手で韓国に製造拠点を有しているのが特徴だ。現在は韓国LGグループ向けが主流だが、今後は中国の巨大市場開拓で可能性を秘めている。

 リチウムイオン電池の正極材では前出の戸田工、田中化研、新日本電工が主要メーカーであり、負極材ではここにきて上げ足を加速させている昭和電工が挙げられる。電解液では関電化、ステラ ケミファなどが高いシェアを確保している。

 また、電池メーカーでは車載用で実績を持つGSユアサや古河電池が注目されやすい。特に発行株数が3200万株強と小型の古河電池は値動きも大きいため、短期資金の物色対象として好まれる傾向があり、14日も後場に商いを膨らませ高値引けとなっている。

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