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2016年06月10日17時12分

ヘリオステクノ Research Memo(4):フレキソ印刷機、プラント、新規装置(HRP)、その他の4つからなる


■事業部門別動向の詳細

(2)製造装置事業

a)事業の概況
製造装置事業は子会社のナカンテクノが手掛けている事業領域だ。サブセグメントとして、フレキソ印刷機、プラント、新規装置(HRP)、その他の4つに分けて管理している。

フレキソ印刷機は、製造装置事業における現在の主力製品で、具体的には液晶パネルで用いられる配向膜の製造装置だ。現在の主流の配向膜製造方法は、基板の上にポリイミド(PI)と呼ばれる高分子化合物を塗布し、その表面をラビング処理して製造する方法が大多数を占めている。ヘリオス テクノ ホールディング<6927>の製造装置は、PIをフレキソ印刷によって塗布する装置であり、フレキソ印刷手法を利用している唯一のメーカーとなっている。対抗する技術としてはインクジェットプリンターによるものがある。

同社が手掛けるフレキソ印刷機は、液晶のマザーガラスのサイズで8.5G(世代)までが限界とされている。同社が出荷する装置は、現状は8.5Gサイズが中心であるが、液晶パネルメーカーの側では既に10.5Gへと世代が進んでいる。8.5Gに対するニーズは中国を中心にまだ強いとみられるが、いずれ8.5Gは縮小が予想される。この点について、同社は10.5G対応を目指してインクジェット方式によるPI印刷機の開発を進めている。

新規装置(HRP)というのはインクジェット方式やグラビア印刷方式など、様々な印刷技術を駆使した、高精細印刷機(High Resolution Printer)を意味している。ターゲット市場は、有機ELやプリント配線板、あるいは半導体などだ。

新規装置における当面の注目は、有機EL製造装置だ。有機ELパネルの特徴の1つに「曲面」というのがある。印刷技術は曲面への対応力に優れるため、同社は印刷技術を活用した絶縁膜塗布装置を開発している。既に国内外の有機ELパネルメーカーに対して受注実績がある。今後、どのようなペースで拡大していくか大いに注目される。

半導体は要求される高精細のレベルが大きく異なるため、ナカンテクノだけの技術では対応が難しいと弊社ではみている。この点について同社は、M&Aや提携を通じて参入していきたいとしている。

プラントは中古の液晶製造装置などの売買の仲介・搬送・移設を手掛ける事業だ。日本や台湾で発生する中古の装置を中国のメーカーに販売するというのが基本的な流れとなっている。同社は中古製造装置を中国に搬送し、現地工場に据え付けるまでを一貫して請け負っている。それゆえ事業リスクは決して低くないうえ、中国企業の商慣習に基づく資金回収の難しさなどもあって、一般的に言えば高リスク事業と言える分野だ。同社は中古製造装置の取扱いを、ナカンテクノ発足時から行っているが、その背景にはナカンテクノ代表取締役社長の佐藤良久(さとうよしひさ)氏の中国での人的ネットワークの存在がある。属人的ではあるが、同氏の人脈を活用してリスクをとらないでこの事業に参入したことで、高リスク事業を低リスク化させ、他社との差別化と、参入障壁の構築へとつなげている。

プラント事業については、2016年3月期に売上高11,700百万円という大型案件を計上した。こうした大型案件は決して多くはないが、この大型案件で納期を守って利益も確保したということで、同社のプラントビジネスに対する取引先及び投資家からの信頼性は大きく向上したと弊社では考えている。

「その他」には同社が過去に納入した製造装置の消耗品の供給や、メンテナンス、改修・改良工事などの作業が含まれる。同社の製造装置の累計販売台数が50台を大きく超えてきていることを反映して、メンテナンスや修理、改修の注文がここにきて急速に伸びてきている。これらは事業としての採算性も高く、今後、収益源に成長していくものと同社では期待を寄せている。

b)業績動向
2016年3月期は売上高が17,419百万円(前期比178.4%増)、営業利益が1,111百万円(同67.4%増)と急伸した。売上高の急伸は前述のように、11,700百万円のプラント大型案件が計上されたためだ。また利益面ではプラント案件に加え、フレキソ印刷機(液晶用配向膜製造装置)において、高利益率の案件が計上されたことが営業利益を押し上げた。

2017年3月期はプラント大型案件の分が減少するのを、どう埋め合わせるかがポイントになる。会社予想の7,625百万円の内訳として、フレキソ印刷機3,000百万円(前期比11.7%減)、プラント2,000百万円(同83.9%減)、新規装置800百万円(同32倍)、その他2,000百万円(同26.4%増)となっている。

プラントは中国からの中古装置の引き合いが活発で今期は2,000百万円を計画している。この規模の引き合いは来期以降も続く見通しだ。新規装置は前期においてはタッチパネル向けが振るわなかったものの、有機EL向けで商談が進み、今期に収益計上が期待されている。その他もメンテナンス、改修・改良の注文が着実に伸長する見通しだ。

収益源のフレキソ印刷機は、今期も3,000百万円と高水準を見込んでいるが、前期実績からは減収となる見通しだ。これは前期に1社からまとめて4台という大型・好採算の受注があったことの反動だ。実体的な市場環境や需要においては、今期も前期と同じ水準が続くと同社ではみている。

営業利益面では、前期の営業利益には一過性の要因の利益が約400百万円含まれていた(大型プラント案件からの200百万円と、好採算の配向膜製造装置案件からの200百万円)。今2017年3月期はこの400百万円を、プラント事業2,000百万円、新規装置800百万円、及びその他(メンテ・改修、消耗品)の増収分約400百万円で、どこまで埋め合わせられるかということになる。セグメント営業利益について会社予想は公表されていないが、全社ベースの営業利益予想から推測すると、前期比減益を見込んでいるものとみられる。

弊社では、製造装置事業の営業利益率は通常10%前後であり、メンテ・改修などの“その他”はもう少し高いとみられることから、前期並みの利益を確保できる可能性は十分あると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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