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追跡“アクティビストファンド”、混迷相場のなか存在感高まる <株探トップ特集>


―外資系・旧村上ファンド系攻勢、株主総会視野に活動活発化も―

 13日の東京株式市場は、後場に入り失速。日経平均株価は、前週末に比べ137円安と続落した。米国市場の動向などの先行き不透明感が残り、軟弱な地合いを実感させられた。ただ、様子見姿勢が強まるなか、東京市場で積極攻勢を続けているのが「アクティビスト」と呼ばれる“物言う株主”だ。足もとでは、海外系ファンドに加え旧村上ファンド系など国内系の動きも活発化。株主総会を視野に今後の動きが活発化することも予想される。

●日立国際、アサツーDK、東栄リーファのTOBに暗躍

 全般波乱相場が続くなか、足もとで外国人投資家は日本株を売り越し傾向。直近では1月第5週まで4週連続の売り越し。年初からの累計では4700億円超の売り越しとなっている。米国発の混迷状態が続くなか「外国人投資家は利益が乗っている日本株に対して売りを出しているようだ」(アナリスト)との見方が強い。

 ただ、そんななか市場で独自の存在感を高めているのが、アクティビスト系ファンドだ。例えば、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)による日立国際電気 <6756> に対するTOB(株式公開買付)には、米国のアクティビストファンド、エリオット・マネジメントが関わったことで同社のTOB価格は引き上げられた。米ベインキャピタルによるアサツー ディ・ケイ <9747> のTOBでも英シルチェスター・インターナショナル・インベスターズが大株主として絡み、アサツーDKの株価も一時TOB価格を上回って推移した。さらに、国内系では旧村上系ファンドが関係した東栄リーファーライン <9133> [JQ]のTOB価格が引き上げられたことは記憶に新しい。

●香港・オアシスが存在感、GMOの株主総会に関心高まる

 とりわけ、海外のアクティビスト系ファンドでは、香港のオアシス・マネジメント・カンパニーが存在感を増している。同ファンドは、GMOインターネット <9449> に対して買収防衛策の廃止などを株主提案しており、3月に予定されているGMOの株主総会に向けた動向が市場関係者の関心を集めている。オアシスは、パソナグループ <2168> の大株主となり、ガバナンスの改善などを要求しているほか、アルプス電気 <6770> によるアルパイン <6816> の経営統合に対しても買収価格などで異議を唱えている。また、オアシスは片倉工業 <3001> や三陽商会 <8011> などの大株主にもなっている。

 アサツーDKのTOBに絡み市場の注目を集めたシルチェスター・インターナショナルは、住友大阪セメント <5232> や島忠 <8184> 、オートバックスセブン <9832> 、セントラル硝子 <4044> 、きんでん <1944> などの大株主となっている。また、米系の友好的アクティビストとして知られるダルトン・インベストメンツは、藍澤證券 <8708> 、新生銀行 <8303> 、ティーオーエー <6809> 、カドカワ <9468> などに投資している。

●旧村上ファンド系は半導体商社に買い姿勢、図書印、浅沼組など注目

 国内系のアクティビストファンドでは、やはり旧村上ファンド系から目が離せない。TOBの成立で上場廃止となる見込みの黒田電気 <7517> への投資では、エグジット(出口戦略)に成功し多額の利益を上げたと見られているほか、前述の東栄リーファではTOB価格を引き上げさせた。また、昨年末にUKCホールディングス <3156> の大株主に浮上したことが関心を集めており、かねてから大株主となっているエクセル <7591> 、三信電気 <8150> とともに、半導体商社への買い姿勢を強めている。

 旧村上ファンド出身者が運営するエフィッシモ・キャピタルの動向は依然として要注目だ。昨年はTASAKIへの投資でエグジットに成功したとみられているほか、東芝 <6502> [東証2]の筆頭株主となり市場を驚愕させた。エフィッシモは、第一生命ホールディングス <8750> やリコー <7752> 、川崎汽船 <9107> のほか、三井金属エンジニアリング <1737> [東証2]、大阪製鉄 <5449> 、ヤマダ電機 <9831> 、東京鐵鋼 <5445> 、日産車体 <7222> 、フタバ産業 <7241> などの大株主となっている。

 また、同じく旧村上ファンド関係者が設立したストラテジックキャピタルは図書印刷 <7913> 、極東貿易 <8093> 、京阪神ビルディング <8818> 、淺沼組 <1852> などに投資している。アクティビスト系ファンドは、今春以降の株主総会を視野にその動向が活発化することが予想されるだけに、関連株への関心は一段と盛り上がりそうだ。

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