SMK Research Memo(4):17/3期通期予想は減収減益も、営業利益は高水準を確保する構え
■今後の見通し
(1) 2017年3月期の通期業績見通し
SMK<6798>の2017年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比14.9%減の65,700百万円、営業利益で同37.7%減の2,600百万円、経常利益で同63.3%減の1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同58.9%減の1,100百万円と減収減益の見通しだ。2017年3月期の業績を占ううえで無視できないのは為替相場の動向。米国大統領選後の影響など、今後の為替相場の動きには注視する必要があるだろう。同社では2017年3月期第3四半期以降の想定為替レートを1米ドル100.00円としている。
事業部別に見ても全面的に減収減益見込みだ。唯一FC事業部においては、海外生産品を日本に輸入する際、円高が有利に作用するため小幅ながら増益予想となっている。事業部別に見て特に苦戦すると想定されているのがTP事業部。主力の車載機器向けのタッチパネルが、競争の激しい静電容量方式に移行する影響が出るとみる。
市場別に見ても減収傾向。同社は対外的には「通信部品」「情報事務機部品」「家電部品」「電装部品」「映像・音響部品」「その他」の市場セグメントに分けて業績発表を行っているが、その他以外のすべてのセグメントにおいて前期比で減収となる見込みだ。
一方で好材料もある。採算性のよい新製品が投入されるほか生産性の向上も寄与することで、前期比減益とはなるものの営業利益予想は、円安が120円以上まで進んだ2016年3月期に次いで、ここ数年では高水準の2,600百万円を予想している。2017年3月期第3四半期以降の想定為替レートは1米ドル100.00円としているため、為替相場の状況によっては業績の上振れ要因にもなりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 香川 大輔)
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提供:フィスコ