貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6702 富士通

東証P
2,490.0円
前日比
+72.5
+3.00%
PTS
2,510円
22:26 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.0 2.86 1.04 0.64
時価総額 51,571億円
比較される銘柄
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個人ブロガー三竿郁夫氏:「2019 本格的デジタルイノベーション導入の年!」【FISCOソーシャルレポーター】


以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人ブロガー三竿郁夫氏(ブログ「IA工房」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2018年12月14日に執筆

皆さんこんにちは、フィスコソーシャルレポーターの三竿です。

突然ですが、“デジタルイノベーション”で出遅れている業界・会社は何処だろう。外部要因で好景気が続いている業界や規制緩和の遅れている業界、そして世界から取り残されて日本でガラパゴス化している業界等だ。そんな業界で、いち早くデジタルイノベーションを自社のビジネスモデルや業務の中枢に適用していく会社が2019年以降業績を伸ばして株価上昇につながるのではないだろうか?

AIやロボットによる省力化という表面的な言葉と方針だけでは、その業界の真の課題解決には繋がらない。日本の他社の真似をするのではなく、それぞれの業界の現場でいままで解決できなかった本質的な課題に“デジタルイノベーション”を適用するという思考が重要だ。聞きかじりのAI, IoT, 省力化だけを連発する経営者、IT部門に全て頼る経営者ではだめだ。経営者は、『本質的な解決すべき課題』を明確にして、その問題を責任を持って解決するチームリーダーを決め予算を割り当てる。そのリーダーが、デジタルイノベーションチームづくりをして、その課題解決の具体的な目標を設定して最先端のAI/IoT技術を最大限に活用することを検討し、実践すれば良い。

< 建築・土木業界 >
オリンピックまでは好景気に沸いているが、2019年は、その後の競争に打ち勝つための仕込みの年とみている。折しもデジタルイノベーションが大きく動き始めた2018年から何を学び、何に注力するかが問われる。たとえば、インフラモニタリングへのAI・Deep Learningの活用が興味深い。たとえば、建設後50年以上経過した老朽橋梁は4万箇所を超えると言われている。『効率的なインフラ補修』は、待った無しの大きな課題だ。橋梁の歪みセンサーやドローンによる画像解析で寿命を予知し、修復することが求められる。

・富士フイルム<4901>は、ひび割れ点検を効率化する社会インフラの画像診断「ひびみっけ」サービスの提供を開始した。こういった技術は、老朽橋梁や新規の建設現場での重要な要素となりつつある。
・富士通<6702>は、既存の橋の表面に加速度センサーを取り付け、振動データから橋内部の損傷を検知するシステムにAI技術「ZINRAI」を活用している。
・大林組<1802>は、富士フィルムの「ひびみっけ」をいち早く適用して、AIを駆使したコンクリートのひび割れ検出を実現している。

< エネルギー業界 >
世界の再生エネルギーの比率は24%になったと言われている。再生ネルギー比率の増加に伴い、電力業界の大きな課題として上がってきたのが『再生エネルギーの出力変動がもたらす不確実性課題』だ。多くの会社が、電力予測・化石燃料発電調整・送電量と蓄電量の最適化等の観点から、AIを適用するデジタルイノベーションに取り組み時始めた。

・三菱日立パワーシステムズは、関西電力<9503>と提携しAI技術を活用してデジタル・ツインと呼ばれる仮想火力発電所を構築し、ミャンマー等の海外の火力発電所運用最適化サービスを提供している。
・パナソニック<6752>は、家庭用ソーラーとエコキュートを効率よく活用するAI応用HEMS「AiSEG2」を提供している。気象予報データも取り入れて賢くエコキュートと売電・蓄電を最適化する。まるで家庭版スマートグリッドだ。

< IT業界 >
IT業界や大会社のIT部門は、デジタルイノベーションとともに役割が変わりつつある。ICTの初期の役割は、オフィス業務の効率化、その後いろいろな業界でSAPをはじめとするITインフラシステム導入全盛の時代となった。ITインフラシステム構築のためには、複雑な業務とICTを取りまとめるコンサルティングが必要となった。そこで、IT会社はコンサルティング会社を買収し、ICTに強いコンサルティング会社も隆盛を極めた。しかし、AIの世界は、これまでに出来上がったITインフラをどう使うかが本質だ。つまり、現場の特定の専門家を支援したり、現場の特定の課題を解決したり、画像やIoTから得られた大量のデータを特定の目的のために解析したりすることが目的となる。したがって、これまでのIT技術者やSIコンサルタントの経験だけでは足りないのだ。『現場の課題』を抱えた専門家に寄り添って、AI導入を支援する人材が必要となる。IT業界がAI時代に乗り遅れないためには、IT会社内部こそ人材開発を含めたデジタルイノベーションが必要となる。

・セールスフォースは、「AIの民主化」を掲げてCRMの中に色々な形でAIを盛り込んでスマートなCRMに進化させている。非常に明快で有望な戦略だとみている。
・Optimal Plusは、製造業に特化したイスラエルのビッグデータ解析によるスマート工場実現の支援会社だ。大手のグローバル製造業は、IoTの導入や見える化はすでに実現している。次の大きな課題は、大量にある製造プロセスのデータをいかにスマートに目的別に解析するかだ。Optimal Plusはあらゆる工程のデータを同じフォーマットに変換してディープラーニングを駆使したデータ解析エンジンを提供し、すでに多くの半導体企業に導入されている。このアプローチが複雑な工程と匠に支えられた日本の製造業にとってデジタルフォーメーションによる現場課題解決と競争力アップの切り札となるだろう。

< 農業・林業・水産業 >
日本の地方創生で最も大事なのは、第一次産業のデジタルイノベーションだろう。政府がやっと漁業法の改正に踏み切ったこともなんらかのトリガーになるのかもしれない。2019年に第一次産業に関わるデジタルイノベーション推進企業の成長も加速していくと思われる。

・シャープ<6753>は、広島江田島の「スマートかき養殖」のプロジェクトでAI/IoTを活用した技術を提供している。
・アドダイス<未上場>は、BeeSensingという養蜂業支援のAIとIoTを融合させた技術を養蜂業の現場に導入した。 養蜂業の専門家と現場で巣箱の中を観察することにより、AI/IoT導入のヒントを得て、今やスマホで巣箱の中の蜜蜂の健康状態がわかるようになった。

農水省や農研機構は『ガラパゴス化した日本の農林水産業』のデジタルイノベーションを推進・支援して地方創生と日本の第一次産業復活の旗印になってほしい。

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執筆者名:三竿郁夫 IA工房代表
ブログ名: 「IA工房」

《US》

 提供:フィスコ

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