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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6674 GSユアサ

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“蓄電池関連株”に熱視線、「EV&生活防衛」結ぶ点と線 <株探トップ特集>


―非常用電源としてのEV・PHV搭載電池に脚光、災害相次ぎ需要拡大へ―

 今年は相次ぐ大型台風が日本列島に大きな災害をもたらしたが、そのなかで次世代自動車の「非常用電源」としての役割が改めて意識されることになった。台風の異常発生などは地球温暖化の影響が指摘されており、CO2排出量を巡る取り組みが各国で推進されている。しかしながら、純排出量ゼロに向けた具体的な目標としては先の長い取り組みでもあるため、今後も大災害への備えは重要となる。気候変動問題への対策としても今回の大災害に伴う 蓄電池の「非常用電源」としての活用といった、民間企業の動きが加速する可能性があるだろう。

●非常用電源としてのEV、PHV

 大型台風が日本列島に甚大な災害をもたらすなかで電気自動車(EV)プラグインハイブリッド車(PHV)燃料電池車(FCV)に搭載している大容量電池が「非常用電源」となり、災害時の支援に効果を発揮した。

 台風の異常発生などは地球温暖化の影響が指摘されており、CO2排出量を巡る取り組みが各国で推進されている。パリ協定に基づく成長戦略として政府の掲げる目標を達成するには、日本は2050年までにエネルギー供給全体に占める化石燃料の割合を約12%へと縮小する必要がある。純排出量ゼロに向けた具体的な目標としては、40年までにガソリン車の販売停止、50年までにエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合を90%へ拡大、といったものがある。そのための施策として、ソーラーや電力、電気自動車、バイオ燃料、スマートシティ、高いエネルギー集約度、軽量バッテリーなどが挙げられる。

 こういった政府目標に対しての進捗期待はあるものの、今後も自然災害への備えは重要となるだろう。そういった意味でも、気候変動問題への対策に加え今回のような災害に伴う「非常用電源」としての活用など民間企業の動きが活発化する可能性がある。また、ESG投資の観点からも、企業にとって気候変動ビジネスへの関心が高まりやすいと考えられる。とりわけ今回の大災害による生活防衛意識の高まりを背景に「蓄電池」の需要拡大が期待される。

●大手自動車メーカーも取り組みに本腰入れる

 今回の千葉県を襲った台風被害に対して、トヨタ自動車 <7203> は「プリウスPHV」などを非常用電源として提供しているほか、日産自動車 <7201> はEV「リーフ」を被災地域に派遣して支援を行った。また、ホンダ <7267> は、EVから電気を取り出して家電などに供給することを想定して作られた可搬型外部給電器を提供している。こういった状況を経て、災害時における次世代自動車からの電力供給を目的として、各自治体では公用車を入れ替える動きが加速すると考えられるほか、老人ホームなどの施設においても、次世代自動車の普及が加速する可能性がある。

 一般のドライバーについても、災害の備えとして、自動車を買い替える場合には次世代自動車への需要が高まりそうである。その他、企業の工場なども工場内の電力供給を確保するため、大型の蓄電システムなどを配備する流れも加速することになりそうだ。

 なお、テレビコマーシャルで目にすることがあると思われるが、日産リーフは非常用蓄電池としての使用に対して、約4日間、家中の家電の電力をまかなえるようである。再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で買い取ってくれる仕組み、FIT(固定価格買い取り制度)が19年11月から順次契約満了となる。そのため、作った電気は「売る」より「使う」といったニーズに向かいやすい面も普及を促進させるだろう。

●そのほか要注目となる関連銘柄群は

 家庭用蓄電池では、京セラ <6971> の蓄電池は大容量であり、最大23時間連続で使用することが可能。太陽光発電と連携させることで、災害時への備えとなる。ニチコン <6996> は、蓄電容量4.1kWhから16.6kWhまでの製品を展開しているほか、「トライブリッド蓄電システム」は、自宅の電気のほか、EVやPHVとも組み合わせられる。オムロン <6645> は世界最小・最軽量のコンパクトサイズの蓄電システムを手掛けている。

 その他、パナソニック <6752> 、シャープ <6753> などが家庭用蓄電池を手掛けている。高島 <8007> は建設資材、太陽光発電や蓄電池などを取り扱う多角的専門商社である。住友大阪セメント <5232> はリチウムイオン電池用正極材料としてリン酸鉄リチウムを手掛けているほか、日立化成 <4217> は風力発電や太陽光発電の出力平準化のほか、ビル、工場、商業施設や家庭で使う産業用蓄電池を手掛けている。ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> は産業用鉛蓄電池・産業用アルカリ蓄電池・産業用リチウムイオン電池などで高いシェアを持っている。その他、日本ガイシ <5333> は世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システム「NAS電池」が有名であるほか、アブダビに大規模バッテリー工場を建設し、現在、電力グリッド・システム・エンジニアリングを手掛ける世界有数の企業の一つとして注目されている。

 また、人工知能(AI)を使い家庭用の蓄電池を効率的に充電できる「AI蓄電池」がにわかに話題となっている。家庭での使用電力をAIが学習し、その学習結果から電力の需給を最適化するようである。蓄電機能にとどまらず、電力の充放電を効率的に行って節電・節約を可能にするAI蓄電池への関心も高まってくるだろう。

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