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6670 MCJ

東証S
1,371円
前日比
+4
+0.29%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.3 1.74 4.16 26.85
時価総額 1,395億円
比較される銘柄
EIZO, 
シャープ, 
京セラ
決算発表予定日

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MCJ Research Memo(4):2017年3月期は増収大幅増益、過去最高値を更新し配当倍増


■業績動向

1. 2017年3月期の業績概要
MCJ<6670>は5月12日、2017年3月期連結決算業績を発表した。売上高は前期比5.3%増の108,727百万円、営業利益は同44.5%増の7,463百万円、経常利益は同49.6%増の7,503百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は62.9%増の5,030百万円と売上高、利益ともに過去最高を更新した。国内PC、欧州モニタの販売が好調に推移したこと、主要子会社全社が前期比増益を記録したことが要因である。

好業績に加え、配当性向方針を従来の20%以上から25%以上に変更したことにより、期末に1株当たり26円の配当(前期比13円増配)を行っている。なお、第1四半期で、英国におけるCRT訴訟判決費用を特別損失計上したが、その後の一部訴訟判決結果に伴い、損失確定及引当繰り戻しを行ったことや、連結子会社株式の譲渡及び保有不動産譲渡による特別利益を計上し、相殺されたために結果的に決算上での影響は軽微なものとなっている。

2. セグメント別業績
(1) パソコン関連事業
売上高は前期比5.8%増の105,310百万円であった。増収の要因は、2016年3月期より引き続き実施しているTVCM(2017年3月期第3四半期に第2弾実施、乃木坂46を起用)に加え、Web広告や電車・バス等の交通広告の宣伝効果により、EC販売及び法人向け販売が好調であったこと。市場トレンドに連動し軟調に推移していたパソコンパーツ販売が下期にかけて回復基調となったこと。引き続きモニタ販売の欧州売り上げも大幅に伸長したこと。などである。営業利益は前期比47.6%増の7,391百万円であった。連結対象の主要子会社4社がすべて前期比増益で着地したことで過去最高益を達成した。

「mouse」ブランドをメインとしたパソコンの国内製造・販売事業においては、積極的な広告宣伝効果により、ブランドの認知度が向上している。ゲーミングPC向けブランド「G-Tune」や、2016年2月に発表したクリエイター向けパソコン「DAIV」等の継続的な好調も加わり、営業利益は大幅に増加。広告宣伝費等の先行投資費用や変動性費用の増加を吸収した。

「iiyama」ブランドによるモニタの欧州販売事業は、タッチパネルモニタ、デジタルサイネージ製品の継続的な安定成長に加え、汎用モニタも好調となったことにより、売上高・営業利益とも前年同期比で大幅に増加した。こちらも、高利益率製品の販売が好調で高水準の利益率を維持している。

「パソコン工房」、「グッドウィル」等を全国に店舗展開する小売事業においては、前期実施した不採算店舗の撤退(13店舗)により、売上高は前期比で減少したものの、特定用途向けのBTOパソコンの販売やサポート・サービス関連事業の好調等により営業利益は増加。既存店舗の強みを生かしたベンチャー企業製品の取扱いやサポート・サービスなどに注力しており、サポート会員数も順調に推移している。

パソコン及びCPU・マザーボード・HDD等パソコン基幹パーツの代理店販売・卸売事業においては、上期にパソコンパーツ販売が苦戦したが、下期の新規販売先開拓により法人向けビジネスが堅調で売上高は前期比微増で落着した。利益率の高い新製品(ゲーミングチェアなど)の独自開拓製品販売の好調によって営業利益は大幅に増加した。

パソコンの国内出荷台数と同社グループ出荷台数を前年同期比で表した数値の推移で見ると、傾向的には概ね一致しているが、直近で市場全体が低迷しているなかで同社グループの出荷台数は伸長している。要因の一つとして、2016年3月期第4四半期以降実施している全国TVCM等の宣伝効果により、同社グループの認知度が向上し拡販に貢献しているものと考えられる。

広告宣伝効果については、同社の調査結果によると、同社グループのブランド力の向上が見られ、特に直販ECにおいては、ホームページアクセス数に加え、目的買いによる購入も大幅に増加しているようである。また、法人からの問い合わせも増加し、従来よりも値引きの必要も少なくなっているようである。

なお、パソコンの今後の出荷台数について、同社は市場全体としては「良くても横ばい」とみている。その中で事業拡大していくためには、PCにこだわらず、VR、AR(Augmented Reality:拡張現実)、ドローン、ウェアラブルなど顧客の求める多様なデバイスを、店頭を始めとした情報リサーチで把握し、開発・仕入・販売していく。このため、自社だけでなく、必要な製品開発力を持ったベンチャー企業に対して、投資を行い、製品力を向上させていく方針である。

(2)総合エンターテインメント事業
売上高は前期比13.7%増の3,439百万円、営業利益は前期比2.4%増の293百万円であった。「aprecio」ブランドで複合カフェ店舗の運営を行っており、事業譲受等により店舗数が増加(期末比2店舗増)したことなどから売上高は前期比2桁増となった。競争激化で既存店が苦戦したものの、一部店舗の収益改善により営業利益は前年同期比で増加した。オーディオプレーヤーなど、店舗利用者をターゲットとした体験型マーケティングも引き続き実施している。

3. 関係会社業績
連結対象の主要子会社5社の業績を見ると、5社すべてが前期比増益落着となり、グループ業績向上に大きく貢献した。売上高では、ユニットコムのみ不採算店舗の統廃合による店舗減少で前期比微減となったが、ほかの4社は増収であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)

《HN》

 提供:フィスコ

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