6658 シライ電子工業 JQ 15:00
300円
前日比
-6 (-1.96%)
比較される銘柄: 日本CMKイビデンキョウデン
業績: 今期予想
電気機器
単位 100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.0 1.35 1.67 179

銘柄ニュース

戻る
2016年09月08日19時00分

任天堂株“Bダッシュ”開始、iPhoneマリオ配信は始まりに過ぎない <うわさの株チャンネル>


―ポケモンフィーバーから1ヵ月余、再びの急騰はどこまで続く―

 8日の東京株式市場は、メジャーSQ算出日を前に気迷いムードが漂い下値を探る動きとなったが、フィンテック関連人工知能(AI)関連など個別テーマの物色意欲は旺盛だった。そのなか、ひときわ市場関係者の注目を誘ったのは任天堂 <7974> とその周辺銘柄の“過激な値動き”だった。

●関連銘柄もマリオと一緒に走りだす

 米アップルは現地時間7日にサンフランシスコで開催した新製品発表イベントで「iPhone7」などを発表したが、そこで 任天堂は人気ゲーム「スーパーマリオ」の新作である「スーパーマリオラン」をiPhone向けに配信することを発表、これがポジティブサプライズとなり、株価を一気に押し上げる格好となった。朝方は大量の買い注文に値が付かず、寄り付いた時点で前日比4500円高(18.2%高)の2万9195円と3万円の大台目前まで買われた。その後は徐々に戻り売りに押される展開となったものの、2万7000円台で売り物をこなし切って終盤下値を再び切り上げる強さをみせた。

 また、任天堂と「スーパーマリオラン」の開発および運営で協力関係にあるディー・エヌ・エー <2432> にも人気が集中、こちらはカイ気配のまま水準を切り上げストップ高で寄り付いた。このほか、「ポケモンGO」が「アップルウオッチ」にも対応することが発表されたことで、ポケモノミクス関連の先駆銘柄として人気化した経緯があるサノヤスホールディングス <7022> 、イマジカ・ロボットホールディングス <6879> などが投機資金を呼び込んだ。さらに、任天堂の大株主である京都銀行 <8369> や、引けは軟化したものの任天堂が資本参加しているプリント配線板専業のシライ電子工業 <6658> [JQ]が一時ストップ高目前に買われ、充電器を手掛けるアイ・オー・データ機器 <6916> 、機構部品を手掛けるホシデン <6804> なども上昇、その物色人気は7月のポケモンフィーバーを想起させる広がりをみせた。

●4番バッター登場とヤレヤレの売り

 市場では今回の急騰劇に際しさまざまな意見が聞かれたが、概ね肯定的な見方が多い。東洋証券ストラテジストの大塚竜太氏は、「ポケモンと比べてマリオはキャラクターとしてかなり先輩格であるし世界的にも認知度が高い。任天堂の保有するキャラクターの知的財産としては4番バッター、最強クラスといってよい。『ポケモンGO』は米ナイアンティックが開発・運営しているが、今回は任天堂が主体で収益面への寄与度も違ってくる。足もとは戻り売り圧力が意識されるものの、今後の可能性も考えると、やや時間はかかっても7月の大相場の上を行くのではないか」という見解を示している。

 任天堂が、世界的に空前の大ヒットとなっているポケモンGOを材料に7月に株価を急変貌させたことは記憶に新しい。その鮮烈な上げ足もさることながら過去の記録を塗り替える驚異的な商いも注目され、7月19日と20日には連日で売買代金が7000億円を超える水準をこなして、市場関係者の度肝を抜いた。ただ、その後は任天堂が「(ポケモンGOの)業績に与える影響は軽微」と発表したこともあって、反動から急速な調整を余儀なくされ、上値に控えるシコリ玉も意識されていた。

 松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は、「きょう(8日)は店内でみても任天堂の売買代金は断トツ。個人投資家資金全体の1割強が任天堂に向かっている(午後1時現在)」としたうえで、「まだ、若干上値追いに半信半疑なところがあり、そのムードが値幅制限上限まで買われず、寄った後に軟化した動きに反映されている。やはり個人投資家の参戦が目立つ銘柄であっただけに、ヤレヤレの売りを完全に吸収するには1週間くらいの期間が必要なのではないか」と分析する。その背景に「マリオ新作の課金モデルが現時点ではっきりせず、思ったより収益が伸びないのではないかという見方が一部にある」としており、ポケモンGOの業績への影響度合いの薄さが株高トレンドを崩すきっかけとなった7月相場のトラウマを、マーケットが引きずっていることを的確に示唆するコメントとなった。

●“見えないプラス効果”の伸びしろ

 一方、少し長い目でみれば任天堂の潜在的な天井の高さを指摘する声も出ている。個人投資家から人気の株式アドバイザー北浜流一郎氏は、「例えばポケモンGOというゲーム自体を近視眼的に材料としてみた場合、確かに改めて上値追いの材料にはなりにくいと思う。実際ポケモンGOプレーヤーでもある私が、外を回って周りを見て、最近ポケモンGOをやっている人が以前より少なくなってきていると感じている。でも、任天堂の株価を評価する本質はもっと別のところにある」とし、ひと呼吸おいてこう続けた。

 「ポケモンGOのメガヒットで“任天堂健在”を世界に知らしめた。知的財産として輝きを放つキャラクターが任天堂にはまだあったなと投資家に思わせ、見えないプラス効果をもたらした。それが今回マリオ新作のiPhone配信、アップルとの連携というかたちで実現したが、これはまだ一里塚に過ぎない」とする。

 任天堂は7月19日に3万2700円の高値をつけている。回転商い中心とはいえ、前述したように19、20日の2日間で1兆4000億円以上の記録的な売買代金をこなしたことは、短期的な戻り相場の見地から大きなプレッシャーであることも確か。しかし、スマートフォンゲームの分野で、同社が擁する知的財産を制限することなく活用するとなれば、北浜氏が指摘する“見えないプラス効果”は現実のものとなる。株価も3万円台前半で打ち止めとなるほどスケールの小さいものではないと思われる。

(中村潤一)

株探ニュース

日経平均