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7年後20倍4800億円、市場拡大“協働ロボット”で変わる職場と関連株 <株探トップ特集>


―“設備”から“パートナー”へ、人手不足解決・生産性向上へロボット各社注力姿勢―

 世界的な人手不足を背景に、産業ロボット市場の活況が続いている。そのなかで需要が拡大しているのが、人のそばで作業する「協働型」と呼ばれるロボットだ。製造工場を中心に活用されてきた従来の産業用ロボットと比べて安全性や汎用性が高いことから、今後はあらゆる仕事場での導入が進むとみられ、国内の産業ロボット各社は市場攻略に向けて注力姿勢を強めている。

●世界市場は23年に20倍超に

 協働ロボットは、人と同じ作業スペースに設置することを前提とし、これまでの産業ロボットのように安全確保のための柵で囲う必要がないのが特徴。また、多品種少量生産にも対応可能なことから、生産設備の自由度が増し、今までロボットの導入を見送っていた現場や、ロボットの設置が難しいとされてきた工程でも自動化を実現することができる。

 協働ロボットが必要とされている背景には、人手不足の解消と生産性の向上が挙げられる。総務省の国勢調査などをもとにした推計では、国内の生産年齢人口(生産活動の中核をなす15歳以上65歳未満の人口)は2030年にかけて減少が加速する見通し。ロボットの最大市場である中国も同様の問題を抱えており、人件費の高騰に悩まされている。こうしたなか、生産性を向上させることを目的に協働ロボットを導入する動きが広がっており、米調査会社では世界市場規模が16年の約200億円から23年には約4800億円に拡大すると試算している。

●化粧品や飲食業界で導入の動き広がる

 協働ロボットの特性に着目し、国内でも化粧品業界や飲食業界などで導入する動きが出始めてきた。資生堂 <4911> は「労働力不足などの環境変化に備える」(IR部)ため、今年3月から掛川工場のメーキャップ製品組み立て工程に、人型ロボットを試験導入。経済産業省の「ロボット導入実証事業」を活用し、グローリー <6457> とともに「人とロボットの協働作業」による新たな生産システムを開発、実証、導入した。

 花王 <4452> の豊橋工場では、16年から川田テクノロジーズ <3443> グループのカワダロボティクス製のヒト型協働ロボットがビューティケア製品などの包装作業に従事。同社では「協働ロボットは売り上げの変動に対して柔軟に対応できることが利点で、他の工場への導入も視野に入れている」(広報部)という。また、吉野家ホールディングス <9861> は都内1店舗にライフロボティクス(東京都江東区)製の協働ロボットを導入し、食器洗浄工程での効果を検証している。

●川重はABBグループと基本技術を共通化へ

 協働ロボットで先行したのはデンマークのユニバーサルロボットやドイツのクカといった欧州メーカーだが、15年にはファナック <6954> や川崎重工業 <7012> 、産業用機器大手のABBグループ(本社:スイス)などが参入。先日には川重とABBグループが協働ロボット分野で協業することが明らかとなり、両社はメーカーで異なるプログラミングおよび周辺機器とのインターフェース、通信といった産業共通の基本技術を確立することで、世界的な需要を取り込む構えだ。

 また、安川電機 <6506> は今年6月から、人協働ロボット「MOTOMAN-HC10」の販売をスタートさせた。主な用途は小物部品の組み立て作業のほか、今後のロボット活用の拡大が期待される3C市場(コンピューター、家電製品、通信機器)などを想定。オリックス <8591> 子会社でロボット関連サービスを手掛けるオリックス・レンテックが10月から「MOTOMAN-HC10」の法人向けレンタルを開始したこともあり、利用企業の拡大が期待される。

●エプソンは18年度からの参入を表明

 このほか、住友重機械工業 <6302> は米リシンク・ロボティクス社製の協働ロボット「Sawyer(ソーヤー)」の販売を手掛け、IDEC <6652> は10月から協働ロボットの取り扱い製品を拡充。不二越 <6474> は11月29日から12月2日にかけて東京ビッグサイトで開催された「2017国際ロボット展」に、6軸の協働ロボット「CZ10」を出展し、注目を集めた。

 デンソー <6902> とデンソーウェーブ(愛知県阿久比町)は協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を共同開発し、11月下旬から販売を開始。セイコーエプソン <6724> は11月27日に開いたロボティクスソリューションズ事業戦略説明会で、16年度は169億円だった同事業の売上高を20年度までに約400億円、25年度までに約1000億円に引き上げる方針を示すとともに、18年度から協働ロボット市場に参入することを明らかにした。

 これ以外では、ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]が3月に持ち分法適用関連会社だった独ハーモニック・ドライブ・アーゲーの子会社化を完了して協働ロボットの基幹技術を確保したほか、第一精工 <6640> の静電容量方式トルクセンサー「エストルク」は安川電機の協働ロボットに搭載された実績を持つ。また、セック <3741> とTHK <6481> は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「人と共働して軽作業するロボットプラットフォームの開発」に取り組んでいる。

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