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Jストリーム Research Memo(5):動画制作をトータルでプロデュース


■事業概要

3. 制作・システム開発事業
Jストリーム<4308>は動画配信のシステムを提供するだけでなく、動画制作のトータルプロデュースも手掛けている。Webサイトの企画立案から動画などコンテンツ、素材調達に至るまでの制作体制を完備し、さらにグループ子会社の映像制作、Web制作・運用、システム開発などの機能も活用している。六本木の自社スタジオではスタジオのレンタルサービスを提供しており、背景を合成するバーチャルセット、ライブ配信に必要な設備、オペレーターを配備している。機材のない場所でもスタジオと同レベルの映像を制作できる、リモートバーチャルスタジオというサービスもある。また、同社のエンコードチームは、端末や配信技術のトレンドを素早くキャッチし、新しいコーデックを常に取り入れており、短納期や大量の依頼にも対応可能な体制となっている。ほかにも、スマートフォンで簡単に高画質動画が制作できる動画編集アプリケーションプラットフォーム「Videolicious」、ユーザーの属性に応じて自動的に生成した動画を配信するパーソナライズド動画制作サービス、アニメーションキャラクターを出演させる映像制作サービスであるアバタープレゼン制作パックといったサービスもある。


顧客のニーズをかなえるソリューションと代表的な利用シーン
4. ソリューションと利用シーン
同社は、各事業のサービスを駆使し顧客のニーズをかなえる、ソリューションという形でサービスを提供している。プロモーションにおいては動画の企画制作から配信、メールなどの活用施策まで、VODなど動画コンテンツの販売においてはサイト構築から会員管理、決済システムまでの一切を提供しており、ほかにもeラーニング、Webセミナーや社内情報共有、パフォーマンス改善、セキュリティ対策など、顧客のニーズに応じたソリューションサービスを展開している。なかでも、放送、金融、医療の分野(業界)に向けてその多くを提供している、業界特化型ソリューションに特徴がある。放送業界向けには、デジタルコンテンツ配信サイトにおける広告・課金、放送番組のサイマル配信や放送連動型ライブ配信、動画配信やWebにおける高速・安定配信対策など、金融向けには、商品説明動画の顧客/販売担当者向け制作、社員/代理店/拠点間向けの情報提供/社内広報/情報共有のサイト構築・動画配信・運用、顧客向け金融情報のサイト構築・動画制作・配信・運用など、医療業界向けには、医師向けのWeb講演会開催や情報提供サイトの構築、MR向け情報提供サイトなどを提供している。なかでも放送向けに、視聴ユーザーの拡大や配信映像の高品質化を目指して、マルチCDNを使った動画配信の安定性・品質の向上を進めているが、今般、同社のCDNがテレビ朝日の「テレ朝動画」や番組宣伝動画などの動画配信基盤や、フジテレビの動画配信サービス「FOD」で使われることになった。業種区分を現実に即して細かく見直したことで、ソリューションの営業をより緻密に展開できるようになった効果も大きかったと思われる。一時的要因で減収となった医療業界向けライブ配信以外、売上高は好調な伸びを継続している。なお、医療業界向けライブ配信は、用途別では販促に分類されている。


直近に子会社化/出資した2社のシナジーは大きそう
5. 事業の脇を固める関係会社
同社のサービスやソリューションの脇を固めるのが、同社グループ子会社の4社である。(株)CO3はオンキヨー<6628>との合弁会社で、課金や会員認証などのプラットフォームの提供、トランス・コスモスと共同で出資しているクロスコ(株)はプランニングや映像制作など販促機能を有する。(株)JクリエイティブワークスはWebサイトの制作や運用支援などを行っている。2017年8月に子会社化したイノコスは、多チャンネル事業者やCATV事業者向けに放送局内部向けエンコード設備の販売やそのインテグレーション業務などを行っている。視聴者への配信を得意とする同社とはシナジーが期待でき、需要拡大が見込まれる放送と通信の連携やコンテンツプロバイダー向け大容量動画配信など、今後のサービス拡大につながると予想される。

また、2018年8月にマイノリティ出資(39%)したビッグエムズワイは映像制作、Web制作、インターネットライブ配信などを行っている。また、インターネットで医師に医薬情報を提供する「eディテーリング」の黎明期から数多くの制作を手掛けてきた上、既に広く利用され今後も成長継続が見込まれる医療業界特化型CRM「Veeva」においても、コンテンツ制作・運用を手がけ大きなシェアを占めている。同社とは顧客層やサービス内容の面で補完し合うことから、今後はお互いにより幅広い顧客へのアプローチが実現できるようになると思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《MH》

 提供:フィスコ

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