貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6506 安川電機

東証P
5,980円
前日比
-116
-1.90%
PTS
5,997円
23:27 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
28.9 3.91 1.14 0.96
時価総額 15,948億円
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サンワテクノス Research Memo(2):2017年上期は減収減益、下方修正した業績見通しを利益項目は上回る


■2017年3月期第2四半期決算の詳細

サンワテクノス<8137>の2017年3月期第2四半期決算は、売上高50,006百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益1,082百万円(同23.6%減)、経常利益1,102百万円(同28.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益763百万円(同26.1%減)と減収減益で着地した。同社は第1四半期決算発表時に、第2四半期累計期間と通期について業績見通しを下方修正したが、実績は営業利益以下の各利益項目で修正予想を上回っての着地となった。

2017年3月期第2四半期決算は減収減益ではあったものの、内容的にはむしろポジティブな要素が多い決算だったというのが弊社の評価だ。ポジティブ要素のうちの1つは、いわゆる業績モメンタムだ。第2四半期決算を四半期ベースに分解すると、第1四半期と第2四半期とでは業績、特に利益面で、大きな違いがあることがわかる。第1四半期は為替レートが円高方向に進んだことと、中国をはじめとする新興国経済の減速状態が想定以上に厳しかったことが響いて、営業利益は前年同期比89.7%減にまで落ち込んだ。こうした状況が同社をして第1四半期決算時での業績予想の下方修正に踏み切らせた。

しかしながら第2四半期に入ると、中国においてスマートフォンメーカーの設備投資が活発化してきたほか、中国及び韓国における半導体関連業界の動きが活発化してきたこともあり、同社の主力であるFA関連商材などへの需要が急速に回復した。その結果、第2四半期は営業利益が前年同期比0.6%減と、大きく勢いを取り戻した。第2四半期に始まった需要回復の動きは第3四半期に入っても継続していることから、結果的に今第1四半期が業績の底であったものと考えられる。

なお円高については、今第2四半期決算では、売上高で約3,000百万円、経常利益で約270百万円(営業外損益中の為替差損を含む)のマイナス影響があったようだ。

同社の事業部門は電機部門、電子部門、機械部門の3つに分かれているが、その部門別動向は以下のとおりだ。

電機部門の売上高は、9,115百万円(前年同期比9.8%減)となった。減収の大きな要因は太陽光発電システム向け制御機器の減収だ。一方で、産業機械業界向けのサーボモータ等の販売が増加しているのは、今後につながるポジティブな要素の1つと言える。代表的な商品であるサーボモータを例にとると、安川電機<6506>のサーボモータは中国の機械メーカーに納入され、そこで製造設備に組み込まれて現地のスマートフォンや半導体メーカーの生産ラインに組み込まれるという流れが定着しつつある。

電子部門の売上高は36,704百万円(前年同期比9.3%減)となった。この部門ではアミューズメント向け電子部品の販売の減少が減収の大きな要因となったが、自動車関連業界向け電子部品や小売店舗向けのショーケース用LED照明などの販売は順調に増加した。弊社が注目するのは自動車業界向けの電子部品販売の増加だ。同社は2016年4月に自動車業界を担当する「車載営業部」を新設し、重点注力分野と位置付けている。そこで成果が出始めているのはポジティブに評価できる。現状の事業規模はまだ小さいが伸びしろは大きい。

機械部門の売上高は4,186百万円(前年同期比7.9%増)となった。液晶関連向けや産業機械業界向けの生産設備の販売増が増収につながった。後に詳述するが、同社はエンジニアリング事業の強化に取り組んでいる。これは3部門の商材を組み合わせてシステムとして顧客に提案販売しようというものだ。具体例としては有機ELデバイスの製造装置関連の売上などがあり、こうした新たな取り組みも同部門の売上高を押し上げた。

販売地域セグメント別で見ると、日本と欧米が前年同期比増収となったが、中国をはじめとする新興国主体のアジア地域は、売上高は前年同期比27.5%減の11,843百万円、営業利益は同38.2%減の308百万円と、大幅な減収減益となった。

四半期ベースの動きでは、主力の日本セグメントの収益が第2四半期に大きく改善しているのが注目される。第2四半期の売上高は第1四半期比29.0%増、営業利益は黒字転換となっている。例年、第1四半期に比べて第2四半期の収益水準は拡大するという季節性があるが、それを考慮してもなお第2四半期における回復基調を読み取ることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HK》

 提供:フィスコ

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