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6409キトー

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キトー Research Memo(5):期初予想はかなり控えめ、海外子会社の出足好調で上方修正の可能性が大きい


■今後の見通し

1. 2018年3月期の業績見通し
キトー<6409>は2018年3月期通期の業績を、売上高で53,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益で4,400百万円(同4.5%増)、経常利益で3,700百万円(同13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,500百万円(同31.7%増)と予想しており、期初予想と変わっていない。為替レートの前提は、USドル110.0円(前期は108.4円)、カナダドル80.0円(同82.5円)、ユーロ120.0円(同118.8円)、人民元17.0円(同16.4円)となっており、カナダドルを除いてやや円安と予想している。

上記の予想に対して、同社では各地域別の市場環境を以下のように見ている。

2. 地域別の市場環境の前提及び主な施策
(1) 日本
日本国内の売上高は13,500百万円(前期比2.8%増)と堅調に推移すると予想している。民間設備投資は堅調に推移し持続的な成長を期待している。インフラ整備や建築土木も需要拡大が期待できることから増収を予想している。

施策としては、新製品の導入、品ぞろえの拡大を継続する。また営業面ではクレーンビルダーとの連携を強化する。一方で社内的には新基幹システム(ERP)の早期安定化を図る。

(2) 米州
米州ではトランプ政権の動向や原油市場の先行きは読み難いが、需要は幅広い産業で底堅く推移し、エネルギー関連産業の回復、インフラ関連投資に期待している。為替は横ばいからやや円安に振れると予想していることから、売上高は25,500百万円(前期比3.1%増)を見込んでいる。

重点施策としては、製品の品ぞろえを拡大し市場での競争力を強化する。また現地生産の拡大によりサプライチェーンの最適化を図る。

(3) 中国
引き続き景気の不透明感は続くが、景気減速は底打ちし、スローだが更なる需要回復を期待している。施策としては、グローバル製品の生産を拡大し、コスト削減による利益改善策を継続する。現地通貨ベースでの売上高は横ばいから微増とみているが、為替の影響もあって円ベースでの売上高は5,200百万円(前期比3.3%増)を予想している※。

※中国やその他の海外子会社は12月決算であるため、2017年1月から12月までの業績が同社の2018年3月期に3ヶ月ずれて連結される。


(4) アジア
市場環境としては、依然として設備投資に回復感が認められず厳しい状況が続くとみているが、韓国でのフラットパネルディスプレイ向けは引き続き堅調に推移する見込みであることなどから、売上高は5,000百万円(前期比1.5%増)と微増収を予想している。

重点施策としては、クレーンのメンテナンスなどサービス事業やホイスト販売を強化する。またタイでの更なる収益性の改善を目指す。

以上のように同社では、今期は各地域ともそれなりに回復するとみているが、その率は決して高くはない。国内の建築土木関連市場や設備投資需要が堅調に推移する可能性があること、米州での需要も急増は期待できないが、堅調に推移すると予想されること、中国で底打ち感が出ていること、韓国ではフラットパネルディスプレー向けが引き続き堅調であること、タイ子会社が回復傾向にあることなどを考慮すると、現在の予想はかなり控え目であり上方修正の可能性が高いと思われ、今後の動向は大いに注視する必要があるだろう。ただし、通期での利益動向を左右する最大の要因は、新基幹システムへの移行により停滞した上期の遅れを下期にどれだけ取り戻せるかだろう。

3. 設備投資と減価償却
今期の設備投資額は2,400百万円(前期は2,239百万円)、減価償却費2,300百万円(同1,792百万円)の予定。投資の内容は、通常の設備更新や新製品開発などに加えて、社内ERPシステムの更新(各地域)に使う計画だ。後述するように同社は新しい中期経営計画の中で「“One KITO”の実現」を掲げており、その施策としてグループERPの早期安定化を進める。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《TN》

 提供:フィスコ

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