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6383 ダイフク

東証P
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時価総額 12,022億円
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決算発表予定日

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ネット通販“急拡大”追い風に、物流機器メーカー商機拡大 <株探トップ特集>


―物流ニーズ増加と人材難、省力化・自動化の引き合い強く―

 首都圏を中心に高機能で大型の物流施設の建設が増えている。インターネット通販の需要急拡大や配送時間短縮などのサービス競争の激化で、 物流ニーズが増えていることが背景にある。こうした施設は、従来の倉庫のように商品を保管するだけでなく、施設内で仕分けや梱包といった作業ができるようになっているが、近年の人材難から省力化・自動化へのニーズが強い。当然、施設で稼働する物流機器メーカーにも追い風が吹いている。

●首都圏周辺で建設着手相次ぐ

 住友商事 <8053> は9月末、初の単独開発案件として取り組んでいた最新鋭物流施設「SOSiLA(ソシラ)習志野茜浜3」を竣工させた。同施設は、国内物流の戦略的拠点として建設したもので、8859坪の敷地に地上4階建て、延床面積1万1751坪の建物。同社ではさらに、「SOSiLA横浜港北」建設にも着手しているほか、「SOSiLA相模原(仮称)」の開発も計画中だ。

 また、大和ハウス工業 <1925> は、7月に千葉県流山市で国内最大級の物流施設の建設に着手したほか、11月初めには埼玉県川口市でも物流施設の建設に着工している。プロロジス(東京都千代田区)やグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、東京都港区)といった外資系企業も埼玉や千葉で物流施設の開発を相次いで行っており、首都圏周辺では建設ラッシュとなっている。

●今後4年で31万坪分が新規に供給

 総合不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサール(JLL、東京都千代田区)によると、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県)の大型先進物流施設の新規供給量は2016年に32万6000坪となり、統計がある05年以降で最大だった08年の30万9000坪を上回る見通しだ。また、17年から20年の4年間の合計では123万坪となり、年平均で31万坪が新規に供給されると予想している。これは06年から15年までの年平均17万坪に比べ、80%強も多い供給となる。

 こうした大型先進物流施設の多くは、複数の企業が入居できる多層階の構造となっており、荷物を保管・発送するスペースに加えて、施設内で仕分けや梱包などの作業ができるように、各階までトラックが入れるループ状のスロープを備えているのが特徴。また、効率化を図るため、自動仕分け装置なども設置されている。

●15年度の物流機器市場は前年度比21%増

 このような高機能で大型の物流施設の増加を背景に、物流機器の市場も拡大している。日本物流システム機器協会によると、2015年度の物流システム機器の総売上高は、14年度の3479億1200万円から21.0%増の4211億6700万円に拡大し、売上件数も14年度の11万2291件から12万3785件へと増加した。

 特に近年では、省力化につながる新型施設へのニーズが強く、同協会では、「16年度の売上金額も比較的堅調に推移する」と予想。関連する企業にとって、好環境が続きそうだ。

●ダイフクは物流向け自動化システム好調

 ダイフク <6383> は搬送や仕分けシステムの世界大手だが、国内を中心に物流施設向けの自動化システムが好調に推移しているという。9月中間期の受注高は1439億円(前年同期比30.1%減)だったが、これは物流施設への自動化投資が以前より大がかりになり、正式な受注まで時間がかかるようになっているため。下期にはこれが一気に動くとみられ、業績へ貢献しそうだ。

 また、トーヨーカネツ <6369> では、9月中間期にネット通販や小売業向け新設案件を計上したことから、物流システム事業の売上高が91億5600万円(同20.7%増)と高伸長。なおも受注残を191億5000万円(同92.9%増)抱え好調が続く。さらに、椿本チエイン <6371> では、雑貨やダイレクトメールなどの出荷先別仕分けを自動化する業界初の多段式自動仕分け機などの新商品投入で、マテハン事業の強化を図っており、17年3月期には同事業の営業利益7億円(前期比6.2%増)を見込んでいる。

●産総研と共同で次世代物流システムを研究する豊田織

 このほか、物流システム全般を手掛けるIHI <7013> や岡村製作所 <7994> 、フォークリフトだけでなく、国内初の無人搬送ロボットの開発でも知られるニチユ三菱フォークリフト <7105> 、同じく無人搬送ロボを手掛ける明電舎 <6508> なども関連銘柄として挙げられる。

 また、産業技術総合研究所(産総研)と共同で人工知能(AI)IoTを取り入れた次世代物流システムを研究する「豊田自動織機―産総研アドバンスト・ロジスティクス連携研究室」を設立した豊田自動織機 <6201> もその動向に注目したい銘柄だ。

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