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6365 電業社機械製作所

東証S
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“アジア水ビジネス”最新事情、技術力で期待の銘柄は? <株探トップ特集>


―「ヤンゴン宣言」採択で水処理関連などに関心―

 水資源を巡る国際会議「アジア・太平洋水サミット」が、12月11~12日にかけてミャンマーで開催された。この会合で取りまとめられた「ヤンゴン宣言」では、国連が2030年までの達成を目指す「SDGs(持続可能な開発目標)」よりも5年早く、地域のすべての人々に安全な飲み水や衛生的なトイレを提供することを明記。また、水関連災害に対処するためインフラ投資を倍増することなども掲げられており、水処理関連やトイレ関連 の銘柄に注目したい。

●20年のアジア市場規模は37兆円に

 「アジア・太平洋水サミット」とは開催国と、日本水フォーラムが事務局を務めるネットワーク組織「アジア・太平洋水フォーラム」が共催する国際的な水問題に関する首脳級会合。地域の持続的発展を水の視点から考え、15年に国連で採択されたSDGs達成に向けた道筋を示し、国際社会の行動を促すことを目的としている。今回は07年12月に大分県で第1回が開催されて以降3回目となる会合で、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問は「国家が経済成長するうえで水資源は必要不可欠の要素」と強調したほか、石井国土交通大臣は国内で水問題に対処してきた経験や技術力をアピールした。

 東南アジア諸国をはじめとしたアジア・太平洋地域は高い成長を遂げている一方、急速な都市化や人口増に上下水道などのインフラ整備が追いついておらず、共通して水問題(水不足、水質悪化、洪水リスクなど)を抱えている。「ヤンゴン宣言」によれば、現在アジアで約11億人が深刻な水ストレスを抱える地域に住んでおり、適切な措置が取られないと影響を受ける人口は2050年までに40%以上増加すると予測している。

 経済産業省が3月に発表した資料では、15年に83.3兆円だった水ビジネス市場の世界規模は20年に100兆円を超える見通し。地域別ではアジアのシェアが既に3割超と最大で、市場規模は30兆円から37兆円に拡大することが見込まれている。必要な水を確保するためには取水から排水処理に至るまでの総合的な資源管理が欠かせず、技術力を持つ日本企業の活躍場面がさらに広がりそうだ。

●海水淡水化で東レ、ナガオカ、酉島製に商機

 世界にある水の大部分は海水で、淡水はわずか2.5%に過ぎない。また、この淡水のほとんどは南極や北極地域などの水や氷河として存在し、利用しやすい状態で存在する淡水に限ると、その量は0.01%といわれている。海水を淡水化する方法で現在主流となっているのが、浸透圧を超える圧力をかけることで塩素イオンを分離する逆浸透膜法(RO膜法)だ。この分野では東レ <3402> 、東洋紡 <3101> 、日東電工 <6988> が世界大手で、栗田工業 <6370> と野村マイクロ・サイエンス <6254> [JQ]は逆浸透膜装置を、三菱製紙 <3864> はRO膜を製造する際の支持体を製造・販売している。

 また、ナガオカ <6239> [JQ]の高速海底浸透取水システム「HiSIS(ハイシス)」にも注目したい。このシステムは、コア・テクノロジーでもあるナガオカスクリーンを応用して、日立造船 <7004> と共同開発したもの。ハイシスの技術を活用することで、海水淡水化プラントの大幅なコストダウンが可能になるという。

 これ以外では、逆浸透による海水淡水化 技術を持つ神鋼環境ソリューション <6299> [東証2]、海水淡水化システムを手掛けるササクラ <6303> [東証2]、海水用精密濾過装置を販売する荏原実業 <6328> 、海水淡水化プラント向け制御システムの納入実績がある横河電機 <6841> 、海水淡水化用ポンプを供給する酉島製作所 <6363> や電業社機械製作所 <6365> [東証2]、海水取水ポンプを取り扱う横田製作所 <6248> [JQ]にも商機がありそうだ。

●上下水道整備でクボタ、水道機工、月島機械に活躍余地

 今後、東南アジアを中心に上下水道の整備が進むとみられ、各種プラントの設計・建設を行うクボタ <6326> 、メタウォーター <9551> 、オルガノ <6368> 、水道機工 <6403> [JQ]をはじめ、浄水・排水処理を手掛ける月島機械 <6332> 、コンサルティング業務を手掛けるNJS <2325> 、上下水道向けボックスカルバートのジオスター <5282> [東証2]、上下水道関連の掘進機を扱うラサ工業 <4022> も見逃せない。

●トイレ関連ではTOTO、アサヒ衛陶、ネポンに注目

 「ヤンゴン宣言」には衛生的なトイレの整備も盛り込まれた。直近では、中国の習近平国家主席が11月に、観光業の発展に向け各地にきれいなトイレを整備する「トイレ革命」を推進するよう指示しており、株式市場では関連銘柄への関心が高い。

 LIXILグループ <5938> は、20年までに世界で1億人の衛生環境を改善するという目標を掲げ、従来型トイレと比べて1回の洗浄水量が少なく、下水管での排泄物の運搬に下水を再利用する超節水型マイクロフラッシュトイレシステムや、水をまったく使わずに排泄物を肥料として安全に再資源化し、農業に活用する循環型のグリーントイレシステムの研究開発を推進中。

 TOTO <5332> は10月30日に、22年度まで5ヵ年の中期経営計画を発表し、中国住設事業の売上高1060億円(16年度実績は632億円)、アジア住設事業の売上高560億円(同306億円)を目指す方針を示した。

 11月下旬にはアサヒ衛陶 <5341> [東証2]、ジャニス工業 <5342> [名証2]、ネポン <7985> [東証2]が動意づく場面がみられ、ダイキアクシス <4245> は12月11日、中国での浄化槽の製造・販売を目的に凌志環保(中国)と新会社を設立すると発表している。

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