貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6361 荏原製作所

東証P
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前日比
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単位
100株
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時価総額 12,640億円
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ごみ輸出に「NO」、中国ごみ受け入れ停止で“資源リサイクル関連株”に転機 <株探トップ特集>


―タイ・マレーシアも輸入規制へ、自国での再利用拡大急務に―

 国内で発生する廃プラスチックや古紙といった資源ごみが行き場を失いつつある。中国が世界中から受け入れてきた資源ごみの輸入を昨年末から停止したのに続き、タイやマレーシアなどでも輸入の抑制に乗り出しているためだ。世界的なリサイクル網が大きな転機を迎え、自国でより多くのごみ処理が求められるなか、ごみ焼却プラント リサイクルを手掛ける企業の商機拡大が見込まれる。

●国内に資源ごみが滞留する恐れも

 中国は2017年7月に「海外ごみの輸入禁止と固形廃棄物輸入管理制度改革の実施計画」を発表し、同年末に廃プラスチックや繊維系廃棄物、未選別古紙など24品目の輸入を停止。また、18年4月には「輸入廃棄物管理リスト」の調整に関する公告で、今年末から廃金属や自動車スクラップなど16品目を、来年末からステンレススクラップやチタンくずなど16品目を輸入禁止の対象に加えることを表明した。中国はこれまで、高い経済成長を背景に不足する原材料を補うため海外から資源ごみを輸入し、リサイクルをして使っていたが、再生の過程で水や空気が汚染されてしまうことが問題となり、政策変更に踏み切った。

 16年の日本の貿易統計では、廃プラスチック輸出の約5割、古紙輸出は約7割が中国向けとなっており、昨年末から“中国ショック”の影響が顕在化。日本貿易振興機構(ジェトロ)が作成した資料をみると、17年8月に約8万6000トンあった日本の対中廃プラスチック輸出量は18年1月にはわずか2000トンに、対中古紙輸出量も約20万トンから約10万トンに急減している。

 その受け皿となっているのが東南アジアで、マレーシアの日本からの廃プラスチック輸入は1~4月累計の金額ベースで1073万7000ドル(前年同期比3.8倍)に拡大。タイやベトナムでも輸入が急増している。ただ、これら地域でも輸入を制限する動きが出始めており、今後行き場を失った資源ごみが国内に滞留する恐れがある。

●エンビプロHDなどリサイクル関連に注目

 プラスチック循環利用協会(東京都中央区)によると、16年の日本の廃プラスチック排出量は899万トンで、そのうち再生利用されたのは約23%にとどまっている。中国をはじめとした資源ごみの輸入規制に対応するためには国内リサイクル能力の向上が欠かせず、関連企業の活躍場面は今後さらに広がりそうだ。

 アミタホールディングス <2195> [JQG]は、多種多様な産業廃棄物の100%リサイクルを可能にする独自の調合技術を保有。足もとでは、国内リサイクルサービスが好調で、18年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結営業損益は1200万円の黒字(前年同期は3000万円の赤字)に浮上した。今後は、中国の資源ごみ輸入規制などに対応し、環境分野のトレンドに沿った製販連携を強化する方針だ。

 サニックス <4651> は太陽光発電システムなどを手掛ける一方、産業廃棄物系プラスチックの燃料化リサイクルを行う工場を全国15ヵ所に展開。19年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は1億300万円(前年同期比73.8%減)にとどまったが、環境資源開発事業部門は廃プラスチック類の受入量拡大および受入単価アップを背景に伸長している。

 エンビプロ・ホールディングス <5698> は、金属や廃プラスチックなどのリサイクル事業と、その輸出事業などを行っている。17年7月には、再生プラスチックの生産及び販売事業を目的とした合弁会社「プラ2プラ」を設立。今後は一般廃棄物および産業廃棄物の処理事業と金属スクラップを中心とした再生資源などの貿易事業を強化し、19年6月期通期の連結営業利益は11億8400万円(前期比18.2%増)を見込んでいる。

 このほか、廃棄物を極限まで再資源化する環境ソリューション事業を行うタケエイ <2151> 、解体・産業廃棄物処理・金属回収などを総合的に手掛けるイボキン<5699>、使用済みのタイルカーペットから合成樹脂素材を高効率で取り出す技術などを持つリファインバース <6531> [東証M]、全国6ヵ所の事業所と6関連会社のネットワークで産業廃棄物処理と資源リサイクルに関するサービスを提供しているダイセキ <9793> などにも注目したい。

●タクマなど焼却炉メーカーにも商機

 また、ごみ焼却プラントメーカーのビジネス拡大も期待される。現時点では中国に輸出していた資源ごみのすべてをリサイクルすることは能力的に難しく、一定量は焼却に回さざるをえない。平成初頭以前に稼働を開始した焼却施設が、老朽化による更新時期を迎えつつあることとあわせ、プラント新設やメンテナンスの需要増加が見込まれる。

 タクマ <6013> は、廃プラスチック類から汚泥まで多くの固形廃棄物に対応できる階段式ストーカ炉をはじめ、さまざまな方式の焼却炉を提供。直近では7月に、老朽化が進んでいた茨城県の常陸太田市清掃センターごみ焼却施設の基幹的設備改良工事を受注した。

 これ以外では、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 傘下のJFEエンジニアリングが7月に鳥取県東部広域行政管理組合から新ごみ処理施設を受注したほか、川崎重工業 <7012> は同月に石川県小松市向けにごみ処理施設を納入し運転管理業務(20年間)を開始。荏原製作所 <6361> 傘下の荏原環境プラントは埼玉県の所沢市西部クリーンセンターの長期包括運営業務(14年間)を4月から始めている。

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