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6268 ナブテスコ

東証P
2,529.5円
前日比
-22.5
-0.88%
PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
34.5 1.17 3.16 2.63
時価総額 3,062億円
比較される銘柄
三菱重, 
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生まれるか“大化け株”、観測「機械株」強烈ビッグウェーブ <株探トップ特集>


―盛り上がる設備投資、徹底マークの関連株ピックアップ―

 地政学リスクや米トランプ政策に対する懐疑的なムード、さらに欧州の政治リスクに振り回された東京株式市場。しかし、目先は行き過ぎた悲観の後退から日経平均株価が戻り足を示し、マーケットの雰囲気も変わってきた。仏大統領選を目前に楽観の許されない相場環境には違いないが、今後、企業の決算発表が本格化するなかで、良好なファンダメンタルズと成長期待を内包した銘柄にスポットが当たる可能性が高まっている。

 全体相場の引き潮局面では、すぐに結果は出なくても長い目でみれば拾い場を提供しているというケースが株式投資には多い。ここは好実態銘柄に照準を合わせて、王道を行く投資スタイルで対応するのが勝利への近道となる。

●スマホ、自動車、半導体の“爆需”追い風

 その最有力候補に挙げられるのはずばり機械株を中心とする設備投資関連である。グローバルな景況感の回復を背景に設備投資需要の盛り上がりが、機械セクター全般に追い風となっている。

 完全自動運転に向けて進化過程にある自動車は、日進月歩でエレクトロニクス化が加速している。また、スマートフォンも経済成長著しい新興国向けなどでハイエンド機種へのシフトが進んでおり、市場の裾野の広がりが新たな需要を創出している。ビッグデータ時代に対応したデータセンターの増設も進む。こうした動きは電子デバイスの数量を飛躍的に伸ばし、過去のシリコンサイクルを覆すスーパーサイクルとして新たな半導体需要を喚起、とりわけ3次元NAND型メモリーなど次世代半導体市場の拡大をもたらす。

 生産する側では世界的な合理化ニーズ、いわゆるロボットFAなどに対する需要も増勢の一途をたどっている。人件費高騰に喘ぐ中国の省人化投資に加え、先端産業の育成に伴う戦略的な需要が旺盛だ。そしてこれらが皆、製造現場のインフラを担う機械株の収益チャンス拡大へとつながっていく。

●世界景気の実態映す輸出金額の大幅増

 前日(20日)に発表された17年3月期の貿易統計では、輸出金額が前年比12.0%増と4ヵ月連続で前年を上回り、6%強を見込んでいた市場コンセンサスを大幅に上回った。世界景気の強さをマーケットも好感し、同日の株式市場は輸出株を中心に買いが顕著となった。輸出については、先行きについても比較的明るい見通しが立つ。

 海外経済は底堅い成長を継続しており、これを背景に輸出金額は拡大基調をキープする公算が大きい。トランプ米大統領の保護主義的色彩の強い政策姿勢は、米国の通商政策に不透明感をもたらしているのは否めないが、少なくとも世界のファンダメンタルズは、日本経済にとって前向きになれる環境を提供している。

 このグローバルな景況感の回復は企業の設備投資需要を喚起する。貿易統計に先立って11日に日本工作機械工業会から発表された3月の工作機械受注総額は前年同月比22.6%増の1424億9200万円で2年ぶりの高水準を記録するとともに、4ヵ月連続の前年実績超えとなっている。中国での自動車やスマートフォン向けなどが需要を牽引、今の勢いは工作機械業界にとって書き入れ時が訪れたといってよい状況にある。

●春節後もビッグウェーブは継続

 国内大手工作機械メーカーは今の状況について「昨年10~12月期からはっきり流れが変わってきた。今年は中国向け受注が春節以前に例年になく強かった。これは、春節を挟んでの前倒し需要で、当然その反動が出るものと思っていたが、春節を過ぎてからも水準が落ちる気配がなく、嬉しい誤算となった。足もとの需要に対応して生産体制を強化している状況」と打ち明ける。同社では「自動車部品関連が売り上げの半分を占めているが、スマートフォンを中心とするIT関連部門も大きく貢献している」という。

 中国向けはひところ景気減速の影響を余儀なくされてきたが、今は状況が変わっている。中国政府の製造業強化方針が高付加価値化を推進、これが日本の機械メーカーの生産増強につながった。また、中国は世界最大の加工市場でもあるため、世界全体の体感温度も反映している。米国のトランプ新政権が掲げる大型減税などの効果も、今後間接的に工作機械メーカーやロボットメーカーの商機を膨らませていくことになる。

●銘柄入れ替えで機械株組み入れの動きも

 直近では、20日に発表された安川電機 <6506> の決算で今期業績予想にマーケットの視線が集中した。今期から決算期を2月に変更することに伴い17年3月期との単純な比較はできないが、18年2月期予想は11ヵ月決算にもかかわらず売上高は4140億円(17年3月期3948億8300万円)、営業利益は370億円(同304億900万円)と前期実績を大きく上回る。株価は前期決算が予想を下振れたこともあって、利食い急ぎの動きに押されたが、今期見通しについては主力商品であるサーボモーターなどが、スマートフォンや半導体向け需要を取り込む予想にあることが確認された。

 さらに遡ること2週間、今月4日に発表された不二越 <6474> の17年11月期第1四半期(16年12月-17年2月)決算も市場で話題となった。中国や北米向けにベアリングが大きく伸びて営業利益段階で前年同期比10.4%増の37億3600万円と好調だったが、「それ以上に産業用ロボットの受注残の伸びに注目が集まった」(市場関係者)と指摘されている。

 徐々に全体相場が自律神経を取り戻しつつあるなかで、国内外機関投資家の腰を入れた買いも期待できる状況となってきた。収益面でのフォローの風が当分続くと予想される機械株とその周辺セクターは最も注目される公算が大きい。既に、「ファンド系資金が自動車株を軽くして機械株を厚く組み入れる銘柄入れ替えの動きも観測されている」(準大手証券ストラテジスト)という。ここは改めて関連企業をマークしておきたい。

●ビジネスチャンス広がる有力関連株

 工作機械では小型の自動旋盤を強みとするツガミ <6101> は、新型スマートフォンに絡む受注獲得の動きが期待されるなかマーケットの視線が熱い。またNC装置やマシニングセンタのトップメーカーの一角であるDMG森精機 <6141> やオークマ <6103> も要注目。金属加工機大手のアマダホールディングス <6113> も活躍期待が大きい。

 また、NC装置で世界シェアの約半分を握るファナック <6954> の実力は産業用ロボット分野でも折り紙付き、前出の安川電機も同分野の本命格だ。産業用ロボットの関節用精密減速機で群を抜く世界シェアを有するナブテスコ <6268> も見逃せない。

 一方、FA用センサーで圧倒的存在感を示すのがキーエンス <6861> で、同じくFA向け制御機器大手のオムロン <6645> にも追い風は強い。物流関連機器ではITや自動車向け搬送システムで高実績を有するダイフク <6383> やベルトコンベアを手掛ける椿本チエイン <6371> などが注目される。

 このほか、設備投資需要の増加に伴い着実に需要が伸びるのが機械に組み込まれるベアリングだ。前出の不二越のほか、日本精工 <6471> 、NTN <6472> なども恩恵を受けることが必至となる。直動案内機を手掛けるTHK <6481> 、FA空気圧機器世界トップのSMC <6273> 、制御機器を中心とする工業計器で国内首位の横河電機 <6841> なども外せない銘柄だ。

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