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6250 やまびこ

東証P
1,990円
前日比
-13
-0.65%
PTS
1,988.9円
10:25 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.2 0.94 3.02 20.40
時価総額 878億円
比較される銘柄
丸山製, 
井関農, 
クボタ

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空の産業革命「ドローンでGO」、人手不足の救世主へ <株探トップ特集>


―変わるか労働集約型産業の景色、飛躍なし遂げる銘柄は―

 ヤマト運輸が今秋から宅急便の基本運賃を引き上げる方針を打ち出しているほか、先日には佐川急便が正社員のトラック運転手に週休3日制を導入することが明らかとなった。ネット通販市場の拡大に伴う荷物の増大とドライバー不足による過重労働問題が背景にあるが、人手不足は今後も続くとみられ、問題解決にはさらなる対策が求められている。こうしたなか、「空の産業革命」と称されるドローン(小型無人機)が“宅配危機”の救世主になり得るとの期待感が一段と高まっており、政府は実用化に向けて後押しする構えだ。

●20年代には都市部での配送実現へ

 政府は5月30日に未来投資会議を開き、成長戦略の重点分野のひとつとして「移動革命の実現」を掲げた。このなかでドローンについて、来年には山間部などニーズの見込まれる地域で荷物配送を実施。2020年代には人口密度の高い都市部でも安全な荷物配送を本格化させるため、補助者を配置しない目視外飛行や第三者上空飛行など高度な飛行を可能にするための技術開発と制度的対応を進める方針を示した。昨年には国家戦略特区である千葉市や秋田県仙北市で実証実験が行われているが、同会議では今後も必要な規制改革を伴う場合も含めた実証実験などを高い頻度で推し進め、その効果を検証するとしている。

●楽天はリーディングカンパニー目指す

 ドローン宅配の実用化に向けて積極的なのが楽天 <4755> で、16年5月からドローンを活用した配送サービス「そら楽」を開始。ゴルフ場コース内でプレーヤーがスマホの専用アプリを使って、ゴルフ用品や飲み物などを注文すると、ドローンが受取所まで商品を届けるサービスを提供している。また、同年11月には千葉市で、NTTドコモ <9437> などと共同で、携帯電話のLTEネットワークを活用したドローンによる配送システムの実証実験に成功。17年3月には米AirMapと無人航空機管制ソリューションを提供する合弁会社を設立するなど、リーディングカンパニーを目指した取り組みを加速させている。

 このほか、ドローン宅配の事業化を目指す「東京圏国家戦略特別区域会議 千葉市ドローン宅配等分科会」のメンバーに名を連ねる、ウェザーニューズ <4825> 、NEC <6701> 、三井物産 <8031> 、イオン <8267> 、ヤマトホールディングス <9064> 、セコム <9735> などの動向にも注目しておきたい。

●農業用ドローンに成長余地

 ドローンの活用は宅配業界のみならず、高齢化の進展による担い手不足の問題などを抱える農業分野でも進むことが予想される。インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2017」によると、国内ドローンサービス市場(ドローンを活用した業務の提供企業の売上額)は16年度の154億円から22年度には1406億円に拡大する見通しで、そのうち農業分野が500億円を占めると予測しており、同分野に注力している企業には成長余地があるといえそうだ。

●やまびことヤマハ発が業務提携

 農業用ドローン関連として挙げられるのが、1989年に農薬散布用無人ヘリを発売するなど、この分野で先行しているヤマハ発動機 <7272> だ。直近では4月に、スカパーJSATホールディングス <9412> グループでドローンの開発・販売を手掛けるエンルート(埼玉県ふじみ野市)と、農薬散布用をはじめとした産業用ドローン事業のグローバル展開などで業務提携に向けた検討を開始。また、同月には、やまびこ <6250> とマルチローター型ドローンによる農薬散布システムの共同開発および商用化で業務提携した。

 クボタ <6326> は、16年8月に農業用ドローン市場に参入すると発表。同社が商品全体の企画や試作評価、外観デザインを行い、キヤノンマーケティングジャパン <8060> やアイサンテクノロジー <4667> [JQ]が出資するプロドローン(名古屋市)が本体の設計・試作、丸山製作所 <6316> が散布機の設計・試作を手掛ける。クボタは「防除機のラインアップを拡充することで、防除作業の効率化につなげたい」としており、今年7月にもモニター販売を実施する計画だ。

 オプティム <3694> は15年8月、佐賀県生産振興部や佐賀大学農学部とIoTやドローンなどを利用した農業IT分野で三者連携協定を締結。16年6月には同社が開発した殺虫機能搭載の「アグリドローン」を活用し、夜間での無農薬害虫駆除を目指した実証実験に成功しており、さらなる展開が注目される。

●イメージワン、石井工研、アイネットなどにも注目

 足もとでは、コロプラ <3668> 元副社長の千葉功太郎氏らが6月1日付でドローンファンドを設立するといった動きがみられるなど、有望産業と位置付けられるドローンへの関心度は依然として高く、関連銘柄から目が離せない状況が今後も続きそうだ。

 例えば、独マイクロドローンズ社製のドローンを取り扱っているイメージ ワン <2667> [JQ]、エンルートと17年1月に業務提携したモバイルクリエイト <3669> 、モバクリ子会社でドローンを製造する石井工作研究所 <6314> [JQ]、ドローンの機体向けに部品を供給しているグラファイトデザイン <7847> [JQ]、首都圏でドローン飛行場を開設したアイネット <9600> などの商機拡大が期待される。

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