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6167 冨士ダイス

東証P
692円
前日比
-7
-1.00%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.5 0.67 3.18 1.57
時価総額 138億円
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冨士ダイス Research Memo(2):超硬合金製工具・金型(耐摩耗工具)製造の専業メーカー


■会社概要

1. 会社沿革並びに事業概要
冨士ダイス<6167>は、創業者である新庄鷹義(しんじょうたかよし)氏が、1949年6月に福岡県戸畑市において、耐摩耗工具の加工を目的とする「冨士ダイス製作所」を設立したことに始まる。1953年には東京都大田区下丸子に東京工場(現本社)を建設、この頃より超硬耐摩耗工具製造を本格的に開始した。以来、同社は超硬合金を用いた高精度の耐摩耗工具・金型の製造販売を主たる事業として展開し、国内超硬耐摩耗工具専業として長期にわたりトップシェアを堅持してきた。2015年6月に東京証券取引所市場第2部に上場、2017年4月には第1部指定銘柄になっている。現代表取締役社長の西嶋守男(にしじまもりお)氏は健康上の理由で2015年9月に退任した木下徳彦(きのしたのりひこ)前社長の後を受け、粉末冶金技術と超精密加工技術によって世界のものづくりのリーディングカンパニーとなるべく、創業の意思を受け継いで経営に当たっている。

同社の大きな特徴は、製造工程においてユーザーの製品素材や用途に最適な工具・金型を設計した上で、粉末冶金技術を用いて、原料粉末の粉砕・混合・造粒から、焼結、機械加工、製品検査までの一貫した生産体制により、ユーザーニーズに応じた製品を提供する、受注生産直販体制を敷いている点にある。様々なオーダーに対して柔軟に対応できる多品種少量生産に強みを持ち、高付加価値製品の販売を行っており、販売価格が比較的高位安定しており、素材売りが多い同業他社との差別化ができている。

この強固な受注生産を行うために、早くから生産拠点を全国展開、また営業拠点の強化にも努め、現在、生産拠点は全国8ヶ所、営業拠点は13ヶ所に及び、業界最大の約100名の営業員による直販ネットワークを構築している。またメンテナンス(修理・再研磨)にも注力し、顧客満足度を高めることで高いリピート率を実現している。このような多品種少量、受注生産直販体制により、取引先は約3,000社、業種も分散されており、独立系のため様々な企業を取引先としている。

2. 事業内容
主要取扱製品は4つに分類され、2017年3月期における売上構成は、超硬製工具類27.2%、超硬製金型類24.6%、その他の超硬製品22.2%、超硬以外26.0%となっている。

(1) 主要製品の説明
a) 超硬製工具類
1) ダイス、プラグ
ダイス、プラグは、線材や棒、パイプを引抜き加工することで、寸法を決めるために用いられる耐摩耗工具である。外径の寸法を決める工具がダイス、内径を決める工具をプラグと言い、この工具は幅広い業界で線材、パイプ生産のために使用される。同分野は創業当時からの主力製品である。

b) 超硬製金型類
1) 自動車部品生産用金型
自動車部品生産用金型は、強度と精度が求められ、大量生産が必要な自動車部品を製造するための金型として長寿命を求められる耐摩耗工具である。自動車部品の金型は高精度、高強度及び耐摩耗性を有した超硬合金が多く使用され、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、安全装置部品、燃料電池車等に組み込まれる重要部品が耐摩耗工具で製造されている。

2) 製缶金型
アルミ、鉄系の板材から、抜き、絞り、しごき、曲げ加工により容器及び蓋を製造するために用いられる耐摩耗工具である。この工具で作られた製品としてはビール缶、ジュース缶、食缶、エアゾール缶などがあり、特に飲料缶は、非常に生産量が多く、原材料からの歩留まりや製品精度が重要視され、非常に高精度かつ耐摩耗性が求められ、超硬合金の製缶金型が使用されることが多い。同社製品は1ミクロン精度を誇り、この分野で高いシェアを持っていると推定される。

c) その他の超硬製品
● 超硬合金チップ
丸棒、板材などの形状に押し固めた原料を焼結し、超硬合金とした塑性加工用の工具、金型の素材である。超硬合金チップは海外への販売比率が高い製品となっている。

d) 超硬以外の製品
● 鋼製品
超硬合金の精密加工で培った高い加工技術を生かし、超硬合金よりも靭姓が要求される分野で鋼工具の製品を提供している。顧客の生産ラインの各工程では、使用環境や被加工材、加工方法等で、求められる工具の性能がそれぞれ異なるのが一般的なため、求められる工具性能に応じて超硬合金と鋼の両方の材料を使い分け顧客ニーズに応える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《TN》

 提供:フィスコ

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