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6157 日進工具

東証P
977円
前日比
-19
-1.91%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.1 1.42 2.81 2.00
時価総額 245億円
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「宇宙産業ビジョン」が点火、“打ち上げ”の時を待つ関連株は <株探トップ特集>


―拡大一途の宇宙市場、民間需要開拓本腰で浮上の銘柄を追う―

 今後の成長が期待できる有望市場のひとつとして宇宙関連産業に注目してみたい。政府は月内にも宇宙ビジネス振興策の方向性を示す「宇宙産業ビジョン(仮称)」をまとめる見通しで、これが関連銘柄を刺激しそうだ。このビジョンは、ベンチャーを含めた民間企業の参入を促すことで、市場拡大につなげる狙いがあり、物色テーマとして再び脚光を浴びる可能性がある。

●宇宙ビジネスは海外先行

 安倍首相は2015年12月に開かれた宇宙開発戦略本部会合で「GDP600兆円に向けた生産性革命において、宇宙分野を柱のひとつとして推進していく」と述べ、これを踏まえて現在、宇宙政策委員会の宇宙産業振興小委員会などで、将来目指すべき宇宙産業・ビジネスの姿や、必要な政策・施策などに関する宇宙産業ビジョンが検討されている。

 こうした背景には、宇宙開発先進国・米国で商業目的でのビジネスが活発化しているなど、世界の宇宙産業市場が一段と拡大する見通しであることが挙げられる。総務省が今年3月に開いた「宇宙×ICTに関する懇談会」の資料によると、世界の宇宙産業市場は15年時点で約2083億ドルとされ、年成長率は3%。海外では米スペースXなど有力ベンチャーが相次いで育っており、世界の宇宙ベンチャー企業への投資額は年間8億ドルを超えて増加傾向にある。一方、国内の宇宙産業は9割弱が政府向け需要に依存している状況で、16年4月に閣議決定された宇宙基本計画では民間需要の新規開拓などに取り組み、事業規模として10年間で官民あわせて累計5兆円を目指すとされている。

●国内でも新たな動き続々

 国内の最近の動きでは、丸紅 <8002> が出資するインターステラテクノロジズ(北海道広尾郡大樹町)が16年10月にハイブリッド点火器を使用したロケットエンジンの燃焼に成功したほか、三井物産 <8031> やウェザーニューズ <4825> などが出資するアクセルスペース(東京都千代田区)は同年12月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)と衛星画像の利用促進に向けた相互連携に関する覚書を締結。同年12月にはANAホールディングス <9202> とエイチ・アイ・エス <9603> が、宇宙輸送インフラの構築を手掛けるPDエアロスペース(名古屋市)と資本提携した。

 今年に入ってからは、日進工具 <6157> [東証2]が4月11日に、世界初のロボット月面探査レース「グーグル・ルナ・エックスプライズ」に挑戦するispace(東京都港区)が運営するチーム「HAKUTO」に精密加工ツールを提供すると発表。スカパーJSATホールディングス <9412> は5月11日に、米国の低軌道衛星通信事業者と戦略的パートナーシップおよび出資について合意書を締結したことを明らかにした。

 キヤノン電子 <7739> は、同社初の小型衛星を6月中旬に打ち上げる予定で、「グループ全体の衛星ビジネスを年500億円規模に育てたい」(広報担当)としている。

●日東網、カーリットHD、明星電など注目

 このほか宇宙関連として、JAXAと宇宙ゴミ除去システムに必須の資材である導電性網状テザーの開発に取り組んでいる日東製網 <3524> 、宇宙先端分野のソフトウエアを提供するセック <3741> [東証2]、「HAKUTO」のパートナー企業となっているJIG-SAW <3914> [東証M]、宇宙太陽光利用システムにレーザー用YAGセラミックスを提供したことがある神島化学工業 <4026> [東証2]、ロケットの燃料となる過塩素酸アンモニウムを手掛けるカーリットホールディングス <4275> 、ロケット用推進薬の日油 <4403> に注目。

 また、ロケットに使用される焼結金網フィルターを製造するニチダイ <6467> [JQ]、宇宙用大容量電動サーボアクチュエータなどを手掛けるシンフォニア テクノロジー <6507> 、衛星搭載機器の開発・提供を行う明星電気 <6709> [東証2]、16年5月に次期基幹ロケット用エンジンの燃焼試験設備用計測設備を受注したエー・アンド・デイ <7745> 、人工衛星の軌道力学系追跡管制でトップレベルのノウハウを持つ大興電子通信 <8023> [東証2]もマークしておきたい。

●三菱重は「みちびき2号機」打ち上げ予定

 JAXAと三菱重工業 <7011> は6月1日に、H2Aロケット34号機による「みちびき2号機」(準天頂衛星)を打ち上げる予定だ。みちびきは17年度に2号機から4号機まで計3機の打ち上げが予定されており、「日本版GPS(全地球測位システム)」への活用が期待される。

 みちびきは、GPSからの位置情報を補完して、より正確な位置精度の提供を可能とすることから、今後は自動運転技術で自動車や建設機械、農業機械の無人運転に情報提供を行うことが予想される。人工衛星からの位置情報を受信する装置を手掛けるコア <2359> 、高圧ガス工業 <4097> 、日本無線 <6751> 、古野電気 <6814> 、ニコン <7731> 、トプコン <7732> のビジネス機会が増えそうだ。

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