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【緊急特集】 日経平均“不可解な500円安”、後場大崩れの背後にあるものは?


―震源はアジア株式市場、弱い景気指標と騒ぎ始めた“弱気の虫”―

 週明け2日の東京株式市場は後場に入り日経平均株価が急激に下げ幅を広げ、フシ目の2万2000円台を大きく割り込んだ。「2日新甫は荒れる」という相場格言があるが、それを地で行く展開となった日本株。後場の崩れ足には明確な背景がつかみきれず、市場関係者も首をひねる向きが多い。果たしてこの全体株価急落の裏に潜むものは何か、市場関係者の声をもとにその深層を探った。

●日経平均は2ヵ月半ぶりの2万2000円大台割れ

 2日の日経平均は前週末比492円58銭安の2万1811円93銭と急反落。ここまで下値抵抗ラインとして強く意識されていた2万2000円を下回った。終値ベースでの2万2000円割れは4月17日以来、2ヵ月半ぶりのことだ。

 きょう朝方に発表された6月の日銀短観は大企業・製造業DIが2四半期連続で前四半期を下回り、市場コンセンサスにも届かなかった。ただ、これは悪材料視されるものではなく、実際、前場段階では企業の設備投資が拡大したことを材料に押し目に買い向かう動きが観測され、日経平均はプラス圏に浮上する場面もあった。外国為替市場では1ドル=111円台まで円安が進行、前引けは結局マイナス圏で着地したものの悲観ムードはなく、市場関係者の間では「TOPIXが(前引けで)0.3%下げたので、後場に日銀ETF買いが期待でき、きょうは大引け段階で高くなるのではないか」(国内中堅証券)という声もあったくらいだ。

 ところが、後場寄りの日経平均はその思惑とは真逆に動いた。後場取引が始まると同時に大口の売りが出て、いきなり下に振られる展開となり、その後も急速に下げ幅を広げる動き。開始40分後の午後1時10分ごろには早くも2万2000円大台攻防の様相で、2万2000円近辺でしばらく売り買いを交錯させたが、1時40分過ぎにここを下抜けると脱力したように日経平均は一段安となり、2万1700円台までほぼ一直線に水準を切り下げる展開となった。ドル円相場も連動して円高に振れたが、1ドル=110円台後半の推移で、前週末の水準とほぼ変わらない。明らかに日経平均の下げは、「異質の波乱」といってもよい。

●「貿易摩擦、アジア株安、メキシコ大統領選」錯綜する思惑

 背景は何か。米中貿易摩擦の問題は常に意識されているが、今週末7月6日に米中の追加関税発動を睨んで今週は神経質にならざるを得ない事情はある。ただ、「これを今のタイミングで売り材料として囃(はや)すのは合点がいく話ではない。もし、本当に深刻視しているのならここに来るまでにとっくに相場は崩れている」(国内投資顧問)という。このほか、メキシコ大統領選の結果などを理由に挙げる声もあったが、「後付け材料で大勢に影響が出る話ではない」(同)との見方で、これについては他の市場筋も同様の考えを示す向きが多い。

 ただ、きょうは「中国・上海市場や韓国市場などアジア株が大きく崩れたことが投資家心理を悪化させた一因」(国内大手ネット証券)という見方に間違いはないようだ。「前場の午前11時前に発表された中国製造業PMIはほぼ市場コンセンサス通りだったが、景気減速への警戒は根強い。引け後のディスコ <6146> の第1四半期の売上高速報値が落ち込んでおり、変調を感じさせる」としている。また、日本国内の景気も万全とはいえず、「6月の国内新車販売は低迷が浮き彫りとなった」とし、いずれも経済実勢に対する弱気の虫が騒ぎ始めたことを指摘する。

●ここからの世界の経済指標は重みが増すことに

 また、準大手証券ストラテジストは「貿易摩擦の問題が世界景気に与える影響に、市場が身構えている。そこに、先物を使った売り仕掛けが入った。きょうの下げは5月、6月相場で全体指数に浮揚力を与えたファーストリテイリング <9983> や資生堂 <4911> 、ユニー・ファミリーマートホールディングス <8028> など値がさの内需株への売りが目立つ。国内景気の減速感はあるかもしれないが、きょう売り叩く必然性はない。指数売買による影響が色濃い」との見解を示す。日経平均は暴落と言ってもよい下げにも関わらず、東証1部の全体売買代金は2兆3000億円弱と、むしろ低調であり、市場参加者の少ない中での“エレベーター相場”的な地合いとなっていることも否定できない。

 いずれにしても、今の下げはトランプ米政権が打ち出す保護主義政策が世界景気に及ぼす「懸念」を糧に空売り筋が攻勢をかけてきた、という構図が正しいのではないか。

 きょう夕方発表された6月のユーロ圏PMI改定値はわずかだが市場コンセンサスを下回った。さらに、今晩日本時間午後11時に発表される米ISM製造業景況感指数、あすの5月の米製造業受注、5日のADP全米雇用リポート、6日の米雇用統計と重要経済指標が続く。ここをどう乗り切るかが問題だが、近視眼的な見方で悲観に凝り固まっていてはチャンスを逃すことにもつながる。つまり大きく下押せば、当然その後にはショートカバーによる戻りも期待できるわけで、要はタイミングが肝要なのである。投資家はその点を肝に銘じるべき局面かもしれない。

 今回の下げについては市場筋の見方も割れている。以下は第一線で活躍するマーケット関係者2人の意見だ。

【市場の見解1】ブーケ・ド・フルーレット 代表 馬渕治好氏の見方

 全体相場は足もと軟調な地合いを余儀なくされているが、その背景に明確なものは見出しにくい。貿易摩擦の問題については今始まったことではなく、これを改めて売りの材料とするのは、相場の動きを横目にしながらの後講釈的な要素が強い。今週末7月6日に米国は輸入する中国製品340億ドル相当に対し追加関税を発動させる予定にあり、これを受けて中国側も米国産農産物に報復関税をかける見通しにあるが、言うに及ばずこれについて相場は早い段階で織り込んでいる。

 また、トランプ米大統領は、中国製品に対し従来の500億ドル分に加え、新たに2000億ドル相当の製品を対象に関税をかけると強硬姿勢を示しているが、これも既に開示された内容であり、ここからもう一段の制裁関税の話が出てこない限りは、全体株価押し下げ要因とはなりにくい。このほか自動車の関税引き上げの話も出たが、他の保護主義的な政策や他国からの報復を含めて、米産業界からの反発も強く、例えば最近ではハーレーダビットソンが一部海外に生産拠点を移管することを発表したことが話題となり、ゼネラルモーターズも前週末に議会に意見書を提出している。こうしたことから、トランプ大統領の保護主義政策がすべて額面通りに発動される可能性は低いと考えている。

 一連の通商問題に絡み現時点で経済に影響が出ているかといえばそうではなく、ここは冷静になるべきところだ。PER面で判断しても日本株は割安感が強く、企業業績拡大の方向は変わらない。きょう寄り前に発表された6月の日銀短観では想定為替レートが1ドル=107円台で、実勢よりは厳しめに設定されており、これは業績上方修正要因として認識される。大企業・製造業の景況感が市場予測を下回ったとはいえわずかであり、一方で大企業の設備投資の伸びが市場予測中央値を大きく上回るなど好調だったことは見逃せない。

 外国人投資家の動向が注目されるが、6月第3週は現先合わせて8500億円程度の大幅売り越しとなっていたが、ここから長期資金が一段と売り込む展開は想定しにくい。7月は買い戻しに動く公算が大きい。日経平均の2万2000円台割れはイレギュラゾーン。売り一巡後に底入れ反転し、月内に2万3000円近辺までの戻りを想定している。

【市場の見解2】内藤証券 投資情報本部 投資調査部長 田部井美彦氏の見方

 急落の背景は、中国・上海株や米株価指数先物の時間外取引での下落がきっかけとなったが、日本の場合は、前週後半に発表されたニトリホールディングス <9843> やスギホールディングス <7649> 、アダストリア <2685> といった2月期決算の小売関連企業の第1四半期(3-5月)の業績が予想を下回り、小売り業種に対するネガティブな印象があったことも売り材料となったようだ。さらに、海外のヘッジファンドが株価指数先物への売り姿勢を強め、心理的フシ目の2万2000円を割り込んだことで、下げが加速する結果となった。

 当面は、トランプ米大統領が知的財産権侵害を巡って、第一弾として打ち出した総額500億ドルの中国製品に対する輸入関税の発動予定日が6日に迫っており、これに向け、米中間での駆け引が活発化することが予想されるが、本気で実行する可能性が高まれば、株価下落に拍車が掛かる。6日以降も、米中貿易摩擦問題への懸念は払拭されず、全体相場の下値模索が続く可能性がある。ただ、外国為替市場で円相場が1ドル=109~110円台での推移となっていることから、輸出関連を中心に個別銘柄が買い進まれる可能性がある。

 個別銘柄では、出前仲介総合サイト「出前館」を運営し、子会社で飲食店向け食材通販を展開する夢の街創造委員会 <2484> [JQ]に注目。家事の時短など働く女性支援への貢献度が高く、働き方改革関連銘柄として投資妙味がある。また、パチンコ機製造大手のSANKYO <6417> は、昨年から販売した新タイトル「フィーバー戦姫絶唱シンフォギア」の大ヒットにより、相乗効果が発揮されブランド力が回復している。さらに、先行して株価が調整していた任天堂 <7974> は、「ニンテンドースイッチ」の好調やスマートフォン向けゲームへの期待感などから、底打ち反転上昇場面が近そうだ。

株探ニュース

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