6081 アライドアーキテクツ 東証M 09:57
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2018年05月25日15時38分

アライドアーキ Research Memo(2):SaaSとソリューションの組み合わせによる独自の付加価値を提供


■会社概要

1. 事業概要
アライドアーキテクツ<6081>は、「ソーシャルテクノロジーで、世界中の人と企業をつなぐ」をミッションに掲げ、顧客企業と会員ユーザーの交流を支援するプラットフォーム「モニプラ」の運営等を通じて、SNSマーケティング活動を総合的に支援する事業を展開している。また、中国を中心とする越境EC市場に向けたSNSプロモーション支援のほか、企業の広告クリエイティブの一元管理と最適化を実現するグローバルプラットフォーム「ReFUEL4R」にも注力している。

「モニプラ」は、SNSユーザーを企業(及びブランド)の「ファン会員」として集め、マーケティングの目的や課題に合わせて多様な施策を展開することができる自社開発のマーケティングプラットフォームである。市場が拡大しているSNS領域に特化し深堀りすることにより、専門性と独自性を兼ね備えたソリューションをワンストップで提供していたことが同社の成長を支えてきた。事業セグメントは、ソーシャルメディアマーケティング支援を主な事業とする単一セグメントであるが、サービス別では、主力の「国内SNSマーケティング事業」のほか、「越境プロモーション事業」、海外子会社ReFUEL4Rによる「クリエイティブテック事業(海外)」の3つに分類される。

また、海外売上高は、米国、ベトナム、欧州などを中心として売上高全体の約46%を構成する(2017年12月期実績)。ここ数年、海外でのSNS広告市場の拡大を背景に海外子会社が大きく伸びてきた。ただ、利益率が低く、業績の変動要因となりやすい海外SNS広告サービスについては縮小する方向である。

連結子会社は、「ReFUEL4R」を運営するReFUEL4R Pte.LTD.※(シンガポール)の1社である。

※2015年6月にAllied Asia Pacific Pte.LTD.からReFUEL4R Pte.LTD.に商号変更した。


各事業の概要は以下のとおりである。

(1) 国内SNSマーケティング事業
自社開発のSNSマーケティングプラットフォーム「モニプラ」の運営等を通じて、顧客企業のマーケティングやプロモーションの支援を行っている。顧客企業は「モニプラ」を活用することで、各種キャンペーンの開催のほか、ファンサイト作成※1や効果分析※2などを行うことができる。顧客企業にとっては、1)キャンペーン等への効率的な集客のほか、2)商品モニターやアンケートを始め、フォトコンテストや懸賞・人気投票など、様々なキャンペーンを手軽かつ低コストで開催できること、3)会員ユーザーとの交流を通じた自然な形でのクチコミの醸成(及び消費者への拡散)による認知度向上などにメリットがある。また、そこで蓄積されたSNSデータをデータマネジメント(CRMや需要調査、商品開発など)や精度の高いSNS広告(アドテクノロジー)に活用することも可能となっている。すなわち、SNSマーケティング事業(特にSNS広告)を展開している同業他社は多数存在するものの、「広告」、「運用」、「インフルエンサー」、「キャンペーン」、「データ」、「CRM」、「コンサル」、「制作」など、主要な全領域を業務範囲とすることにより、SaaS※3とソリューションの組み合わせによる独自の付加価値提供に優位性があると言える。

※1 「モニプラ」上に作成される顧客企業専用のページであり、キャンペーンに参加した会員ユーザーデータが蓄積される仕組みとなっている。
※2 「モニプラ」管理画面より、キャンペーンに参加した会員ユーザーの状況やページビュー数、コメント、参加時間等のデータを分析するツールを利用できる。
※3 Software as a Serviceの略称。同社においては原則として月額契約(サブスクリプションモデル)のプロダクトを示す。主力の「モニプラ」や「モニプラ ファンブログ」のほか、「Letro」(ユーザー生成コンテンツ活用支援サービス)、「WEIQ」(中国最大のSNS「Weibo」向け拡散サービス)、「BrandTouch Manager」(マーケティング施策の影響度を可視化するサービス)なども展開している。


一方、会員ユーザーにとっても、ワンストップで複数企業のキャンペーンにアクセスすることができ、その中から好みのキャンペーンに無料で参加し、商品等を入手したり、企業に対して商品等の感想や要望を発信するといった交流を図ることができるところにインセンティブがある。

同社は上記サービスを、Facebook やTwitter、Instagram、LINE等の主要なSNS各社との連携によってSNSユーザーに展開しており、その結果として、会員ユーザー数は国内外で630万人を突破するとともに、顧客企業数も累計で4,000社以上に上る(2017年12月末実績)。

(2) 越境プロモーション事業
中国を中心とする越境EC市場に向けて、SNSを活用したプロモーションの支援を行う事業である。2016年8月に中国最大規模のSNS「Weibo」の公式マーケティング会社IMSと提携し、「Weibo」の公認サービス「WEIQ※1の日本における独占販売契約を締結すると、中国向けの動画インフルエンサーマーケティング事業を行う合弁会社Vstar Japan※2を設立した。本格的な業績貢献にはある程度の時間を要するものとみられるが、中国のEC市場は約91兆円(日本のEC市場は約10兆円、米国は約38兆円と推定される)と世界最大級の規模を誇る上、日本からの越境EC市場も1兆円規模と拡大基調にある。中国ではSNS利用者が多く、影響力も大きいことから、SNSを活用したプロモーションのポテンシャルは非常に大きい。2017年2月には、中国の大手インターネット企業であるテンセント社が提供する公式DSPサービス「Tencent Tui(テンセント・トゥイ)」において国内で初めてパートナー契約を締結。これによって、累計8億人超のユーザーデータを活用し、「WeChat」等のアプリやWebサイトへの広告配信が可能となった。

※1 「Weibo」や「WeChat」上のインフルエンサーを活用した中国向けコンテンツ拡散支援サービスである。約80万人のインフルエンサーが登録する中国最大級のインフルエンサーネットワークの活用が可能となっている。
※2 中国に向けた動画インフルエンサーを活用したプロモーション事業の日本国内における販売などを目的としている。


(3) クリエイティブテック事業(海外)
2014年3月に設立した海外子会社が運営する「ReFUEL4R」サービスをグローバルに展開している。「ReFUEL4R」は、独自開発したAIを活用することにより、SNS広告を出稿したい企業と広告クリエイター(100ヶ国1万人超)とをマッチングさせるサービスからスタートしたが、顧客企業のすべてのクリエイティブの管理を通じて全体最適(広告効果の最大化)を実現するプラットフォームへと進化してきた。SNSプラットフォームにとってはメディア収益の最大化、広告主にとっては広告効果の最大化、広告クリエイターにとっては生産性の最大化(及びビジネス機会の獲得)を実現することから、すべてのプレーヤーに対して価値提供が可能となっている。2016年10月には、Facebook,Inc. が年間で最も革新的なマーケティングサービス/ テクノロジーを選出し表彰する「Facebook Innovator of the Year 2016」を受賞した。まだ売上規模は小さいものの、SaaS型プラットフォーム(サブスクリプションモデル)として確立してきたことにより、足元では安定した伸びを実現している。

2. 企業特長
(1) 成長モデル
同社の売上高は、「顧客企業数」と「顧客単価」の掛け算方式で積み上げられる(ストック型ビジネス)。すなわち、SaaSにより「顧客企業数」の拡大を図るとともに、比較的広告予算のある大手企業に対しては、顧客ニーズに合わせた様々なソリューションを組み合わせた総合提案により「顧客単価」の向上を目指す成長モデルと言える。なお、顧客からの収益源は、SaaSによるサービス利用料(月額課金)をコアとするほか、キャンペーンなどにかかる各種ソリューション(インフルエンサー、制作、運用、コンサルティング、プラニング、広告、インバウンド、越境など)によって構成されることから、「顧客単価」の向上のためには、キャンペーン開催頻度を増やすことやサービス間のクロスセルを推進することが重要となる。さらに本質的な視点から言えば、「顧客企業数」の拡大や「顧客単価」の向上のためには、「モニプラ」によるマーケティング及びプロモーションの効果を高めることが不可欠であり、そのためには会員ユーザーを増やし、エンゲージメント(キャンペーンに参加する会員ユーザー)を創出することが最も重要と言える。

(2) 収益構造
主力のSNS関連サービスにかかる原価は「モニプラ」の運営費がほとんどであり、基本的には利益率の高い事業モデルである。ただ、広告収入については、広告原価がかかってくるため、広告収入の拡大(売上構成比率の拡大)は売上高を伸ばすことには大きく貢献するものの、売上総利益率の低下を招くことに注意が必要である。したがって、同社の本来の業績の伸びを見るためには、売上高よりも売上総利益額の動きを追うのが妥当と言える。もっとも、直近においては、業績の変動要因となりやすい海外SNS広告サービスについては縮小する方向である。

また、同社は成長フェーズにあるため、広告宣伝費や開発費、M&Aにかかる費用など、将来に向けた先行費用の掛け方(政策的な判断)が営業利益率を左右するところにも注意する必要がある。

(3) 同社の優位性
同社の優位性は、SNSマーケティング領域に特化し深堀りをすることにより、他社に先駆けて独自のポジショニングを確立したところにあると言える。マーケティングプラットフォームの最大の成功要因は、会員ユーザーをいかに増やし、エンゲージメントを創出するかにある。会員ユーザーは魅力的なキャンペーンが充実しているところに集まる一方、顧客企業も会員ユーザー数の多いところを選ぶことから相互に作用し合う好循環が生まれやすい上、集客のための広告宣伝費や機能強化等への開発費などにスケールメリットが働く事業モデルであることから、国内最大級の会員ユーザーや顧客基盤、SNS各社との強固なネットワークを有する同社には大きなアドバンテージがある。

また、SNSに関連した各ソリューションをワンストップで提供することによりサービス間の相乗効果が発揮されているところにも優位性がある。特に、これまで蓄積してきたノウハウやSNSデータを駆使したデータマネジメント(CRMや需要調査、商品開発など)、並びに精度の高いSNS広告は他社との差別化要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《TN》

 提供:フィスコ
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