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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6081 アライドアーキテクツ

東証G
282円
前日比
+7
+2.55%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
80.1 1.33 7.37
時価総額 40.2億円
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アライドアーキ Research Memo(3):SNSに関連したサービスをワンストップで提供することで差別化を図る


 

■会社概要

2. 企業特長
(1) 成長モデル
アライドアーキテクツ<6081>の売上高は、顧客企業数と顧客単価の掛け算方式で積み上げられる。したがって、顧客企業数の拡大が売上高の伸びをけん引するストック型ビジネスであるとともに、顧客単価の向上も売上拡大に貢献する成長モデルである。なお、顧客からの収益源は、ASPによるサービス利用料のほか、キャンペーン運用支援、広告収入などによって構成されることから、顧客単価の向上のためには、1社当たりのキャンペーン開催頻度を増やすことやSNS広告を含めたサービス間のクロスセルを推進することが重要となる。さらに本質的な視点から言えば、顧客企業数の拡大や顧客単価の向上のためには、「モニプラ」によるマーケティング及びプロモーションの効果を高めることが不可欠であり、そのためには会員ユーザーを増やし、エンゲージメント(キャンペーンに参加する会員ユーザー)を創出することが最も重要と言える。

最近の傾向として顧客企業数が伸び悩んできたのは、大手企業によるSNSマーケティングの活用事例が増えてきたことから、限られた経営資源を顧客単価の向上のほうへ優先させたことが要因とみられる。ただ、生産性の改善(経営資源の有効活用)を図るなかで、足元においては顧客企業数の減少傾向にも底打ちの兆しがみられる。

(2) 収益構造
主力のSNS関連サービスにかかる原価は「モニプラ」の運営費がほとんどであり、基本的には利益率の高い事業モデルである。ただ、広告収入については、広告原価がかかってくるため、広告収入の拡大(売上構成比率の拡大)は売上高を伸ばすことには大きく貢献するものの、売上総利益率の低下を招くことに注意が必要である。したがって、同社の本来の業績の伸びを見るためには、売上高よりも売上総利益額の動きを追うのが妥当と言える。

また、同社は成長フェーズにあるため、広告宣伝費や開発費、M&Aにかかる費用など、将来に向けた先行費用の掛け方(政策的な判断)が営業利益率を左右するところにも注意する必要がある。

(3) 同社の優位性
同社の優位性は、SNSマーケティング領域に特化し、深堀りをすることにより、他社に先駆けて独自のポジショニングを確立したところにあると言える。マーケティングプラットフォームの最大の成功要因は、会員ユーザーをいかに増やし、エンゲージメントを創出するかにある。会員ユーザーは魅力的なキャンペーンが充実しているところに集まる一方、顧客企業も会員ユーザー数の多いところを選ぶことから相互に作用し合う好循環が生まれやすい上、集客のための広告宣伝費や機能強化等への開発費などにスケールメリットが働く事業モデルであることから、国内最大級の会員ユーザーや顧客基盤、SNS各社との強固なネットワークを有する同社には大きなアドバンテージがある。

また、SNSに関連した各サービスをワンストップでの提供することによりサービス間の相乗効果が発揮されているところにも優位性がある。特に、これまで蓄積してきたノウハウやSNSデータを駆使したデータマネジメント(CRMや需要調査、商品開発など)、並びに精度の高いSNS広告は他社との差別化要因となっている。

SNSのプロフェッショナルが集結していることや、ものづくりを重視した組織体制など、組織能力の高さも優位性の源泉になっていると考えられる。情報サイト「SMMLab」の運営や専門書籍の出版に加え、年間100回以上のセミナーや人材育成・研修を手掛けており、プロ集団としての知名度向上やSNSマーケティング市場の発展への貢献はもちろん、更なる人材獲得にもプラスになっている。また、社員の約半数は開発エンジニアやWebクリエイターであり、サイト構築からシステム開発まで、高い技術力で顧客企業の課題解決に当たっている。

さらには、市場の大きな中国向けを中心とした越境ECマーケティング支援なども立ち上がってきており、積極的なグローバル展開も同社の優位性をさらに高める要因として捉えることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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