キャリアリンク Research Memo(2):第3四半期は増収ながらマイナンバー関連開始の遅れが利益面に影響
■業績動向
(1) 2016年2月期第3四半期累計の業績概要
キャリアリンク<6070>の2016年2月期第3四半期累計の業績は、売上高が前年同期比17.7%増の12,160百万円、営業利益が同3.7%減の655百万円、経常利益が同4.5%減の643百万円、四半期純利益が同0.3%減の403百万円となった。主力のBPO関連事業が民間大型プロジェクトを中心に好調に推移したことで、売上高はほぼ計画どおり進捗したものの、マイナンバー関連業務の本格稼働が第4四半期にズレ込んだことで、利益ベースではやや計画を下回るペースとなった。
個人へのマイナンバー通知カードの発送業務の遅れにより、その後のマイナンバーカードの申請受付やカード発行、各地方自治体で本人に交付するための窓口業務、予約受付業務など一連の業務開始時期が全体的に後ズレしたことが影響した。同社が受注した業務は11月頃からの開始予定であったが、実際には大半が12月に入ってからの開始となったことが利益面でマイナスに影響した。
なお、減益要因についてはこうしたマイナンバー関連業務の開始時期の遅れに加えて、新規受注した難易度の高い民間BPO案件における就業スタッフの研修費用が第2四半期でスポット的に発生したことが要因となっている。四半期ベースの業績を見れば、前期第4四半期を底に、その後右肩上がりに伸びており、今期第4四半期についてはマイナンバー関連業務が本格稼働していることから、さらに伸びることが予想される。
なお、2015年11月末の従業員数は前年同期比233名増の688名と大幅に増加しているが、これは「マイナンバー」関連を中心としたBPO関連業務において、官公庁、民間企業からの積極的な受注獲得に対応していくためのリソースを確保するためであり、即戦力となる中途採用だけでなく、新卒社員も41名採用した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ