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「民泊」加速――“新法成立”で伸びる市場と飛躍する会社 <株探トップ特集>


―Airbnb、途家に対抗可能な国内勢は? 周辺銘柄にもビジネスチャンス―

 今月18日に閉幕した第193回通常国会で、空き部屋や空き家を旅行者に有料で貸し出す「民泊」について定める「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が成立した。早ければ2018年1月にも施行され、法的にグレーゾーンもあった民泊は今後、合法的な登録物件が増える見通し。この巨大市場に参入を表明している“民泊関連銘柄”のビジネス拡大が期待されるのはもちろんのこと、市場の広がりで恩恵を受けるとみられる“民泊周辺銘柄”にも妙味がありそうだ。

●事業者は届け出制に、年間180日が上限

 これまで国内で民泊を合法的に行うには、イベント民泊など一部の特例を除けば、東京都大田区をはじめとした国家戦略特区での「特区民泊」や、旅館業法における「簡易宿所」の営業許可を取る方法に限られており、国内の民泊施設の大半が無許可で運営されているのが実情だった。新法は民泊を全国的に解禁するもので、施行されると事業者(家主)は都道府県知事に届け出をすることで事業が可能になり、管理事業者は国土交通省、仲介業者は観光庁に登録することで、合法的に事業を行うことができるようになる。年間の営業日数の上限は180日で、地方自治体が条例で短縮できる規定も盛り込まれている。

 政府が民泊の規制緩和を進める背景には、人口減による空き家の増加と訪日外国人客の増加による宿泊施設の不足がある。特に20年に開催される東京五輪に向けた受け入れ施設の整備・拡充が大きな課題で、この解決策のひとつとして期待されている。国内の民泊市場を巡っては現在、米Airbnb(エアビーアンドビー)や中国の途家(トゥージア)といった海外仲介業者が中心だが、足もとでは国内勢の巻き返しの動きも出始めている。メタップス <6172> [東証M]のグループ会社の調査によると、民泊市場は20年に2000億円規模に拡大すると予測されており、関連企業の動向に関心が寄せられている。

●Lifullと楽天、プラットフォーム構築へ

 Lifull <2120> と楽天 <4755> は6月22日、共同出資会社を通じて、民泊施設を提供したい人と利用した人をマッチングする新たなプラットフォームを構築すると発表。約9000万人の会員を持つ楽天と、約800万件を掲載する不動産・住宅情報サイトおよび大規模な不動産加盟店ネットワークを持つLifullの経営資源を活用することで、合法民泊が加速する可能性がある。

 KDDI <9433> 傘下で高級ホテルや旅館の宿泊サイト「Relux(リラックス)」を運営するロコパートナーズは6月23日、民泊市場に本格参入すると発表。サービス提供は民泊新法の施行後とし、掲載対象は新法で定められているルールに準じて届け出を完了している施設になるとしている。

 アパマンショップホールディングス <8889> [JQ]は、法改正に伴う認可に準じて民泊仲介事業「APAMAN B&B」を開始する予定。AMBITION <3300> [東証M]は6月9日にエボラブルアジア <6191> と資本・業務提携、AMBITIONが開発・企画・仕入れ・管理などを行う民泊物件を、エボラブルアジアの総合旅行サービスプラットフォーム「AirTrip(エアトリ)」に掲載する。

●パソナは米Airbnbと人材育成に乗り出す

 このほか、企業の民泊事業を物件から運営までワンストップで提供する「TATERU bnb」などを展開しているインベスターズクラウド <1435> 、米Airbnbと民泊事業の人材育成で業務提携しているパソナグループ <2168> 、グループ会社が民泊物件の収益予測や不動産投資戦略に活用するデータ解析サービスを販売するメタップスのビジネス機会も広がりそうだ。

●セコム、WASHハウス、ライドオンEXなどにも注目

 民泊市場の拡大に伴って需要増が見込まれる、いわゆる“民泊周辺銘柄”にも注目しておきたい。例えば、民泊施設には不特定多数の人が出入りすることからセキュリティーの対策強化が求められ、民泊向けの見守り・管理サービスを提供しているセコム <9735> やALSOK <2331> をはじめ警備会社の商機が見込まれる。

 また、民泊を運用する際に必ず決める必要があるのが、利用者との鍵の受け渡しで、スマートフォンなどを使って部屋を開閉できるスマートロック を活用する施設が増えそうだ。レオパレス21 <8848> は4月に、グラモ(東京都豊島区)と共同で「Leo Lock」を開発し自社物件に導入すると発表。米社製スマートロックを販売している構造計画研究所 <4748> [JQ]や、賃貸物件向けスマートロックのサービス・製品の提供に向けてシステムソフト <7527> などと共同開発を進めている、さくらインターネット <3778> などもマークしておきたい。

 これ以外では、調理済み食材の宅配サービスを手掛けるライドオン・エクスプレス <6082> 、飲食店の出前仲介サイトを運営する夢の街創造委員会 <2484> [JQ]、水回りなどトラブルの緊急駆けつけサービスを提供するジャパンベストレスキューシステム <2453> やアクトコール <6064> [東証M]、建物内外の清掃を請け負うインターライフホールディングス <1418> [JQ]、掃除など家事代行サービスを行うダスキン <4665> 、コインランドリーをフランチャイズ展開するWASHハウス <6537> [東証M]、家具・インテリア販売チェーン大手のニトリホールディングス <9843> なども民泊市場拡大による恩恵が期待できる銘柄といえるだろう。

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