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6037 ファーストロジック

東証S
493円
前日比
-10
-1.99%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.0 2.05 1.62 240
時価総額 117億円

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ファストロジク Research Memo(4):投資用不動産に特化したポータルサイト「楽待」を運営


■ファーストロジック<6037>の会社概要と事業モデル

(2)「楽待」の概要

「楽待」の特徴を理解するためのキーワードは“個人”と“投資”だ。「楽待」は投資用不動産の物件情報や不動産投資に関する各種情報を個人向けに提供することを主たる目的としている。「楽待」が対象とする投資用不動産の対立概念は“居住(自己利用)用”不動産であるが、この分野では既に大手ポータルサイトが存在している。それに対して投資用不動産に関して充実したポータルサイトがないことは坂口社長自身が実体験していることは前述のとおりだ。そうした実体験を踏まえて「楽待」をローンチしたという背景が、“個人”と“投資”という「楽待」の特徴を生み出している。

ところで、賃貸用アパートの1棟売りなどは典型的な投資用不動産ということで異論はないであろう。しかし、例えば2LDKのマンション一室などは居住用にも投資用にもなる。当然、こうした物件は「楽待」以外にも居住用不動産を対象とするSUUMOやHOME’Sなどの大手ポータルサイトにも掲載される可能性がある。こうした物件はかなりの数に上ると考えられる。これをもって「楽待」がSUUMOやHOME’Sなどの大手ポータルサイトと直接競合するというのは、早まった見方であると弊社では考えている。「楽待」は不動産物件のみならず、不動産投資に関連する様々な情報も提供することを目指している点で、居住用を主眼としたポータルサイトとは明確に一線が引かれている。それゆえに投資に軸足を置く「楽待」と居住用不動産の大手ポータルサイトは競合関係ではなく、共存関係にあると弊社では考えている。

同社は2015年7月に、リフォームを対象とした「大家さんの味方」というポータルサイトをリリースした。これは独立したポータルサイトではなく、「楽待」のメニューの1つという建て付けとしている。「楽待」は不動産の取得と売却時を念頭に置いているが、現実には物件を取得した直後からリフォームの潜在需要が表面化してくる(物件の看板架け替えや外壁塗装など)ことが多い。すなわち、「大家さんの味方」をリリースしたことで、「楽待」のカバー領域が、投資用不動産の『取得⇒維持・補修⇒売却』というライフサイクル全般をカバーできる体制となっている。これは会員を常にアクティブユーザーに維持することに大きく貢献している。

(3)「楽待」の収益モデル

「楽待」の事業モデルは“会員”(個人投資家)と“加盟店”(不動産会社)の双方のニーズをマッチングさせ、それに伴う手数料を収益とするものだ。収益を獲得するための具体的なサービスとして同社は以下の4つのサービスを提供している。

a)物件掲載サービス
「物件掲載サービス」は、加盟店が不動産物件の情報を、有料で「楽待」に掲載するというサービスだ。このサービスは「楽待」のエントリーサービスという位置付けで、すべての加盟不動産会社が利用しているサービスだ。料金は1件当たり1,000円/月で、10件単位での掲載となっている。他に新規加盟の際に加盟料として5万円が必要となる。

b)提案サービス
「提案サービス」は、加盟店が、個人会員の希望に該当する物件の情報を、メールで送付できるサービスだ。個人会員のピックアップとそれに対する提案物件の選択は加盟店側が自ら行う。送付先は50人単位で、最初の50人が10万円となっている。

同社の強みは、約80%という提案メールに対する反応率の高さだ。約80%という数値は他社を圧倒しており、これが加盟店にとってこのサービスを利用するモチベーションにつながっている。提案サービスの単価は物件掲載サービスよりも高いため、売上高では物件掲載サービスと同程度の構成比となっているとみられる。今後、利用割合が高まれば、最大の収益源に成長するポテンシャルを秘めていると言える。

c)広告掲載サービス
「広告掲載サービス」は「楽待」サイトのバナー広告枠を加盟店等に販売するものだ。同社は広告代理店等を使わず直販しているため利益率の高い事業となっている。バナー枠の価格は大きさ等に応じて8万円~80万円超と幅があるほか、PV数によって変動する仕組みとなっている。広告枠はフルに埋まっている状況が続いている。この人気を反映して、半年に1回のペースでの価格改定では、値上げ改定が続いている状況となっている。

d)査定サービス
「査定サービス」は個人会員が保有する不動産を売却する際に不動産会社に無料査定を依頼できるサービスだ。同社がフィーを受け取るのは査定を行った加盟店からで、物件価格に応じて5,000円~50,000円の料金を得る仕組みだ。加盟店からみれば査定を行うことで仕入物件の情報を入手できることになり、この対価が上記の料金ということだ。不動産業界においては物件1件当たりの取得費用が50万円を超えるとも言われているため、同社に支払う査定サービス利用料は、加盟店側からみれば十分に満足できる水準となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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