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5998 アドバネクス

東証S
1,335円
前日比
-12
-0.89%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
109 0.71 1.50
時価総額 55.5億円
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決算発表予定日

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アドバネクス Research Memo(5):2017年3月期は、円高、OA機器向け不振などにより減収減益


■業績動向

1. 2017年3月期の業績概要
アドバネクス<5998>の2017年3月期の業績は、売上高が前期比6.4%減の17,858百万円、営業利益が同63.0%減の247百万円、経常利益が同48.4%減の346百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同88.6%減の67百万円となった。計画比では、売上高がほぼ予想並みであったのに対し、営業利益は45.1%減、経常利益が13.5%、当期純利益が69.5%減となった。

営業利益は前期比421百万円減少したが、変動要因はプロダクトミックスの変動などによる限界利益率の悪化(-63百万円)、埼玉工場やメキシコ第2工場の新工場開設による固定費・経費の増加(-361百万円)、円高(ドル安、ポンド安)による為替の影響(-166百万円)であった。為替レートは、前期の1米ドル当たり120.2円から109.2円へ円高となった。同社は、グローバル生産体制を採っているため、円高による輸出採算の悪化というより、連結決算の集計に際し海外事業の日本円への換算による目減りという形で現れる。為替感応度は、1米ドル当たり1円の変動により売上高で約1億円、営業利益で13百万円の影響を受ける。

(1) 所在地別動向
日本は自動車向けが好調であったものの、OA機器向けが減少したことから、売上高はほぼ横ばいであった。埼玉工場の立上げコストにより、赤字額が前期の401百万円から572百万円に悪化した。米州は、円高の影響により売上高は前期比5.7%減少した。利益は、とメキシコ第2工場及びアメリカ第2工場の立上げにかかる固定費・経費の増加により、前期の黒字(28百万円)から161百万円の損失となった。欧州は、円高の影響と医療向けが一時的な減少に見舞われ、減収減益であった。稼ぎ頭のアジアは、タイの収益が拡大したほか、中国の収益性改善の取組みが奏功し、円高により減収となったものの、利益は前期比3.4%増の724百万円に増加した。

(2) 市場別動向
自動車向け売上高は、前期比4.2%増であったが、為替の影響を除外してみると11.8%の伸びになる。一方、OA機器は同13.3%減と大幅な減少となった。プリンターカートリッジで同社製の金属部品を不要とする設計変更とタブレット端末の普及によりペーパーレス化が進んだことが減収要因となった。同市場の構成比は、かつて45%あったが、当期は20.3%へ低下した。OA機器向け売上高は3,631百万円で着地したが、これは計画比で約23億円低い。同市場の予想以上落ち込みが、現中期経営計画の数値目標の達成時期を後ずれさせる要因となった。医療向けは顧客企業におけるジェネリック医薬品の認可取得が遅れたため、前期比28.5%減少した。旧船橋電子が手掛けていた携帯電話のアンテナビジネスはなくなり、携帯情報端末は同51.7%の大幅に落ち込んだ。規格品などを含む「その他」は、同7.2%の増加となった。

2. 財務状況と経営指標
2017年3月期末の総資産は、18,747百万円と前期末比1,723百万円増加した。増加の要因は、PT. Yamakou Indonesiaの買収と設備投資になる。資金を借入金の増加でまかなったため有利子負債が増加した。自己資本比率は、前期の38.4%から33.3%へ低下した。特別損失が発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は67百万円へ低下したため、ROEは前期の8.7%から1.1%へ急落した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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