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5998 アドバネクス

東証S
1,345円
前日比
-32
-2.32%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
110 0.71 1.49
時価総額 55.9億円
比較される銘柄
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サンコール, 
パイオラック
決算発表予定日

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アドバネクス Research Memo(1):飛躍に向けて拠点展開、製品開発


大手精密ばねメーカーのアドバネクス<5998>は、優れた技術力と開発力により、国内ばかりか世界市場でもトップシェアを獲得する多くの製品を輩出している。

日本のセットメーカーが競争力を失ったAV機器や通信端末から、ターゲット先を安定的な需要が見込める自動車市場に移行し、最大の顧客市場とした。自動車、OA機器に次ぐ第3の柱として、医療・インフラ・住設機器向けを育成している。採血・点滴をする際に使用される医療器具に内蔵される留置針用コイルばねで、60%の国内シェアを持つ。喘息薬吸入器向けばねでは、世界シェアの過半を握る。また、商社経由やネット通販事業の拡大を図る「規格品戦略」の拡販を図っている。その主要製品の1つであるNAS3350(米国宇宙航空規格)に準拠しているばね「ロックワン」は、鉄道総研が行った鉄道レールのボルト・ナットの緩み止め器具のテストでは他を圧倒する成績を収めた。航空機市場で採用が進む同社独自のねじ穴補強材の「タングレス・インサート」は、需要拡大が続く。

世界のトップ企業を対象に、大手ばねメーカーと競合せず、中小メーカーと熾烈な価格競争をしないですむ市場と地域でビジネスを行う、“グローバルニッチ”企業というポジショニングでブルーオーシャン戦略を取っている。顧客の要望に応えられる製品開発力、一貫生産システム、加工工法の転換によるコストダウンと品質向上、顧客の要求する地域で生産・納入するグローバル拠点により、持続的な成長を図る。

2016年3月期の業績は、プラスチック事業を戦略的に切り離したことから、売上高は前年同期比35.3%減の19,073百万円、営業利益が同38.2%減の668百万円となった。精密ばね事業だけを比較すると、前期比3.4%の増収、4.2%の営業減益であった。2017年3月期通期は、売上高が前期比0.7%増の19,200百万円、営業利益が同19.7%増の800百万円が予想されている。前下期から国内OA機器向けが不振に陥ったが、今期に入って1ヶ月半で自動車向け金型が1年分の受注獲得に成功しており、業績は下期から盛り返すことになるだろう。

2015年度から2019年度をカバーする中期経営計画“Breakthrough to 2020”では、「金属加工総合メーカーへの挑戦」をメインテーマとする。2020年3月期の数値目標として、連結売上高35,000百万円、営業利益4,000百万円を掲げている。注力領域は、市場の成長性が高く、同社の競争力が強い自動車機器、医療機器、インフラ/住設機器となる。

目標達成の施策として、2016年1月に省力化と自動化を図った自動車部品専用の「スマートファクトリー」となる埼玉工場を新設し、操業を開始した。同月に、インドネシアで日系を顧客とする精密プレス、インサートモールドを製造する企業に資本参加した。同4月からはメキシコの第2工場の稼働を始めた。今後も、ベトナム、米国、インド、チェコで生産拠点を増強する計画でいる。

■Check Point
・“グローバルニッチ”のブルーオーシャン戦略
・自動車市場の3つのトレンドに対応
・より安定した市場へのポートフォリオの転換を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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