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5962 浅香工業

東証S
1,713円
前日比
+13
+0.76%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
5.4 0.43 2.92
時価総額 17.8億円
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決算発表予定日

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厳冬襲来、“大雪関連株”最新事情―「急騰候補」と注意点 <株探トップ特集>


―「ラニーニャ現象」発生で関連株は動意気配、マーケットの空模様は―

 12月中旬になって、日本列島に今シーズン初となる寒波が到来。折しも11日には、気象庁が異常気象の発生が高まる「ラニーニャ現象が発生しているとみられる」と発表、今冬は厳しい寒さになるとの予想もあり大雪関連銘柄に注目が集まっている。いわゆる大雪関連株は、急騰習性は持つものの、思惑買いのなかで株価上昇が一過性となる場合も少なくはない。ただ、今年の大雪関連銘柄には、それぞれバラエティーに富んだ材料も内包されており例年とは一味違う。大雪は時として、人的被害に加え地域経済に大きな悪影響を与えることもある。備えあれば憂いなし。気象状況と今後の株価に気を配っておきたい今シーズンの冬、関連株の材料と動向を探った。

●浅香工は大雪感応度健在!

 浅香工業 <5962> [東証2]の大雪に対する株価の感応度は今シーズンも健在だった。同社株はショベルの大手メーカー。例年、同社株は降雪状況に対し株価が敏感に反応することで知られ、まさに大雪関連の中核的存在といえる。12日には、翌日にかけて北日本や日本海側で大雪になるとの気象予報をうけて、1900円近辺でもみ合っていた株価が一気に2110円まで買われた。除雪用にショベル需要が拡大するとの思惑から買いが入った格好だ。

 大きな降雪が、一気にショベルの売上拡大につながるとの連想が同社株を突き動かすが、実際のところどうなのだろうか。同社では「プラス要因ではあるが、降雪量にもより一概にいえるものではない」(総務部)という。また、急激な気象の変化による対応には、天候次第で供給過剰になる恐れもあり、需要に応えるには限界があるというのが実情のようだ。とはいえ、大雪感応度抜群な銘柄だけに今後も目の離せない存在といえよう。

●タカキタは除雪機と中国関連

 きょうこそ大幅反発したものの、師走相場に入り日経平均株価はどうもパッとしない。外国人投資家もクリスマス休暇に入るなか、市場参加者減少によるエネルギー不足が顕在化。ただ、投資家の中小型株物色は旺盛で、急騰習性に加え、有力な材料を有する大雪関連銘柄に注目が集まるのも必然かもしれない。

 その筆頭がタカキタ <6325> だ。同社は小型の除雪作業機を扱うことから、例年関連銘柄として注目されており、浅香工業同様に感応度は高い。ここ株価は上昇加速しているが、その背景には「中国関連 」としての評価があるようだ。同社の本業は飼料系農業機械メーカーで、大規模な農業政策が推進される中国に積極展開を図っている。習近平1強体制となった中国では大規模な農業政策が推進されており、農機の商品開発力で優位性を持つ同社の収益機会が高まっている。国内においても安倍政権は農業分野の競争力強化を推進、事業者が連携して高収益型の畜産を実現する「畜産クラスター事業」を国策が後押しする形となっており、農機の商品開発力で強みを持つ同社の商機が膨らんでいる。株価は、10月下旬から上昇加速。600円台後半だった株価が、上昇波動に乗り15日には975円まで買われ年初来高値を更新、今後も注目場面は続きそうだ。

 また、北海道を地盤とするナラサキ産業 <8085> [東証2]も除雪車を扱っていることから、大雪関連の一角として目が離せない。同社株も10月後半から上げ足を早め、15日には終値でマイナスになったものの一時435円まで買われ年初来高値を更新している。

●オートバックスはドラレコでも出番

 大雪、厳冬で注目される定番銘柄がカー用品専門店チェーンで、スタッドレスタイヤ、スノータイヤといった冬用タイヤの需要拡大が期待される。カーメイト <7297> [JQ]、オートバックスセブン <9832> 、イエローハット <9882> などが挙げられ、こちらも例年株価の感応度は高い。これについて、オートバックスでは「大雪になるとか、想定よりも降雪が早いという状況になると一部早目の購買行動がおきる。特に、タイヤなどへの影響が強い」(IR広報部)。スタッドレスタイヤなど高価格帯の商品が動くことで「業績に良い影響が出てくる」(同)という。

 また、今年はドライブレコーダー(ドラレコ)関連の一角としても脚光を浴びている。いわゆる「あおり運転」による事故やトラブルが相次ぎ発生、運転中の映像を残すドライブレコーダーへの需要が急拡大している。いまだ設置台数は少なく、メーカーとともに今後売上拡大が期待されるからだ。10月には、オートバックスも360度全方位を撮影し、記録できるドライブレコーダー「PIXYDA PDR600SV」を発売し話題を集めている。

 前述の冬用タイヤの需要拡大という視点からは、住友ゴム工業 <5110> 、横浜ゴム <5101> など大手タイヤメーカーの株価にも連想が働く可能性もある。

●コロナは石油暖房機で業績好調

 厳冬ともなれば、暖房、そして身も心も温かくする鍋などに関連する銘柄に注目が集まる。暖房関連では石油暖房機を手掛けるコロナ <5909> 、電気こたつ、ホットカーペットの山善 <8051> などが挙がるが業績も好調だ。

 コロナは10月27日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表。営業利益を23億円から26億円(同17.1%増)へ、最終利益を19億円から21億円(同16.0%増)へそれぞれ増額した。上半期にルームエアコンの販売が見込みを上回り、寒冷地向けの石油暖房機の販売も好調。株価は、10月中旬に1200円近辺だったものが12月14日には1500円まで買われ年初来高値を更新している。

●岩谷産業、鍋と水素で出番到来

 冬の鍋物料理に欠かせないのがカセットコンロやガスボンベだ。ここでは、岩谷産業 <8088> に注目が集まる。しかし、岩谷産の本領は、燃料電池車に燃料の水素を供給する拠点の水素ステーションの拡大にある。経済産業省は12日、燃料電池自動車(FCV)の普及拡大に向けた環境整備を推進するため、岩田産を含む水素ステーション運営事業者や自動車メーカーなど11社が、水素ステーションの本格整備を目的とした新会社を2018年春に設立することで合意し契約を締結したと発表。新会社は事業期間を10年と想定し、第1期としてまず4年間で80基の水素ステーションを整備することを目指している。ここ、若干FCVに対して注目度が薄れているものの、折に触れて動意する可能性は高い。

 また、冬といえば肉まん、あんまんの井村屋グループ <2209> もホットな存在。7日に東証、名証ともに2部から1部市場に指定変更され活躍期待も高まる。

●ホームセンターでDCMHD、コメリなど

 忘れてはならないのが、地域に密着し生活用品を扱うホームセンター の存在だろう。特に降雪の少ないエリアでの大雪となれば、スコップなど除雪用品の販売が拡大するとの思惑から株価が動意することも少なくない。関連銘柄としては、DCMホールディングス <3050> 、ジョイフル本田 <3191> 、コメリ <8218> などが挙げられる。前述の浅香工業同様に、実際に大雪は売り上げに影響を与えるのだろうか。新潟県を地盤に全国展開を進めるコメリでは「単月ではプラス要因ではあるが、通期の業績に大きな影響を与えるものではない」(IR)という。とはいえ、少なくともプラス要因であることには間違いなさそうだ。ちなみに、コメリは10月25日に3435円まで買われ年初来高値を更新、その後調整し11月16日の3035円を底に現在は3200円近辺でもみ合う展開が続いる。

 さらに、アルペン <3028> 、ヒマラヤ <7514> 、ゼビオホールディングス <8281> などスキーウエアなど防寒衣料もそろうスポーツショップ関連株にも目を配っておきたい。来年2月には韓国で平昌五輪開催もあり、成績次第では思惑高を招く可能性もある。

 一味違う今シーズンの大雪関連。思惑だけでなく材料も豊富で、今後の展開から目が離せない状況が続きそうだ。ただし、株価は急騰習性を持つと同時に上ヒゲをつけやすいことも多く“機を見るに敏”の姿勢はくれぐれも忘れぬことが肝要だ。

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