貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5713 住友金属鉱山

東証P
5,127円
前日比
+39
+0.77%
PTS
5,140円
23:36 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
30.6 0.78 1.91 6.32
時価総額 14,910億円
比較される銘柄
三井金, 
DOWA, 
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決算発表予定日

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【新年3大テーマ (1) 】 トランプ相場の行方と“注目株” <株探トップ特集>


―「強いアメリカ」目指すトランプ次期大統領、日本株への影響は―

 2016年11月8日の米大統領選挙で、大方の予想に反してトランプ氏が当選した。開票前には、トランプ氏勝利ならマーケットは一時的に波乱展開となり、為替は円高に振れ、日経平均株価も急落は避けられないとの見立てが多数を占めていた。ところが、思い切った大型減税と財政支出拡大の組み合わせで経済成長を推進するという刺激的な経済政策への期待感が高まり、外国為替市場で急速に円安・ドル高が進行するなか、日米両国の株価は急ピッチな上昇をみせている。1月20日の就任以降のトランプ米新政権の政策内容と、日本株への影響を探った。

●トランプ氏経済政策への期待感から円安・株高が進行

 昨年の米大統領選の開票速報で、トランプ氏の勝利が伝えられた直後の11月9日の東京外国為替市場では、 円相場が一時1ドル=101円台まで急上昇し、これに連動して日経平均も、前日比1000円を超える急落で一時1万6100円台まで下押した。しかし、翌日10日には、一気に1ドル=106円台まで円安が進行、日経平均も1万7300円台まで大きく値を戻した。それ以降も、トランプ次期米大統領の減税、インフラ投資、規制緩和といった政策への期待感から、円安と株高が同時進行する推移となり、円相場は一時1ドル=118円台、日経平均は取引時間中の高値で1万9500円台まで上昇と劇的な変化をみせている。

●大幅減税、インフラ投資、規制緩和が目玉に

 トランプ政策の基本は、選挙中から繰り返し発言してきたドル高に象徴される“強いアメリカ”の実現にある。具体的には(1)所得税、法人税、相続税などの大幅減税、(2)道路、橋、鉄道、空港など交通網整備を中心としたインフラ投資の拡大、(3)金融規制改革法(ドッド・フランク法)に象徴される規制緩和、(4)TPP(環太平洋経済連携協定)からの撤退や、NAFTA(北米自由貿易協定)の見直しといった保護主義的な通商・外交政策――などを掲げている。

 なかでも、減税については法人税の最高税率を35%から15%に引き下げる案や、所得税の簡素化や最高税率の引き下げ、相続税の廃止を提唱しており、減税に伴う経済成長の押し上げで歳入減はある程度抑制できるという考え方だ。また、道路、橋、空港、鉄道など交通関連を中心としたインフラ投資については少なくとも5年間で5500億ドル規模を公言している。一方、規制緩和では、ドッド・フランク法、オバマケア(医療保険制度改革)、クリーンエネルギー計画の見直しに加え、石炭など化石燃料の推進を公言している。

●ドッド・フランク法見直しで金融市場は活性化

 規制緩和策のなかでも特に、ドッド・フランク法を見直すと発言していることが注目を集めている。トランプ氏は、「この法律は、金融機関のリスクを取る能力を阻害し自由度を奪っている」と主張しており、政策の見直し期待から日米共に金融セクターへの物色が引き続き注目されている。ドッド・フランク法は、10年にオバマ政権下で成立した法律で、別名「ウォール・ストリート改革および消費者保護法」とも称され、サブプライムローンの崩壊、リーマン・ショックという金融危機を受け、個人投資家の保護と金融市場の安定化を狙った金融規制だった。ドッド・フランク法が見直されれば日米の証券会社、銀行など、これまで以上にリスクを取った運営が可能となり、金融市場の活性化に繋がるとの期待感が出ている。

 “強いアメリカの復権”を目指すトランプ氏の政策は、1980年代に当時のレーガン大統領が打ち出した経済政策の「レーガノミクス」と、1930年代に世界大恐慌を克服するためにルーズベルト大統領が掲げた「ニューディール政策」を合わせた内容ともいえる。積極的な経済政策に伴う米国景気の復調は、日本の主力産業である輸出関連企業にとって追い風となることが予想される。また、米長期金利の上昇も、円安・ドル高を持続させることにつながり、これも輸出企業にとって大きなプラス要因となる。

●減税と高金利で“双子の赤字”再燃の可能性も

 ただ、TPPからの撤退や、NAFTAの見直しなどの保護主義的な政策が現実となれば、自動車に代表される日本の輸出産業に大きな打撃となる可能性がある。また、レーガン政権当時を振り返ると、政権発足前からインフレ対策で高金利となっていたところに、大規模な減税により財政赤字が拡大し、高金利によるドル高の進行で貿易赤字も膨張、いわゆる“双子の赤字”が拡大し、その後の米国経済を長年悩ませることとなった。トランプ政権でも、ドル高・円安の進行で、かつての“日米貿易摩擦”に近い事態となった場合、日本経済へのマイナスも想定される。

●トランプ政策関連の注目銘柄=竹内製作所、三井金、三菱UFJ

 トランプ次期米大統領の経済政策関連銘柄としては、インフラ投資関連のコマツ <6301> 、日立建機 <6305> 、竹内製作所 <6432> 、古河機械金属 <5715> 、太平洋セメント <5233> などがある。また、地球温暖化ガス削減などの環境規制撤廃の可能性や、石炭産業など化石燃料保護の推進から、資源価格の上昇機運も想定され、国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> 、昭和シェル石油 <5002> 、三井金属鉱業 <5706> 、住友金属鉱山 <5713> 、住石ホールディングス <1514> などにも注目が集まりそうだ。さらに、金融規制緩和(ドッド・フランク法の見直し)では、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などメガバンク証券株も見逃せない。

★北浜流一郎など4氏【お年玉企画】など、「新春特集」の記事一覧をみる

※新年3大テーマ<株探トップ特集>の配信一覧
 ・1月3日20時 【新年3大テーマ(1)】 トランプ相場の行方と“注目株”
 ・1月4日20時 【新年3大テーマ(2)】 外国人投資家の日本株“大規模買い”は続くか
 ・1月5日20時 【新年3大テーマ(3)】 2017年「最強テーマ」AI関連、“株高の未来図”を追う

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