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好決算“暴落”株を見よ! 華麗なる底値買い成功への10銘柄 <株探トップ特集>


―アルゴ売買が加速させる出尽くし売り、それは大バーゲンセールの始まりでもある―

 全体相場は夏枯れがいわれるなか、為替の円高にも負けず意外な強さをみせている。米国株高による影響が大きいとはいえ、やはり今の相場の土台となっているのは企業のファンダメンタルズの強さだ。佳境入りとなっている四半期決算の発表が、順次その好調ぶりを明らかなものにしているが、つれて日経平均株価も上値を慕う動きを強めてきた。

 個別では当然ながら好決算を発表した銘柄が、華やかにスポットを浴びることが多い。しかし、増収増益基調が確認されても必ずしも株価にはポジティブに作用しない。事前の市場の期待に届かない場合や、通期もしくは中間期に対する進捗率によって売りを誘発することも少なくない。自分の保有する銘柄の引け後の好決算を見て、翌日のマーケットを楽しみにしていると、意に反して売り優勢、下手をするとウリ気配でスタートするなどという裏切りのパフォーマンスに頭を抱えるケースも出てくる。

●アルゴ売買の影響で下げ加速の場面も

 主に今回の決算発表の対象である18年3月期第1四半期(4-6月)や17年12月期第2四半期累計(1-6月)の決算で、好実態にも関わらず、上記の理由で大きく株価水準を下げる銘柄が思いのほか目立っている。俗に言う「出尽くし売り」や「失望売り」という類いの売り圧力は時に“奔流”を形成する。決算発表を受け思惑を外す形で株価が下げ始めると、信用取引で買っていた短期筋などが損失拡大を回避するためにロスカットしたり、それを見込んだ仕掛け的な空売りが覆いかぶさり下げが加速することが少なくないからだ。

 さらに、最近では高速売買取引による弊害も観測される。某準大手証券のストラテジストは「決算発表を絡め、銘柄が突如として不規則な動きに入るのは人工知能(AI)を使ったアルゴリズム売買の影響も小さくない。流動性とボラティリティさえあればアルゴ売買の標的となり、短期売り乗せや買い乗せによる偏った動きが出やすい」と指摘する。

●押し目待ちに大バーゲンチャンス

 しかし、実はここに投資のチャンスが潜んでいる。実態から外れたイレギュラーな下げは買う側にとっては大きなアドバンテージとなり得るのだ。

 行き過ぎた下げが思わぬハンティングチャンスを提供するのは相場において日常茶飯事だ。“押し目待ちに押し目なし”といわれるような一貫した上昇トレンドを形成していた銘柄が、突如バランスを崩して深押しをみせるのは、年4回の決算発表に絡むことが多く、今回はその大バーゲン状態にある逆張り妙味株を10銘柄選出した。

●反騰窺う日立金、「陰の陽はらみ」で扶桑化学

 日立金属 <5486> は決算発表翌日の7月28日にマドを開けて売られ、その後も小幅陰線を続けたが、ここで売り物をこなし反騰の機を窺う。同社は高級鋳物や金型などを手掛け世界的な景況感回復を背景とした設備投資需要の増大が収益を後押ししている。自動車のエンジン向け鋳造品が伸びるほか、加速局面にある電気自動車(EV)の普及では電池材料などが好調、18年3月期第1四半期(4-6月)経常利益は前年同期比45%の伸び。通期減益見通しを据え置いたことが嫌気された形だが、これは第2四半期以降の楽しみにとっておくところだ。

 扶桑化学工業 <4368> は反発局面にある。4-6月期経常利益21%増益が物足りないとみられ売りを誘ったが、決算発表の翌々日には日足チャートで「陰の陽はらみ」を形成。ここでの急落が狼狽売りによる需給先行の下げだったことを暗示しており、今後切り返す可能性が高い。同社は主力のリンゴ酸やクエン酸などの果実酸類や半導体向けに超高純度コロイダルシリカなどが好調で収益を牽引している。週足では26週移動平均線をいったん下回ったものの長い下ヒゲが押し目買い需要を物語っており、ここからのリバウンドは追撃買いのチャンスとなる。

 ソフトブレーン <4779> は顧客関係管理(CRM)を中心とした業務支援システムを展開しており、カスタマイズ開発を中心に同システムへの引き合いが高水準で、業績は数年来大幅増収増益基調を続けている。1-6月期経常利益は前年同期比7%強の伸びにとどまり、これを受けて失望売りを浴びる格好となった。しかし、通期予想に対する進捗率40%台は前年同期と同じであり、主力の営業支援システム「eセールスマネージャー」が好調で“働き方改革”などの国策テーマにも乗ることから、見直し買い余地は大きそうだ。

●進捗率5割超の三菱鉛筆、島精機は戻り初動

 三菱鉛筆 <7976> は27日後場取引時間中の決算を受け、大引け間際に思わず目を疑うような大陰線を引いた。1-6月期決算で経常利益は6億6400万円と前年同期比で2割強の伸びをみせたが、コンセンサスに届かず、利益確定売りの引き金を引いた。しかし、通期見通しに対する進捗率は6割を超えており、ここでの下げはやはり行き過ぎといえる。3000円近辺は拾い場となっている公算も大きい。

 日本冶金工業 <5480> は決算発表前に株価は既に崩れ足の兆候を見せていたが、28日決算発表後の週明け31日から“ドスン下げ”を演じた。主力のステンレス鋼が自動車や建設業界向けなどに好調、ニッケル市況の回復も単価上昇につながる好材料だが、川崎製造所の火災事故に伴う損失計上と中間期配当見送りが嫌気された。18年3月期第2四半期(4-9月)への影響は50億円程度と会社側では見積もっている。これは一過性要因で株価の中長期下降トレンドを示唆するものではなく、目先売り物が枯れた印象を受ける。

 島精機製作所 <6222> は4-6月期の経常利益が前年同期比4.2倍の41億8100万円と急拡大したが、営業利益が微減だったことで急落の憂き目にあった。しかし、信用取引は売り長で日証金では株不足状態にあるなど、需給面からは上値が軽く、既に買い戻しを絡め戻り局面に移行している。世界トップシェアのコンピューター横編み機がアジア向け需要を囲い込み業績に貢献しており、中期成長力も高い。

 イトーキ <7972> はオフィス家具の大手であり、首都圏の中小企業との取引増加を背景に1-6月期経常利益は2割を超える伸びを示すなど好調だった。既に通期計画を超過したが、上期偏重型のため材料視されず、春先以降の上昇基調が強かっただけに利益確定売りを促し、思わぬマド開け急落となった。しかし、PBR0.8倍台で割安感があり、13週移動平均線上で売り物をこなしている時価近辺は押し目買い好機とみられる。

●AI関連で注目のテクノス、マーベラスは需給妙味

 テクノスジャパン <3666> も1000円近辺は絶好の拾い場とみられる。ERP(統合基幹業務システム)ソフトの導入支援などを行うITコンサルティング企業でAI関連の一角としても人気素地を持つ。4-6月期は2ケタ経常増益で上期見通しに対する進捗率は50%を超えている。昨年4月には1700円台の高値に買われた経緯があり、2ケタ増収増益路線を続けるなか見直しのタイミングは近そうだ。

 GMOクラウド <3788> は2日現在で6日続落、下落途上にあるが、下げ止まる場面を注意深く見守り、売りが枯れた段階で買い出動すれば望外の戻りに遭遇するケースもありそうだ。1-6月期の経常利益はほぼ倍増、市場の期待のハードルが高すぎた嫌いがあり、そのぶん下げもきつくなった。その社名の示す通り、クラウドのサーバー管理を手掛け電子認証にも展開する。クラウド市場の急成長に伴い、価格競争は不可避ながらビジネスのパイが膨らんでいる。電子認証についてもIoT時代の到来で先行き一段と商機が高まる。

 マーベラス <7844> は7月31日取引時間中の決算発表が、下げ基調にあった株価をさらに加速させる格好となった。4-6月期の経常利益伸び率は7割を超えるが通期見通しに対する進捗率は微々たるもの。アニメ企画やゲームの製作販売という業態から業績見通しが立てにくく、短期スタンスでの対応が求められる銘柄だが、それでも時価PERは12倍台で相対的に割安感がある点は強み。信用取組も良好で日証金では株不足の状態にある。

◆好決算急落株にチャンスあり 華麗なる逆転買いで光放つ10銘柄◆

                   経常利益      裏切りの
銘柄 <コード>     発表日  決算期 伸び率  株価  下落インパクト
日立金 <5486>     7/27   1Q  45.2   1536   ↓↓↓
三菱鉛筆 <7976>    7/27   2Q  20.9   3005   ↓↓
ソフトブレン <4779>  7/28   2Q   7.4    421   ↓↓↓
冶金工 <5480>     7/28   1Q   8.7倍   218   ↓↓
島精機 <6222>     7/28   1Q   4.2倍  5480   ↓

イトーキ <7972>    7/28   2Q  23.2    868   ↓↓
テクノスJ <3666>   7/31   1Q  14.3   1033   ↓↓
GMOクラウ <3788>  7/31   2Q  97.6   3475   ↓↓
扶桑化学 <4368>    7/31   1Q  21.3   3360   ↓↓↓
マーベラス <7844>   7/31   1Q  73.4   1041   ↓↓

※株価は2日終値、下落インパクトは↓↓↓が最大(それだけ上値の伸びしろ大)。
 (単位:%、円)。


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