貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5201 AGC

東証P
5,668円
前日比
-47
-0.82%
PTS
5,672円
21:53 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.7 0.83 3.71 3.44
時価総額 12,324億円
比較される銘柄
板硝子, 
日電硝, 
ガイシ
決算発表予定日

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JBR Research Memo(2):「困っている人を助ける!」が経営理念


■事業概要

ジャパンベストレスキューシステム<2453>は生活に関わる様々なトラブルを解決するサービスを主たる事業として行っており、各事業の内容は以下のとおりとなる。

1. コールセンター事業
コールセンター事業では、住宅の鍵交換や水回り、ガラス、パソコン等のトラブル、害虫駆除、庭の手入れ、リフォーム等の生活全般にわたる困りごとに関して、会員以外の一般顧客から入ってくる依頼をコールセンターで受け付け(24時間365日稼働)、依頼内容に応じて加盟店や協力店に作業手配を行うサービスで、生活救急車サービスのブランド名で展開している。各作業の標準的な価格は、鍵のシリンダー交換や水回り、ガラス交換等のサービスで約2万円、パソコンの緊急トラブル(インターネット接続不良)対応で約1.8万円等となる。売上高に占める比率では鍵関連のサービスが全体の約6割を占めている。同社の売上高としては、加盟店・協力店から作業代金の約30%を紹介手数料として計上する格好となる。

同事業を拡大していくためには、入電件数を増やすための認知度向上に向けたマーケティング施策(タウンページ、インターネット、チラシ、その他広告等)の強化と、実際の作業を行う加盟店・協力店を拡大していくことがポイントとなる。特に、加盟店・協力店は同社のサービスを支える重要な経営基盤となる。2017年3月末時点の加盟店は490店舗、協力店は1,780店舗となっており、加盟店が前期末比で45店舗減少しているが、これは2016年10月に鍵のトラブル解決サービスを展開する加盟店の1社であったジャパンロックレスキューサービス(株)(以下、JLR)を子会社化し、その後吸収合併したことによるもので実質的には前期末比で横ばい水準だったと見られる。

2. 会員事業
会員事業は、会員向けに生活トラブル全般の解決サービスを提供する事業で、入会金や年会費等を事前に支払うことで、会員は当該トラブルが発生した時に一般料金よりも低価格、または無料でサービスを受けることができる。

現在の主力サービスは賃貸及び分譲住宅入居者向けの「安心入居サポート」で、同事業売上高の約6割を占めている。サービスメニューとしては入居時の暮らし相談サポートや入居中の生活トラブルを解決・サポートするサービスがある。大手賃貸不動産会社等と販売代理店契約を結ぶことで、契約件数を拡大している。会費は2年契約タイプのもので約1.5万円となり、うち約6割を同社の売上高として契約時に一括計上している。また、契約形態として月額会員サービスもあり、2016年9月末時点で約4割が月額会員で占められている。

月額サービスではあるが、実際の資金の流れとしては契約時に2年分一括して会員から料金を徴収しており、バランスシートでは長期前受収益として計上、売上高としては月に約625円ずつ分割で計上していくことになる。一方、代理店への手数料支払いについては契約月に一括して支払い、費用も同額分計上するため、会計上は開始1ヶ月目は赤字の計算となる(1ヶ月目の売上高約625円に対して、費用は6千円)。同社では、2018年9月までに契約形態をすべて月額会員サービスに切り替えていく方針となっている。

その他の会員サービスとしては、全国大学生活協同組合連合会と提携した大学生向けの「学生生活110番」(4年間9,250円、うち約7割が同社売上高)、家電製品や住設機器などのメーカー保証期間終了後のサポートを行う「あんしん修理サポート」(5年・8年・10年間保証で7,000円~33,000円、うち約8割が同社売上高)のほか、携帯電話ユーザー向けの修理代金等のサポートサービス、インターネット回線取次サービスなどがある。また、不採算となっているサービスについての見直しも進めており、生活会員の有効会員数(入会・更新・継続含む)合計は、2017年3月末で前期末比29千人増の2,063千人となっている。

なお、会員事業では入会時に顧客から会費を徴収し、作業依頼を受けた場合は入会時の条件に基づいて、無料または割引価格で加盟店・協力店の手配を行っており、発生した作業代金や作業代金と割引価格との差額は同社の負担となっている。このため自然災害の発生等により想定以上に作業件数が増加した場合は、同社の費用負担が増加し収益性が低下することになる。

3. 企業提携事業
企業提携事業は、包括提携事業とコールセンター受託事業とに分けられる。包括提携事業とは、提携企業の顧客に対して、生活トラブル解決サービスを提供する事業となる。現在は、旭硝子<5201>との提携によるガラスのトラブル解決事業、LIXILグループ<5938>との提携による水回りのトラブル解決事業、セコム<9735>との共同出資会社セコムウィン(株)による高性能防犯ガラスの取り付け施工事業を展開しているが、売上高の大半は水回りとガラスのトラブル解決サービスで占められている。

包括提携事業の収益モデルは、作業代金の100%を売上高に計上し、原則として80%程度を外注費として加盟店・協力店に支払っている。各作業の標準的な価格は、一般ガラス割替が約2万円、トイレの詰まり除去が約1.1万円などとなっている。なお、2018年9月期より売上計上基準を変更し、駆け付け事業と同様、加盟店・協力店からの紹介手数料を売上計上する方式に変更する予定となっており、見かけ上の売上高が減少する格好となる。影響額としては10億円強程度の減収要因になると見られるが、利益への影響はない。

一方、コールセンター受託事業とは、提携先企業に対するコールセンター代行サービス、及びカスタマーサポート代行業務の受託サービスとなる。その顧客からの入電を同社のコールセンターで代行して受け付け、必要であれば加盟店・協力店に出動要請の手配を行っている。不動産賃貸業やサービス、セキュリティ関連業など様々な業態の企業で同様の生活トラブル解決サービスが提供されており、入電・受付から出動要請までのコールセンター業務を同社が受託している。2017年3月末の提携先企業数は250社となっている。

コールセンター受託事業の収益モデルは、受託先企業から毎月定額で徴収する委託料のほか作業代金の100%を売上高として計上している。作業代金については受託企業から100%回収し、80%を加盟店・協力店に外注費として支払っている。同事業セグメントに占めるコールセンター受託事業の比率は2?3割程度となっている。

4. 加盟店事業
加盟店事業では、現場に出動しサービスを提供する加盟店・協力店の開発、及び管理業務を行っている。また、「生活救急車サービス」ブランド全体としての受注拡大のために加盟店より一部費用負担を受けて、プロモーション業務などを行っている。同社のグループの中ではマーケティング事業としての位置付けとなるため、損益上では赤字構造となっている。

5. 少額短期保険事業
連結子会社となるジャパン少額短期保険(株)の事業となる。主に賃貸住宅入居者向けに家財を補償する「新すまいRoom保険」や、自転車事故に備える保険「ちゃりぽ」などを提供している。賃貸住宅会社では入居者が賃貸契約する際に「安心入居サポート」と「新すまいRoom保険」を同時に薦めることができるため販売効率は高く、2008年10月に子会社化して以降、順調に事業規模を拡大している。また、少額短期保険の特徴を生かした新商品の開発も積極的に取り組んでおり、直近では「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士保険」がテレビで取り上げられたことを契機に脚光を浴びている。

6. リペア事業
2016年5月に(株)リペアワークスより譲受した事業で、住宅メーカー等の提携先企業から戸建・マンション等の床面や壁の補修作業の依頼を受け、補修サービスを提供する事業となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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