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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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5121 藤倉コンポジット

東証P
1,430円
前日比
0
0.00%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.7 0.92 4.90 12.66
時価総額 335億円
比較される銘柄
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ニッタ, 
住友ゴ
決算発表予定日

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明日の株式相場に向けて=中低位バリュー系材料株に照準

 きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が178円安の2万8995円と3日続落。日銀がETF購入手法について日経平均連動型を除外すると発表したことが、予想以上に全体相場のバランスを崩す要因となった。

 世界的な株高に乗って日経平均が3万円台の景色を普通に見るような状況になってから、果たして日銀のETF買いは必要なのかという議論、そして出口戦略に向けた思惑は当然出てくる。それについて日銀が言及することをマーケットはひそかに恐れていたわけだが、日銀のETF買いを自転車の補助輪に例えるならば、最近の東京市場はほとんどそれを必要としないで、純粋な2輪の状態で快走していたというのが実際のところである。押し目を拾いたくても日銀が拾ってしまうのはむしろ迷惑で、補助輪は邪魔というのがひとつのコンセンサスでもあった。結果として、ファーストリテイリング<9983>の急落は想定されたことだが、理屈に反しきょうはメガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>なども大幅に値を下げ前週末の終値を既に下回っている。

 つまりこれは日銀ショックとみるのはあくまで表向きで、本質は期末の機関投資家の決算対策売りに売り方の仕掛けが加わって演出された部分が大きい。現実問題、前日に日銀は今月5日以来となるETF砲を轟かせ501億円を買い入れている。今はテーパリングに向けた動きは匂わせたくないというのが日銀の胸の内のはず。投資家サイドは、押し目買いのチャンスを得ているが、その際どこに資金を振り向けるかは結構重要となってくる。

 “日銀ETFショック安”を契機に値がさグロース系の銘柄に不利なイメージがコンセンサスとして醸成されるなか、相対的に中低位株は追い風とは言わないまでも風向きが良くなっている。ポイントとなっているのは今期ではなく、来期業績回復のシナリオに乗る銘柄ということ。そしてバリュー系の銘柄、低PBR株の一角に復権の兆しがある。今のグロースからバリューへのシフトは長期的なトレンドになるとは思えないが、ワクチンの普及によって新型コロナウイルス収束が実現性を高め、それに比例して金利上昇に対するマーケットの関心が高まっている過程においては今の流れが基本的に続くと思われる。

 昨年来何度か取り上げてきた藤倉コンポジット<5121>は、派手な上昇パフォーマンスこそないが、年初から一貫した上値追いトレンドを形成している。依然としてPBRが0.5倍弱。前期実績比2円減配とはいえ今3月期年間配当12円を実施する会社が、解散価値の半値以下というのはさすがにまだ安いと判断される。空気電池や風力発電向け保護シートなど新エネ関連の材料も内包している。これに来期業績の回復シナリオが加われば、というのが現在流入している投資資金の言い分であろう。

 藤コンポもそうだが、自動車部品や部材など自動車周辺に位置する銘柄群は来期業績の回復シナリオに乗りやすい。自動車向けダイカスト大手のアーレスティ<5852>は今3月期大幅赤字を余儀なくされそうだが、来期は黒字転換が有力視される。無配ながらPBRは0.2倍ソコソコで解散価値の半値どころか5分の1であり、目先の押し目は買い向かって妙味がある。また、自動車生産回復でハイブリッド車(HV)向け水素吸蔵合金など電池材料の回復が期待される新日本電工<5563>も低PBRで株価は300円台と値ごろ感があり、電気自動車(EV)関連の穴株として光が当たる可能性がある。EV電池材料では関東電化工業<4047>も強い足でマークしておきたい。

 きょうは反動安に見舞われたが、ここ急速人気化していた海運株はコンテナ市況の高騰に加え、ばら積み船市況の急回復が追い風となっている。その収益環境が様変わりしている海運業界の恩恵を受けるのが、リース案件組成を手掛けるFPG<7148>。きょうは9日ぶりに反落しているが、前日まで7営業日連続で陽線が続いており、短期トレードではないファンド組み入れ系の実需買いが入っている感触がある。このほかでは、材料株素地が高くアフターコロナで恩恵の大きい国際チャート<3956>などにも目を配っておきたい。

 あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月20~21日分)、2月の企業向けサービス価格指数など。なお、ジャスダック市場にシキノハイテック<6614>、東証マザーズ市場にSharing Innovations<4178>が新規上場する。海外では、3月のユーロ圏PMI速報値、3月の米製造業PMI速報値、2月の米耐久財受注など。また、パウエルFRB議長が米上院で議会証言を行う。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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