貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5020 ENEOS

東証P
726.7円
前日比
-0.9
-0.12%
PTS
728.5円
23:51 03/28
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.1 0.71 3.03 2.83
時価総額 22,040億円
比較される銘柄
出光興産, 
コスモHD, 
INPEX

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「業績相場」は本当に来る? 来るならどうする!

大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第62回

① 金利とPER投資効果の動き
米10年債の金利の水準自体はまだ低いですが、底打ちから急騰の転換点はすでに過ぎています。

前述のように、過去の動きから金利の水準の高低は大きな問題ではないので、突発的な金利上昇に伴う低PER株の急激な織り込み具合は、後半から終盤にいると思われます。

仮に継続しても、年始からのような強烈なPER相場が継続するとは思えません。

② 業績相場のスキップ、または逆金融相場との並走の可能性
過去との比較でリーマンショック後も継続したPER主導相場比較するのも無理があります。コロナ禍での緩和規模はリーマン後の比ではありません。

ということは、足元では景気の完全な回復を見ずに緩和規模の縮小、つまり業績相場を短期で終えてスキップするか、それと並行しながら逆金融相場へと移行する可能性が高いと考えるべきです。そして逆金融相場における金利の上昇は、継続的なPERの投資効果にはつながりません。

③ コロナ前状態への急回復と、強い経済成長の継続は別問題
コロナ前の経済に戻ることを回復と呼ぶのは正しいとしても、それは経済成長とは別の話です。コロナ前の経済状況を振り返ると、米中摩擦の最中で日本政府は2018年10月に公式に景気後退入りを認定しています。

一気にコロナのマイナス部分が解消されて元に戻っても、それが継続的な経済の成長期待へとつながるかは別問題です。

④ パラダイムシフトでグロース株のPERが維持される可能性
これは定性的な議論ですが、コロナ禍を経てパラダイムシフトが発生したことも考慮せねばなりません。コロナによって、従来のような物理的な移動を伴いリモートで完結する社会構造が育まれてきまた。これらの利便性や有用性が、ワクチンの普及で一気に失われるとはいえません。

また製造業、金融、資源などの景気敏感業種はコロナで失った需要の穴埋めによって短期的にリバーサルを起こすのは当然ですが、さらなる需要増が持続するのかは慎重に見る必要があるかもしれません。たとえば、不景気下でも株高による資産効果ですでに富裕層を中心に耐久財や高級品が飛ぶように売れ、住宅の販売も急回復しています。

とすれば、コロナ禍で良好なパフォーマンスを発揮してきたテックやサービスなどのPERが、今後も大きく修正されない可能性が出てきます(医療などのコロナに直結する銘柄は除く)。

バリュー、グロースの判断はPERの数値ではない

以上をまとめると、今までのように金利や景気の回復期待、業績期待に基づいて低PER株が主導する業績相場が中長期的到来すると考えるのはリスクが大きいということです。

では結局どうすればいいのかということになりますが、重要な点は

・割安、割高は意識するな
・低PER株≠バリュー、高PER≠グロース

――ということです。

これは以前から筆者が繰り返し主張していることで、特に後者については、PERが低いことは出遅れ放置株という以上の投資魅力度はないうえ、業績の成長が貧弱なために分母が減少して割高化する銘柄も数多く存在します。

そのため、値付けが高いか低いかはひとまず考えず、「強い利益成長が見込まれる」という一点のみで銘柄を選定すべきです。

事実、強いPER投資効果が見られた過去3カ月間において、3カ月前時点で東証1部上場銘柄のうち予想EPS成長率が高かった上位20銘柄の株価リターンを計測すると、実に8割の16銘柄が日経平均株価及びTOPIXをアウトパフォームしていました。

また、PERも高低が混在しており、見る価値のない指標であるのがこの結果からも理解できます。業種も統一性がなく、まちまちです。

■予想EPS成長率が高い上位20銘柄の過去3カ月リターン
銘柄名<コード> 直近 3カ月前時点 業種
過去3カ月
リターン
12カ月先
予想EPS
成長率
12カ月先
予想PER
近鉄グループHD<9041> ▲5.0% 2313% 48.7倍 陸運業
トリドールHD<3397> 24.9% 2113% 31.6倍 小売業
船井電機<6839> 124.6% 1890% 18.0倍 電気機器
第一興商<7458> 20.3% 1419% 39.4倍 卸売業
ホットランド<3196> 13.1% 1219% 23.6倍 小売業
UACJ<5741> 35.3% 1176% 16.6倍 非鉄金属
住江織物<3501> 3.9% 1074% 40.7倍 繊維製品
ブリヂストン<5108> 29.9% 919% 12.0倍 ゴム製品
京成電鉄<9009> 10.6% 825% 29.5倍 陸運業
東海カーボン<5301> 45.7% 823% 19.5倍 ガラス・土石製品
くら寿司<2695> 38.4% 805% 25.3倍 小売業
東芝テック<6588> 13.5% 666% 26.6倍 電気機器
マネジメントS<7033> 3.4% 643% 60.9倍 サービス業
大同メタル工業<7245> 17.5% 458% 6.2倍 輸送用機器
DMG森精機<6141> 13.5% 450% 21.2倍 機械
ENEOSホールディングス<5020> 26.1% 449% 7.5倍 石油・石炭製品
ゴルフダイジェスト<3319> 45.9% 431% 24.6倍 小売業
ディー・エヌ・エー<2432> 22.1% 408% 13.9倍 サービス業
RPAホールディングス<6572> ▲0.8% 393% 80.2倍 サービス業
トレジャー・ファクトリー<3093> 56.3% 385% 18.2倍 小売業
日経平均株価 9.8% ―― ―― ――
TOPIX 8.8% ―― ―― ――

出所:データストリーム。注:▲はマイナス。銘柄名の一部は簡易表記。
母集団は東証1部銘柄。グレーの下地は、日経平均株価・TOPIXをアンダーパフォームの銘柄



以上から、割安・割高などは考えず、「成長性の高い銘柄に腰を据えて投資する」ことをブレずに貫くことが肝要ということです。

参考までに、現時点での12カ月先予想EPS成長率が高い銘柄のランキングを掲載しておきます。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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株探ニュース



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