リプロセル Research Memo(7):自己資本比率は90%以上と財務面でのリスクはない
■財務状況と株主還元策について
(1)財務状況
リプロセル<4978>の2016年3月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比373百万円増加の7,968百万円となった。期間損益は赤字となったものの、新株予約権の行使に伴い株式発行収入1,693百万円を得たことで、現預金・有価証券が491百万円増加したことが主因となっている。
一方、負債は買掛金や前受金の増加を主因として、前期末比191百万円増加の700百万円となった。また、純資産は当期純損失の計上に伴い、利益剰余金が2,046百万円減少したものの、株式発行に伴う資本金、資本剰余金の増加によって、前期末比182百万円増加の7,267百万円となった。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は90%以上となっており、手元キャッシュも5,408百万円と高水準となっていることから、当面は財務面でのリスクはないものと判断される。
(2)株主還元策
同社は設立以来、配当を実施しておらず、今後も再生医療分野の事業化に向けた研究開発費用等の資金需要が想定されることから、当面は内部留保の充実を最優先としている。今後、経営成績や財務状況が安定し、継続的な配当を行える内部留保が蓄積できた段階で、配当の実施を検討する方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ