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4967 小林製薬

東証P
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買うなら日本で―漢方薬“中国人買い”で市場拡大、恩恵受ける銘柄は <株探トップ特集>


―広がる需要で市場規模1968億円に、意外な企業の意外な取り組み―

 中国をルーツとする漢方薬だが、中国人消費者の間では「漢方薬を買うなら日本」という意見が広がりつつあるという。中国では薬の規制が緩く、安全性に不安があり、消費者は自国の製品を信頼していないが、日本製のものは規制が厳しく、成分表示などへの信頼が高いことから、関心が高まっているという。

 中国のインターネットサイトや観光ガイドでは、日本製の漢方薬・生薬製剤が多く紹介されており、日本を訪れる中国人観光客の間ではツムラ <4540> やクラシエホールディングス(東京都港区)、ロート製薬 <4527> など国内漢方薬大手の製品が人気。また、タバコや排気ガスなどによる気管支の炎症を改善する作用を持つ小林製薬 <4967> の「清肺湯ダスモック」が中国人による爆買いの対象となったのも記憶に新しい。インバウンド需要を追い風に市場の拡大が期待できる漢方薬関連には、注目が必要だ。

●「漢方」は日本独自のコンテンツ

 約1400年前に日本に伝わったとされる「漢方」だが、中国の「漢方」にあたる「中薬」とはもはや別物になっている。ルーツこそ同じだが、中国では薬が効くメカニズムを考え、観念的になっていったのに対して、日本では効果を重視しより実践的に向かっていったため、江戸時代には完全に枝分かれしたといわれている。現在の「漢方」は、いわば日本独自のコンテンツだ。

 中薬に関しては、11年に香港の衛生署が3種類の中薬で、基準値を大幅に上回るヒ素や水銀が含まれていたとして販売を禁止したが、同様のケースは多数ある。海外では中国から輸入された中薬の使用で肝臓や腎臓に障害が起きたケースも報告された。こうしたことを受けて、中国政府は昨年7月、中薬の普及を促進する「中医薬法」を施行し、原料の調達先の管理の徹底などを盛り込んだが、日本の品質管理には及ばないとの見方が強い。

●20年には2300億円市場へ

 その日本では近年、未病(病気ではないが健康でもない状態)の改善や、体はもちろん心の調整も可能であるとして、高齢者だけではなく若い人たちの間でも需要が拡大している。野村証券によると、2017年の日本の漢方薬市場は約1968億円で、05年の約1.7倍の規模まで拡大したという。

 医薬品であるため、2年に一度の薬価改定の影響で単価は下落しているものの、需要の拡大を背景に市場は順調に推移しており、ここ最近では年約5%のペースで成長している。このペースが継続すれば20年には約2300億円の市場が見込まれることになる。

 もっとも、9兆円を超える医療用医薬品市場全体から見ると、漢方薬のシェアは2%程度に過ぎず、さらなる市場拡大が期待されている分野でもある。

●圧倒的高シェア占めるツムラ

 国内の漢方薬市場で、8割強の圧倒的シェアを占めているのがツムラだが、同社が力を入れているのが、中国市場の開拓と生薬の国産化だ。2月14日には、17年3月期に数千万円規模だった中国事業の売上高を28年3月期に1700億円を目指すと発表した。昨年9月に資本・業務提携を結んだ中国平安保険グループと組んで製造・販売の拡大を図るほか、中国で分析研究センターを立ち上げ、高品質を打ち出せる生産体制を整える。

 一方、生薬の国産化は、拡大する国内市場への対応のほか、日本製漢方薬を求めるインバウンド需要へのアピールもあるようだ。現在、ツムラが調達する生薬のうち中国産は8割、日本産は15%前後となっている。ただ、国産生薬はここ10年で約4割増えており、同社ではこれを加速させるという。

●生薬国産化で鹿島などに注目

 生薬国産化の動きは他社にも広がっており、龍角散(東京都千代田区)がのど薬に使用するキキョウを中国産から秋田県産に切り替え始めたのは、テレビでも紹介されよく知られるところだ。また、武田薬品工業 <4502> 子会社の武田コンシューマヘルスケアもカンゾウを中国産から国産に切り替え始め、養命酒製造 <2540> も生薬の国内生産拡大に取り組んでいる。

 こうした製薬サイドの動きを受けて、生薬の栽培事業に乗り出す企業も広がりつつある。

 鹿島建設 <1812> では、10年、漢方薬の主要原料であるカンゾウの水耕栽培システムの開発に成功した。現在は商業生産に向けて、顧客に小規模スケールから開始する実証栽培試験の提案を行っているという。

●東洋紡は植物工場で薬用植物栽培の研究開始

 東洋紡 <3101> は昨年7月、約2000種類に及ぶ薬用植物を栽培する国内トップクラスの薬用植物園を持つ富山大学と、薬用植物の栽培技術に関する契約を締結したと発表した。栽培研究は同社の富山事業所内にある完全閉鎖型植物工場で行う予定で、同大指導のもと、薬用植物の安定供給に向けた研究が進められる。

 また、王子ホールディングス <3861> は、カンゾウを一般的な栽培期間の半分以下の2年で収穫できる技術を確立し、高級化粧品への実用化なども進めている。さらに、日本製紙 <3863> も12年12月に薬用植物市場への本格参入を開始しており、こうした企業も漢方薬市場の拡大の恩恵を受けそうだ。

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