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4820 イーエムシステムズ

東証P
631円
前日比
-36
-5.40%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.6 2.17 2.22 29.52
時価総額 470億円
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決算発表予定日

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EMシステムズ Research Memo(5):経営環境に対応し、権限と責任を明確にするために組織変更を実施


■業績動向

(4) 2017年3月期会社計画

新しい中期経営計画の初年度である2017年3月期は、売上高で同5.3%増の13,900百万円、営業利益で同10.1%増の2,050百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同3.6%増の1,680百万円と、増収・増益を見込む会社計画となっている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の伸びが低いのは前期にあった投資有価証券売却益の特別利益を見込まないことが主要因。

業績拡大を予想するのは、2016年4月の調剤報酬改定がEMシステムズ<4820>ユーザーである調剤薬局にとってネガティブな内容とならなかったこと、調剤システムで前下期にOEM供給の拡大やコスモシステムズ(株)の「ぶんぎょうめいと」のリプレースが加速した売上拡大のトレンドが継続すると見込まれること、電子薬歴対応の受注好調が続くと予想されること、新たなビジネスとして医療(医科・調剤)と介護の連携を推進すべく、介護事業者向けシステムの開発販売に本格参入する予定であること、などによる。

なお、同社では変動する経営環境に対応し、権限と責任を明確にすることを目的として2016年4月1日付で、従来の5本部制(開発本部、営業本部、チェーン薬局本部、ヘルスケア本部及び医療情報連携推進本部)を再編し、調剤システム事業部、医科システム事業部、医療介護連携事業部及び営業・サービス事業部の4事業部を新設する組織変更を行った。

新たなビジネスである介護事業者向けシステムの開発、販売に関しては、政府が2025年を目途に「地域包括ケアシステム」の構築を推進するなかで、その支援ツールとして診療所・薬局・介護サービス事業者向けに提供する「医療介護連携ソリューション」の販売(今年10月)、及び現在販売している介護保険請求ソフト「ユニケア・ネオ2」を刷新したASP型の介護保険請求ソフト「ユニケア・クラウド(仮称)」の販売(今年8月)を開始する予定となっている。同社によると、ユーザーである調剤薬局が介護施設を運営しているケースが多く、対象となる施設は12万施設程度あると見ている。

新製品を具体的に見ると、「医療介護連携ソリューション」の特長は、1)医療・介護間での情報共有機能(タイムライン表示での申し送り機能、フェースシートの共有、文書画像の共有、訪問スケジュールの共有)、2)同社のデータセンターを使ったクラウドサービス、3)同社の調剤薬局向けレセプトコンピュータシステム「Recepty NEXT」、無床診療所向け電子カルテ「MRN(Medical Recepty NEXT)」と、介護サービス事業者向け「ユニケア・クラウド(仮称)」とのシームレスな連携の3点。

一方、「ユニケア・クラウド(仮称)」については、1)同社のデータセンターを使ったASP型介護保険請求ソフト、2)医療介護連携ソリューションとのシームレスな連携、といった特長がある。価格は、「医療介護連携ソリューション」は「Recepty NEXT」「MRN」「ユニケア・クラウド(仮称)」に標準搭載されるため無償であるのに対して、「ユニケア・クラウド(仮称)」は初期費用20,000円、月額利用料5,000円/1サービス(税別)となっている。

弊社では、2017年3月期業績については、調剤システムの次世代製品開発について、システムの内容、投資規模など不透明な要素があるものの、2016年4月の調剤報酬改定が調剤薬局にマイナスな内容とならなかったことで、前期下期の売上拡大トレンドが継続する可能性が高いことから、会社計画は保守的であると見ている。一方、今年度から本格参入する介護ビジネスと医療介護情報連携については、プレマーケティングでの手応えが良好であることや、将来的に同社のデータセンタービジネスの中核的な役割を担うことになると考えられるため、今後の立ち上がり状況を注目する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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