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4812 電通総研

東証P
4,930円
前日比
-50
-1.00%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.4 3.87 2.19 17.82
時価総額 3,214億円
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C&GSYS Research Memo(6):中長期事業方針は継続


■中長期の成長戦略

C&Gシステムズ<6633>は、2015年から2020年までの中長期事業方針を発表し、その数値目標として、「2015年12月期から2020年12月期の売上高年平均成長率5%」、「2020年12月期の経常利益率20%」、「2020年12月期のROE15%以上」を掲げていた。しかしその間に同社を取り巻く業界環境は大きく変化したことから、2020年の初頭に2025年12月期を最終年度とする新しい中長期事業方針を発表した。その後、前述のようにコロナが拡大し、その影響を受け足元の業績は足踏み状態となっているが、現時点ではこの事業方針は変えておらず今後も継続して以下のような施策を進めていく予定だ。

● 現在の中長期事業方針の概要
(1) 既存事業の維持拡張
(2) 金型隣接市場向け製品開発(部品加工)
(3) CAMのマルチプラットフォーム化拡大
(4) ASEAN強化&海外向け製品開発
(5) 金型・部品製造用生産管理システム開発強化(「AIQ」の拡充)
(6) 同時5軸AM対応のハイブリッドCAM(CAM-TOOL AM)開発

(1) 既存事業の維持拡張:持続的成長への経営基盤を確立する
営業体制の強化においては、日本及び海外の日系企業を中心に展開を図る。基本的には現在の推進体制を継続し、シェアの更なる拡大、保守契約率の維持・向上を目指す。

(2) 金型隣接市場向け製品開発:部品加工市場向け製品展開
金型加工で培った高精度なCAD/CAM資産を部品加工市場へ投入する。CAD/CAM事業領域を試作市場から金型市場、部品加工市場、量産市場などの新規市場へ展開する。既に主力製品である「Parts CAM」を2020年2月から本格販売しているが、今後は代理店向け勉強会等(オンライン含む)を継続して実施、2021年12月期以降の販売に向けた体制を強化する。

(3) CAMのマルチプラットフォーム化拡大
同社の「CAM-TOOL」が米国シーメンス デジタルインダストリーズソフトウェア社「NX」に搭載されている。「NX」は既に世界の主要自動車メーカー・サプライヤーの基幹CADとして採用されており、TIER1部品メーカーも追随し利用が拡大する見込みだ。この「NX」に同社の「CAM-TOOL」を搭載し「CAM-TOOL for NX」として上市した。既存の「NX CAM」の機能を同社製の「CAM-TOOL」が補完することになり、ユーザーは製品設計から金型加工まで統合された最適なシステム環境を構築することが可能となった。2020年1月より電通国際情報サービス<4812>を販売代理店として国内販売を開始しており、今後は大手製品メーカーへの導入を狙う。海外向けは2020年下期より販売網整備開始予定であったが、コロナの影響でストップ。コロナが収束次第本格展開を図る予定だ。

(4) ASEAN強化&海外向け製品開発
海外展開では、タイ子会社をASEAN圏の販売サポート中核拠点と位置付け、新規ローカル代理店の開拓を進めているが、当面はASEAN(主にベトナム、インド)で新規代理店を開拓していく。また海外向け製品としては、熟練工不在でも運用が可能で、さらに現地代理店が容易に販売できる「CAM-TOOL ES」を投入し、2020年から販売を本格化している。「ES」とは「イージー アンド スマート」の略で、自動化ニーズに対応した「簡単オペレーション&加工スキルの平準化」を目的としたシステムとなっている。これにより人件費高騰で技術者の確保が難しいアジア圏での販売増を目指す。さらに将来的には、既述の「CAM-TOOL for NX」を、アジア市場においても販売開始する予定だ。

(5) 金型・部品製造用生産管理システム開発強化(「AIQ」の拡充)
以前よりIoT関連事業として紹介してきた金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ(アイク)」を、新たな収益の柱として製品強化していく。紙ベースで行っていた製造工程管理をデジタル化するニーズは強く、同社の「AIQ(アイク)」は、そういった要望に応えるべくIoTを活用して各種データや工程状況をデジタルデータ化してシステム上で活用するものだ。製造業におけるIoT活用が注目されるなか、「AIQ(アイク)」は金型・部品製造の工程管理をスマート化する同社独自のソリューションとして注目されている。同社では更なる顧客満足のために、今後は工程管理から生産管理システムへと発展させ、金型製造業以外にも市場を拡大していく計画だ。

具体的な施策としては、管理対象項目拡張等の現行機能の拡充及び、オプション機能追加に向けた研究開発を継続、さらにオンラインを活用した営業活動を積極的に実施する。また国内外ともに技術代理店の拡充を強化する。

(6) 同時5軸AM対応のハイブリッドCAM開発
同社は、既に金属または樹脂によるAM(Additive Manufacturing=積層造形)機能を搭載した同時5軸制御対応のハイブリッドCAMシステム「CAM-TOOL AM」をリリースしている。同製品は、「積層と切削の組み合わせ×同時5軸の自由度の高い加工工程設計」により様々な複雑な加工を可能にしたが、現在までに国内工作機械メーカー4社のAM複合加工機に対応している。AM市場はハード、ソフトともに普及期の前段階であるため本格的な拡販はまだ先になるだろうが、2020年には研究機関等での導入が実現したが、今後もAM複合加工機メーカーとの協力体制を図り、市場へのAM啓蒙活動を推進していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《ST》

 提供:フィスコ

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