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4783 NCD

東証S
1,784円
前日比
+43
+2.47%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.8 2.47 2.80 27.15
時価総額 157億円
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決算発表予定日

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日ダイナミク Research Memo(3):プロジェクト管理・品質管理を徹底して不採算化防止


■日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の事業概要

4. 収益特性・リスク要因と対策
収益特性・リスク要因として、システム開発事業は大型案件などの受注動向や、個別案件ごとの採算性によって売上や利益が変動する可能性がある。サポート&サービス事業は個別案件ごとの採算性、パーキングシステム事業は入札案件の結果などによって売上や利益が変動する可能性がある。またシステム開発事業は企業のIT投資予算の執行時期との関係で、年度末にあたる第4四半期(1月-3月)の構成比が高い季節要因がある。

一方で、サポート&サービス事業は継続受託案件の積み上げによって、パーキングシステム事業は管理現場数・管理台数の積み上げによって、いずれもストック収益型ビジネスとなる。

収益特性・リスク要因への対策として、システム開発事業とサポート&サービス事業の個別案件ごとの採算性に関しては、政策的・戦略的に低採算でも受注する案件もあるが、通常は受注委員会において見積段階から採算をチェックするとともに、受注後も月1回の審議会においてプロジェクト進捗・品質管理状況を厳重にチェックするなど、プロジェクト管理・品質管理を徹底して不採算化防止・採算維持に取り組んでいる。また全社ベースの取り組みとして業務プロセス改善による効率化を推進している。

2018年3月期のセグメント別売上高の構成比は、システム開発事業35.3%、サポート&サービス事業27.9%、パーキングシステム事業36.6%、その他0.2%である。

過去4期(2015年3月期-2018年3月期)の推移で見ると、ストック収益型ビジネスのサポート&サービス事業とパーキングシステム事業が、売上高の拡大とともに、売上高構成比も上昇している。一方で、大型案件によって売上変動しやすいシステム開発事業は、売上高構成比が低下傾向だが、金額は50億円台で堅調に推移している。

2018年3月期のセグメント別営業利益の構成比(連結調整前)は、システム開発事業33.2%、サポート&サービス事業16.1%、パーキングシステム事業55.9%、その他-5.3%である。パーキングシステム事業が利益の柱に成長している。

過去4期(2015年3月期-2018年3月期)の推移で見ると、システム開発事業とサポート&サービス事業の採算性が向上したため、パーキングシステム事業は営業利益構成比が低下する形になったが、金額は順調に拡大している。

売上高営業利益率の過去4期(2015年3月期-2018年3月期)の推移を見ると、システム開発事業は変動が激しいが、プロジェクト管理・品質管理徹底の効果で2018年3月期の売上高営業利益率は大幅に向上した。

サポート&サービス事業は、2016年3月期と2017年3月期の営業利益率が低水準だったが、これは2016年3月期に受注した他社構築システムのサポート&サービス受託案件にかかる先行投資という一時的要因によるものであり、2018年3月期には先行投資の回収が進展して安定収益化したため、全体の利益率も大幅に改善した。

またパーキングシステム事業の売上高営業利益率は2018年3月期に15.6%まで上昇した。大型案件も寄与したが、管理現場数・管理台数の積み上げによって一段と高採算化している。

■業績動向

1. 2018年3月期連結業績概要
日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の2018年5月15日発表の2018年3月期連結業績は、売上高が前期比5.4%増の16,237百万円、営業利益が同125.7%増の783百万円、経常利益が同142.1%増の807百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同111.2%増の526百万円だった。

計画値(2017年10月27日に利益を上方修正、売上高16,000百万円、営業利益780百万円、経常利益790百万円、親会社株主に帰属する当期純利益510百万円)との比較では、売上高は237百万円、営業利益は3百万円、経常利益は17百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は16百万円、それぞれ上回った。

企業のIT投資が高水準に推移したことに加えて、重点戦略として取り組んでいる業務プロセス改善による収益性向上に向けた諸施策の効果が全セグメントにおいて発現し、計画超の増収・大幅増益だった。システム開発事業とサポート&サービス事業は採算性が向上し、パーキングシステム事業も順調に拡大・高採算化した。

営業利益率は4.8%で前期比2.5ポイント上昇した。売上総利益率が16.5%と同2.7ポイント上昇した一方で、販管費率は11.7%で同0.1ポイント上昇にとどまった。業務プロセス改善の取り組み強化も奏功した。経常利益率は5.0%で同2.8ポイント上昇した。営業外収益で補助金収入が12百万円増加した一方で、営業外費用では自己株式取得費用17百万円が一巡した。親会社株主に帰属する当期純利益率は3.2%で同1.6ポイント上昇した。

セグメント別の動向は以下のとおりである。

システム開発事業は、売上高が前期比1.2%増の5,738百万円で、営業利益が同41.2%増の549百万円だった。売上面では営業体制強化などの施策が奏功して、案件獲得が順調だった。利益面では、プロジェクト進捗管理活動や品質管理強化活動の成果で、プロジェクト採算性が大幅に向上した。

サポート&サービス事業は、売上高が前期比5.0%増の4,524百万円で、営業利益が同109.5%増の267百万円だった。受託案件の順調な積み上げに加えて、2016年3月期に受注した他社構築システムのサポート&サービス受託案件に係る先行投資の回収が進展して安定収益化したため、全体の利益率も大幅に改善した。

パーキングシステム事業は、売上高が前期比10.3%増の5,948百万円で、営業利益が同24.2%増の925百万円だった。売上面では自治体向け機器販売の大型案件を獲得し、駐輪場利用料収入も堅調だった。管理現場数・管理台数の着実な積み上げに加えて、業務効率化も寄与して一段と高採算化した。


自己資本比率が上昇して財務改善
2. 財務概要
財務面で見ると、2018年3月期末の総資産は前期末比219百万円増加して11,070百万円となった。建物及び構築物などの増加による。負債は同318百万円減少して7,981百万円となった。固定負債で主にリース債務と退職給付に係る負債が減少した。

純資産は前期末比538百万円増加して3,089百万円、自己資本比率は同4.3ポイント上昇して27.8%となった。当期純利益の積み上げによって純資産が順調に増加し、自己資本比率が上昇して財務面の改善も進展している。またROE(自己資本当期純利益率)は前期比8.9ポイント上昇して18.7%となった。資本効率が一段と高まった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

《TN》

 提供:フィスコ

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