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スカラ Research Memo(1):中期経営計画を策定、10年後に売上収益5,000億円を目指す


■要約

スカラ<4845>は、企業のWebサイト内で利用する検索サービスやFAQサービス等の大手で、ストック型ビジネスモデルであるSaaS/ASP※1事業を中心に展開し、M&A戦略によって事業領域を拡大しながら成長を続けている。2016年7月に営業支援ソフト大手のソフトブレーン<4779>を子会社化したほか、2017年8月にECサイト運営会社の(株)plube、2018年3月に光通信<9435>グループのコールセンター向けカスタマーサポートコンサルティングを行う(株)レオコネクト、2018年11月にクラウドPBXサービス※2を提供する(株)コネクトエージェンシーを相次いで子会社化している。なお、同社は国際会計基準のIFRSを採用している。

※1 アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客に提供するサービス。
※2 IP電話サービスで、通話1秒ごとに通話料金が発生するサービス設計となっており、一般的な3分課金と比較して、アウトバウンドコール等の極めて短時間の通話を多く行う企業等にとってはコストメリットのあるサービスとなる。


1. 2019年6月期の業績概要
2019年6月期の連結業績は、売上収益で前期比33.4%増の17,112百万円、営業利益で同39.2%増の2,153百万円といずれも会社計画(売上収益16,600百万円、営業利益2,000百万円)を上回る好調な決算となった。主力のSaaS/ASP事業や子会社のソフトブレーンで展開するSFA事業を中心にすべての事業セグメントで増収増益を達成した。2018年に光通信グループのレオコネクトやコネクトエージェンシーを子会社化したことに伴うシナジー効果(新規顧客獲得等)が出ているほか、SFA事業に関しては企業の「働き方改革」への取り組みが活発化するなかで、営業部門の生産向上ツールとして「eセールスマネージャー」の需要が好調に推移したことが好業績につながった。

2. 2020年6月期の業績見通し
2020年6月期の業績見通しについては、今後注力する新規事業による影響が大きいため、会社側では開示していない。ただし、既存事業だけで見ると売上収益は前期比16.9%増の20,000百万円、営業利益は同11.4%増の2,400百万円を見込んでいる。SaaS/ASP事業は「i-ask」等の月額固定売上の積み上げに加えて、新サービスであるWebチャットシステム「i-livechat」やWebチャットボットシステム「i-assist」、デジタルギフトサービス「i-gift」等の新規導入やクロスセルの効果により2ケタ増収が続く見通し。また、カスタマーサポート事業では新たに開発を進めているクラウド型基幹システムの導入が予定されており、収益貢献が見込まれている。その他、ソフトブレーンで展開するSFA事業やフィールドマーケティング事業についても成長が続く見通しとなっている。

3. 中期経営計画について
同社は2019年8月に新たな中期経営計画を発表した。同社が持つ3つのケイパビリティ(真の課題を探り出す力、リソースの埋もれた価値を炙り出す力、課題とリソースの最適な組み合わせを提案・実行し価値を最大化する力)を人材、知財、資金など外部リソースも最大限活用しながら、価値創造経営支援事業、IT/AI/IoT関連事業(既存事業)、社会問題解決型事業と3つの分野で展開していく計画となっている。経営数値目標として2025年6月期に売上収益1,000億円、営業利益100億円、2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を掲げた。価値創造経営支援事業では経営コンサルティング等のノウハウが必要となるため、新たに(株)スカラパートナーズを設立し、外部パートナー(スペシャリスト)によるネットワークを構築し、事業を拡大していく戦略となっている。なお、事業拡大に必要となる資金に関しては借入金や社債発行のほか、ファンド組成で調達する資金等で充当していく方針となっている。

■Key Points
・企業のCRM分野におけるSaaS/ASPサービスが主力事業、M&A戦略によって事業領域を拡大中
・2020年6月期の業績見通しは非開示だが、既存事業は2ケタ増収増益が続く見通し
・中期経営計画を策定、2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を目標に掲げる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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