貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4755 楽天グループ

東証P
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23:58 04/23
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時価総額 16,234億円
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決算発表予定日

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ラクーン Research Memo(2):「SD export」サービスを2015年8月より開始


■事業概要

ラクーン<3031>の事業セグメントは、EC事業とPaid事業、子会社化のT&Gが手掛ける売掛債権保証事業の3事業で構成されている。「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念に、各事業間でのシナジー効果、またはリソースの共有を意識した事業展開を進めている。2016年4月期第2四半期累計のセグメント別売上高構成比で見ると、EC事業が71.8%、Paid事業が7.2%、売掛債権保証事業が21.0%となっている。

(1) EC事業

BtoBのeコマース関連サービスを展開しているEC事業では同社の主力サービスである「スーパーデリバリー」と、2014年3月よりサービスを開始した「COREC(コレック)」、2015年8月よりサービスを開始した「スーパーデリバリー」の輸出版である「SD export」がある。

○スーパーデリバリー
「スーパーデリバリー」は、主にアパレル・雑貨メーカーと小売店をインターネットでつなぐ卸・仕入れサイトで、2015年10月末時点の会員小売店舗数は47,634店舗、出展企業数は1,085社、商材掲載数は509,334点となっており、BtoBに特化した専門サイトとしては日本最大級となる。

会員小売店は同サイトを利用することにより、距離的な問題で今まで仕入れる機会がなかったサプライヤーとの取引が可能となり、また、出展企業(メーカー・卸業者)にとっても、新規取引先開拓にかかる営業費用や販売代金回収のためのコストを、同サイトを利用することによって削減できるメリットがある。

「スーパーデリバリー」のビジネスモデルは会員小売店、出展企業の両者から利用料金を徴収するバランスのとれた構造となっている。安定収入としては出展企業から出展基本料(月額4万円)、会員小売店から小売店月会費(月額2千円)をそれぞれ徴収している。また、変動収入として、出展企業から会員小売店に卸した商品代金の10%をシステム利用料として徴収している。実際のモノの流れとしては、出展企業が直接会員小売店に商品を発送するため、同社は介在しない。

競合状況について見ると、アパレル分野のBtoBの卸サイトとしては、楽天<4755>やオークファン<3674>などが自社サービスの一部としてBtoB用のメニューを立ち上げているが、これらサービスの出展企業や会員小売店の属性は多岐にわたっており、サイトのコンセプトそのものが異なっている。このため、同社では既存の卸売企業を競合先として位置付けている。

また、同社は「スーパーデリバリー」の輸出版である「SD export」のサービスを2015年8月より開始している。海外からの購入を希望する小売店が年々増加してきたこと、また、国内の中小メーカーで輸出販売を煩雑な手続きなく行いたいといったニーズが高まってきたことを受け、新たに専用サイトとして立ち上げた。システム利用料は「スーパーデリバリー」と同じく卸販売額の10%となり、出展企業も月額4万円の基本料を徴収するが(スーパーデリバリーに出展済みの企業は無料)、会員小売店の月額会費は無料となっている。また、現時点では英語表示のみとなっている。

○COREC
2014年3月よりサービスを開始した「COREC」とは、企業間取引に必要な発注書や見積書をインターネット上で送受信し一元管理できる、クラウド型の受発注ツール提供サービスとなる。現状、7割以上の企業が受発注の手段として、FAXやメールなど複数の通信手段を取引先ごとに使い分けながら行っており、非常に煩雑な作業となっている。こうした受発注処理業務の効率化、及びコストの削減に寄与するサービスとして「COREC」が開発された。

バイヤー側から見ると、従来は取引先ごとに異なる手段で発注作業を行っていたものが、「COREC」を使うことですべての発注処理をWeb上で行うことが可能となり、取引先ごとにあらかじめ設定した手段で発注書が送信されるシステム(「COREC」を利用していない取引先はFAX、メールで送信)となっている。このため、取引先が「COREC」の会員でなくても利用可能であり、使い勝手の良さが特徴となっている。

「COREC」のもう1つの特徴は、会員が自己増殖的に増える仕掛けを作ったことにある。具体的には、会員であるバイヤーの発注書に「COREC」の広告が付いているため、非会員の取引先に「COREC」のサービス認知が進むほか、会員サプライヤーからバイヤーに送信する受注フォームにも「COREC」の広告が付いており、同様に認知度が広がる仕組みとなっている。このため、広告費を大きくかける必要もなく、自己増殖的に会員数が拡大していくことが期待できる。

当初は無料サービスで会員を増やしていく戦略で(2014年9月より一部、有料サービスも開始)、2015年10月末時点の会員数は3,815社と順調に拡大している。会員は「スーパーデリバリー」の会員以外で大半を占めており、バイヤーとサプライヤーの比率は6:4となっている。なお、「COREC」の仕組みに関して同社でビジネスモデル特許を申請中である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《RT》

 提供:フィスコ

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