貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

4751 サイバーエージェント

東証P
1,009.5円
前日比
+8.0
+0.80%
PTS
1,003円
20:41 04/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
63.9 3.79 1.49 5.36
時価総額 5,111億円
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

“偽王者”降臨は追い風、ニッポン「eスポーツ」本格化元年へ <株探トップ特集>


―拡大する世界市場、サイバーやカヤックなど開催にも力―

 先日、群馬県太田市役所の臨時職員の男性が、フランスのパリで開催されたゲーム大会で優勝したと記者会見した。大手新聞も報じたこのニュースは後日、虚偽だったことが判明したが、世間が驚いたのは、こうしたゲームの国際的な大会があるということではないだろうか。このようなゲームが競技化されたものは「eスポーツ」(エレクトロニック・スポーツの略、以下eスポーツ)と呼ばれ、その優勝賞金は日本円で数億円に上るものまである。日本はまだ市場が未成熟だが、アジアや北米、欧州では既に市民権を獲得、世界市場の規模は数百億円に達するとされていることから、今後、株式市場でも大きなテーマとなりそうだ。

●国家がeスポーツを支援

 eスポーツは、格闘、シューティング、戦略などの対人ゲームが競技化されたもので、コンピュータ―ゲームやビデオゲームで行われる競技のこと。

 日本での認知度はまだ低く、eスポーツの大会が行われても小規模なものが多いが、海外では既に“スポーツ”として認知されており、OCA(アジアオリンピック評議会)が主催する「アジアインドアゲームズ」では、2007年から正式種目として採用している。

 特に、eスポーツの盛んな中国では、国家体育総局が03年にeスポーツを「99番目の正式体育種目」として指定し、強化を図っている。また、韓国では空軍の中にeスポーツのプロチームが存在しており、国による支援も行われている。

●数十億円を稼ぐトッププレーヤーも

 欧米では1990年代後半から、賞金のかかった大規模なゲームイベントが複数開催されていたが、eスポーツとして市場が拡大したのは2010年ごろからと言われている。イベントの大規模化がプレーヤーのプロ化につながり、現在ではパソコン関連メーカーをはじめとする企業がスポンサーとなってプロチームやプロリーグが発足。世界のトッププレーヤーの中には数十億円規模で稼ぐ人もいるという。

 米調査会社Newzooによると、eスポーツの世界市場は15年に前年度比67%増の3億2500万ドルだったといわれ、16年には同52%増の4億9300万ドルへ、さらに19年には11億2800万ドルへと拡大すると見込んでいる。

●国内でも盛り上がり見せ始める

 ゲームがスポーツとして認知されていない日本では、eスポーツ市場は立ち上がったばかりだが、既にゲームをすることで収入を得るプロのゲーマー(ゲームする人)が少なからずいる。こうしたプロゲーマーたちを集めて法人化する動きや、専門学校にプロゲーマーを養成する専門課程ができるなど、盛り上がりを見せ始めている。

 こうしたことから今後、日本でも本格的にeスポーツの市場が拡大する可能性は高い。「専用会場の建設やグッズの販売、イベントビジネスなどの波及効果も期待できる」(業界関係者)ことから、関連銘柄には注目が必要だ。

●関連銘柄の代表格はサイバー

 関連銘柄の代表格は、サイバーエージェント <4751> だろう。子会社CyberZは、スマートフォンに特化した広告マーケティング事業が中心だが、一方で複数のゲームタイトルを採用したeスポーツの大会「RAGE(レイジ)」を年間を通じて開催。カプコン <9697> の「ストリートファイターV」を用いたリーグなどを展開している。

 また、同じくサイバー子会社のCygamesが提供するカードゲームバトル「Shadowverse」を競技タイトルとした11月開催の大会では、賞金総額700万円とし、各試合はCyberZが運営するゲーム動画配信プラットフォームで配信する予定だという。

●Aimingは国内有力チームのスポンサーに就任

 一方、カヤック <3904> [東証M]は、今年からモバイルeスポーツプラットフォーム「RANKERS」を提供している。「RANKERS」ではケイブ <3760> [JQ]のシューティングゲーム「怒首領蜂一面番長」などの大会も開催。カヤックでは、デベロッパー向けSDK(iOS/Android向け開発者用キット)の配布なども行い、事業拡大を目指している。

 さらに、Aiming <3911> [東証M]では、15年からeスポーツのプロチーム「DeToNator」のメーンスポンサーに就任している。同チームは、シューティングゲームの一種である「Alliance of Valiant Arms」(アライアンス・オブ・ヴァリアント・アームズ)を中心に発足したチームで、eスポーツの認知度向上のため、パソコンメーカーやその周辺企業と積極的にコラボレーションしていることでも知られている。

●カドカワは業界団体を設立

 このほか、スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> やコナミホールディングス <9766> などもeスポーツへの本格参入を表明している。さらに、カドカワ <9468> では、ハーツユナイテッドグループ <3676> などと共同で昨年10月、「eスポーツ促進機構」を設立しており、今後の動向が注目される。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均