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4739伊藤忠テクノ

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フリービット Research Memo(1):2017年4月期通期は大幅増収も一過性要因で営業減益


■要約

フリービット<3843>は、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)へのインフラ提供やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体通信サービス提供者)としてのMVNO※1への参入支援、バーチャルデータセンター(VDC)※2を中心とするクラウドインフラの提供、インターネット・サービスにおけるコンサルティング、ソリューションなど様々なサービスを、主に法人向けに提供する。また、グループ会社を通じて、個人向けのISPやMVNOサービス、Webマーケティングサービス、集合住宅向けのインターネット関連サービスなどの事業を手掛ける。

※1 Mobile Virtual Network Operatorの略。NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、ソフトバンク(株)のような無線通信基盤を有する事業者から回線を借りて独自の通信事業を行う事業者。
※2 データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。


2016年9月には連結子会社化した(株)EPARKヘルスケア(現 (株)フリービットEPARKヘルスケア)を核にしてヘルステック事業セグメントをスタートさせた。2017年2月には不動産テック領域進出の足掛かりとして不動産仲介業(株)フォーメンバーズを連結子会社化した。なお、同社は2016年7月に東京証券取引所市場第1部へ指定された。

1. 2017年4月期通期の業績動向
2017年4月期通期連結業績は、売上高が前期比24.1%増の35,222百万円、営業利益が同30.6%減の1,321百万円、経常利益が同38.9%減の807百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が150百万円(前期は553百万円の利益)となり、大幅な増収の半面、各利益は減益となった。増収は、モバイル事業とアドテクノロジー事業が拡大したことが主要因である。売上原価はネットワーク関連費用の増加やフルスピード<2159>グループで発生した債権未回収の影響もあり増大。売上総利益率は前期の28.9%から23.3%へ5.6ポイント低下した。販管費の伸びは抑制したものの営業利益は減益となった。セグメント別にはモバイル事業の減益幅(294百万円)が大きく、新設ヘルステック事業への先行投資及びのれん償却(421百万円)も大きかった。

2. 2018年4月期通期の業績見通し
2018年4月期通期の連結業績は、売上高で前期比13.6%増の40,000百万円、営業利益で同51.4%増の2,000百万円、経常利益で同135.3%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で100百万円(前期は150百万円の損失)と増収増益の見通しだ。売上高に関しては、アドテクノロジー事業を筆頭にモバイル事業、ブロードバンド事業それぞれが継続的に成長し、全社として2ケタの成長を見込む。営業利益に関しては、堅調なブロードバンド事業とともに、2017年4月期に一過性の債権未回収があり利益を落としたアドテクノロジー事業が回復し、全社の増益をけん引する見込みだ。本来のポテンシャルでは2018年4月期の営業利益で2,800百万円前後の収益力を持つ同社だが、ヘルステック事業及び不動産テック事業への先行投資約800百万円を継続するため、2,000百万円を予想する。

弊社としては、2017年4月期の売上高が前期比24.1%増だったことからすると、2018年4月期の同13.6%成長の予想は余裕を持って達成可能な計画と判断する。利益に関しても、2017年4月期の一過性のマイナス要因がなくなり、モバイル事業とヘルステック事業の収益改善が進むことが予想されるため、十分達成可能な予想だ。

3. 中長期の成長戦略
同社は2016年6月に4ヶ年の中期事業方針「SiLK VISION 2020」を発表し、2020年4月期に売上高500億円、営業利益50億円を目指している。グループ基本方針のモバイル革命と生活革命の2つの成長領域では、中核となる事業・サービスがそろってきた。新しい法人向けのモバイル商品としては、2016年11月に発売されたモバイル通信での「利便性」と「セキュリティ」の両立を可能にする「freebit cloud security SIM」がある。働き方改革の推進に伴いテレワークを導入する企業が増加するなかで需要が伸びている。2017年5月には伊藤忠テクノソリューションズ<4739>グループとの協業も開始され販売に拍車がかかりそうだ。生活革命では、不動産テックにおいても布石が打たれた。2017年5月にホームITベンチャーである(株)Live Smartと業務提携契約を締結し、日本で初となる集合住宅向けIoTプラットフォームサービスの提供を目指す。スマートフォンから鍵やエアコンなどの家電製品、カメラなどを一元的に遠隔操作できる機能の利便性が高く、不動産を貸す側からすれば、空室率を低減させる決め手に成り得る。2017年2月にはイオンハウジングのブランドで不動産仲介業を行うフォーメンバーズを連結子会社化し、家の中のIoT化推進を狙う。

■Key Points
・キャッシュを生み出すブロードバンド事業、成長力と収益力のアドテクノロジー事業、高成長も収益構造に課題のモバイル事業の3事業が中心
・2017年4月期通期は大幅増収、ヘルステック事業の先行投資と債権未回収処理で営業減益
・2018年4月期通期は売上高400億円、営業利益20億円、5期連続増収と過去最高営業利益を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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