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4732 ユー・エス・エス

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USS Research Memo(7):通期は増収増益見通し、出品台数シェア拡大を見込む


■今後の見通し

(1) 2016年3月期業績見通し

ユー・エス・エス<4732>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.5%増の71,200百万円、営業利益が同4.8%増の35,000百万円、経常利益が同4.6%増の35,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.0%増の23,400百万円と期初計画を据え置いている。事業セグメント別の売上見通しは以下のとおり。

○オートオークション事業
主力のオートオークション事業の売上高は、前期比5.3%増の52,946百万円となる見通し。前提となる国内自動車市場については新車販売台数、オートオークション出品台数ともに前期並みの水準を想定。こうしたなかで、同社のオートオークション出品台数は前期比6.7%増の2,510千台、成約台数は同0.7%増の1,556千台とし、出品台数のシェア拡大を見込んでいる。

今期の業績を見る上では7月から導入された会場単位での手数料割戻制度(ボリュームディスカウント)や外部落札手数料、商談落札手数料の値上げ実施がどの程度、出品台数や成約台数に影響を与えるかがポイントとなる。

会場単位での手数料割戻制度の導入は、大規模会場の出品台数強化を目的としたもので、東京、名古屋、九州、福岡、静岡の5会場で共通だった手数料割戻制度を、2015年7月から地域の需要に見合った会場ごとの割戻制度に変更した。具体的には、今までは5会場合計の出品台数が1ヶ月当たり200台以上の出品業者に対して手数料割戻を行ってきたが、これを会場によって10台、100台、150台といったように条件を細分化することで、中小規模の出品業者でも割戻のメリットを受けられるようにした。その代わりに200台以上の出品業者に対する割戻率は引き下げる。このため、大口の出品業者にとっては割安感がなくなることになるが、影響は10社程度とみられ、中小規模の出品業者の出品意欲が高まることで、全体的に見ればプラスの効果(出品台数増、シェア拡大)が期待できるとみている。

また、落札手数料のうち外部落札手数料と商談落札手数料の値上げを7月より実施している。具体的には、インターネット落札手数料を16,000円から17,000円に、衛星テレビ落札手数料を11,000円から12,000円に値上げした。これは、同社グループ以外のオートオークション事業者の会員がインターネット経由で落札するケースが増えるなかで、サービス向上を図るための次世代システムへの追加投資費用に充てることが目的だ。また、商談落札(セリで流れた出品車の落札)手数料も従来は各会場で3,000~10,000円と個別で設定していたが、7月より全会場10,000円で統一した。これら落札手数料の値上げによって今期は980百万円(うち商談落札手数料で420百万円)の増収要因となる見込みだ。なお、出品手数料や成約手数料に関しては前期並みの水準を想定している。

これら施策導入による影響が注目された7月の月次動向は、出品台数が前年同月比2.6%増、成約台数が同6.9%増となった。曜日を合わせたベースでは、出品台数が同0.4%減、成約台数が同4.7%増となり、出品台数がやや弱含んだ格好だが、オートオークション市場全体が軟調だったことを考慮すれば堅調に推移したと言え、これら施策導入による影響はほとんどなかったと考えられる。あと2~3ヶ月はその動向を注視していく必要はあるものの、全体的には出品台数シェアの拡大という同社の狙いどおりに推移していくものと予想される。

○中古自動車等買取販売事業
中古自動車等買取販売事業の売上高は前期比9.4%増の11,030百万円を見込む。このうち中古自動車買取販売事業は前期比9.0%増、事故現状車買取販売事業は同10.2%増を計画している。売上高は新車販売の低迷を受けて想定をやや下回っているものの、前期比では回復が見込まれる。ただ、第1四半期も減収が続いた事故現状車買取販売事業については、営業体制の強化を進めている段階であり、回復がやや遅れる可能性はある。

○その他の事業
その他の事業の売上高は、前期比1.7%増の7,223百万円を見込んでいる。このうち、廃自動車等のリサイクル事業に関しては前期比横ばい、廃ゴムのリサイクル事業は同2.8%増、中古自動車の輸出手続代行サービスは同13.5%増となる見通し。このうち、廃ゴムのリサイクル事業に関しては、前述したように12月に子会社を売却するため、売上高としては計画から半減する格好となるが、全体の収益に与える影響は極めて軽微と言える。

○営業利益増減要因
2016年3月期の営業利益の増減益要因を見ると、オートオークション出品台数の増加で2,790百万円、手数料単価の上昇で930百万円、中古自動車等買取販売の増加で940百万円の増益を見込み、成約率の低下や減価償却費の増加、販促費や人件費など販管費の増加などを吸収する格好となる。7月までの状況から判断すると、出品台数が計画よりやや下回りそうだが、それを成約台数の増加分でカバーして、全体の営業利益は計画を達成するものと弊社では予想している。なお、廃ゴムのリサイクル事業を行う子会社の売却に際して、約700百万円の特別損失を第3四半期に計上する見込みだが、本業の利益増分で吸収可能とみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《RT》

 提供:フィスコ

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