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4726 SBテクノロジー

東証P
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PTS
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18:11 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
4.9 1.43 3.42 483
時価総額 466億円
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決算発表予定日

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ソフトバンテク Research Memo(4):各事業ともにストックビジネスの売上が伸びる


 

■2016年3月期第3四半期決算

c)事業別の業績及びトピックス
次に事業別の業績について説明するとともに、トピックスに触れる。

デジタルマーケティング分野
デジタル マーケティング事業の売上高は前年同期比12.4%増の15,740百万円、限界利益は同22.1%増の2,420百万円となった。

ECサービス事業は売上高が前年同期比9.4%増の14,072百万円、限界利益が同17.1%増の1,752百万円となった。ECサービス事業の主力であるシマンテックストアの売上高が国内とアジアを合わせて同8.2%増の128億円となった。ECサイト運営代行として、ソフトバンク・テクノロジー<4726>がコントロール可能な範囲における事業効率化を進め、利益にも貢献した。また、子会社のフォントワークス(株)のフォントビジネスも好調で、収益増に貢献した。

一方、注力事業であるデータアナリティクス事業の売上高は前年同期比45.8%増の1,667百万円、限界利益は同37.4%増の667百万円と大きく伸びた。既に触れたが、ストックビジネスの売上高が同18.2%増の9.1億円と順調な伸びを見せた。さらに、ライセンス販売や個別開発のフロービジネスの売上高が同2倍の7.4億円と急拡大した。

急拡大の要因は、Webコンテンツを管理するソリューションの導入支援やコンサルティング案件の大型化である。大型化の要因としては、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で稼働するソリューションの提供が拡大しているなど、クラウドを軸としたデータの活用やWebコンテンツを国内外の複数サイトで統合管理するような取り組みが活発化していることが挙げられる。具体例としては、15年12月3日に発表されたダイフクのコーポレートウェブサイトの全面リニューアルなどが挙げられる。大型案件は、マイクロソフトソリューション事業との融合ビジネスであり、第2四半期の決算説明会で阿多社長が今後の同社のビジネスモデルの“概要”として表明した「『SBT Azure』上での注力3事業の融合」を実現させたものとも位置付けられる。なお、「『SBT Azure』上での注力3事業の融合」については、別項で説明する。

同事業のトピックスとしては、自社サービスの拡充が挙げられる。10月にはWebサイトの潜在的な課題を可視化できる診断サービス「siteVALUE」と、わが国初のB2B企業向け営業プロセス最適化サービス「Visitor Insight」、11月には、Emotion Intelligence(株)(代表取締役 音田康一郎(おんだこういちろう)氏、本社:東京都渋谷区)と共同で、世界で初めて感情と行動データをリアルタイムで連携するサービス「Emotion i」を発売した。

プラットフォームソリューション分野
プラットフォーム ソリューション分野の売上高は前年同期比7.0%減の7,999百万円、限界利益は同5.0%減の2,851百万円となった。

内訳は、機器販売とIT基盤構築のプラットフォームソリューション事業は売上高が前年同期比9.2%減の5,523百万円、限界利益が同2.6%減の1,708百万円となった。ソフトバンクグループ各社向けの機器販売やシステム構築減少が要因である。しかし、利益率の高いシステムの保守・運用などのストックビジネスの売上高は同3.1%増の29.8億円となったため、限界利益の減少率は売上高の減少率ほどにはならなかった。

注力事業のセキュリティソリューション事業は売上高が前年同期比1.5%減の2,475百万円、限界利益が同8.4%減の1,142百万円となった。ストック売上高は、同5.7%増の16.6億円と増加したが、フロー売上高は、同13.8%減の8.1億円となった。スポットの開発・機器販売が減少した。しかし、通信解析・保護の製品は堅調に推移している。

システムインテグレーション分野
システムインテグレーション分野の売上高は前年同期比4.9%増の6,336百万円、限界利益は同9.1%増の2,827百万円となった。

注力事業のマイクロソフトソリューション事業の売上高が前年同期比11.4%増の1,864百万円、限界利益が同18.9%増の718百万円となった。顧客がすでに保有するADサーバーとOffice 365を連携させる自社開発サービスの「ADFS on Cloud」が評価を受けて Office 365の導入が順調に拡大したほか、アクセス制御サービスの「Online Service Gate」の利益率改善も増益に寄与した。ライセンス販売やクラウド環境への移行支援といったフロービジネスの売上高は同2.2%増の14.2億円となった。同社が重視している運用・監視サービスや自社開発サービスといったストックビジネスの売上高は同59.3%増の4.3億円と大幅な伸びを示した。ストックビジネスは利益率が高いため、この伸びが売上高の増加率以上の限界利益の増加率につながったと考えられる。

マイクロソフトソリューション事業のトピックスは、ストックビジネスの拡大にも見られるとおり、ユーザー数が順調に拡大している点が挙げられるだろう。Office 365が9割を占める「取扱クラウドサービスユーザー」の累計数は第3四半期末で前期末比24万ユーザー増の56万ユーザーとなった。一方、「独自開発のクラウドサービスユーザー」の累計数は同11万ユーザー増の40万ユーザーとなった結果、クラウドサービスユーザーは合計で96万ユーザーとなった。2016年3月期中に100万ユーザーを突破するのは確実であろう。

一方、システムソリューションの構築を行うシステムインテグレーション事業の売上高は前年同期比2.5%増の4,472百万円、限界利益は同6.1%増の2,108百万円となった。ソフトバンクグループ向けは減少したが、第2四半期に発表された、農林水産業におけるプロジェクトである「全国農地ナビ」のクラウド化をはじめとしたグループ外からの大型案件の受注により、売上高・限界利益ともに増加した。

(2)受注残高

第3四半期末の受注残(単体、ECサービスを除く)は前年同期末比40.1%増の92億円となった。形態別では、保守・運用及び自社サービスは同29.3%増の59億円、機器販売は同210.6%増の10億円、システム開発は同35.3%増の22億円となっている。受注においても、利益率の高い保守・運用及び自社サービスが大きな割合を占め、しかも、案件の大型化が進んでいる点が評価できるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《YF》

 提供:フィスコ

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