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4718 早稲田アカデミー

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早稲アカ Research Memo(2):生徒数が順調に増加、2019年3月期第2四半期累計業績は大幅増益を達成


■業績動向

1. 2019年3月期第2四半期累計業績の概要
早稲田アカデミー<4718>の2019年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比9.0%増の11,625百万円、営業利益が同49.5%増の640百万円、経常利益が同52.6%増の648百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同63.8%増の384百万円と増収増益決算となった。売上高は半期ベースで8期連続増収に、営業利益、経常利益は3期ぶりの増益となった。期初会社計画との比較では、高校部の生徒数が若干下回ったことで売上高は計画比0.7%減となったものの、新基幹システム導入に伴う業務効率の改善や広告宣伝手法の見直しを行ったことによる経費削減効果により営業利益は同4.0%上回り、順調に推移した。

売上高については、期中平均塾生数が前年同期比10.3%増の37,064人と過去最高を更新し、順調に拡大したことが増収要因となった。2018年1月に子会社化した集学舎を除いたベースでも同4.6%増となり、ここ数年では前年同期の6.4%増に次ぐ高い伸びとなっている。前期は難関中学校に合格した芦田愛菜(あしだまな)さんを広告に起用した効果もあり、小学部を中心に生徒数が大きく伸長したが、2019年3月期は難関校への高い合格実績により、ブランド力が向上していることも塾生数の増加につながっていると考えられる。

部門別の塾生数の前年同期比伸び率を見ると、小学部が前年同期比13.8%増、中学部が同7.3%増、高校部が同5.7%増となっており、2019年3月期第2四半期も小学部が大きく伸長した。同社単独ベースで見ても小学部は同10.1%増と好調で、なかでも小学3~4年生が同12%増と高く、次いで小学5年生が11%増、小学6年生が7%増となっている。低学年生の高い伸びは今後の塾生数増加につながる動きとして期待される。また、同社では今後の戦略として首都圏の難関公立高校を志望する生徒の獲得(中学部)に注力していく方針を打ち出しており、中学部への継続受講が期待できる小学部公立コースの塾生数が小学5年生で同24.6%増、小学6年生で同17.8%増とそれぞれ大きく伸長したことも、今後の中学部の塾生数増加につながる動きとして注目される。

なお、校舎展開については、2018年6月に「早稲田アカデミー個別進学館蕨校」を直営校とし、前期末比で1校増となる162校となった。また、7月には英語教育事業の本格展開に向けて、「多読英語教室 English ENGINE 月島」を開設した。English ENGINEは2教室目の開設となるが、受付開始直後から定員を大きく上回る申し込みがあり(定員に対して説明会参加者数が約3倍)、英語教育に対する需要の高さが裏付けられた格好となっている。

利益面を見ると、2019年3月期第2四半期累計の売上高営業利益率は前年同期比1.5ポイント上昇の5.5%となった。売上原価率が同0.7ポイント上昇したものの、販管費率が同2.2ポイント低下したことが収益性の改善要因となっている。内訳を見ると、売上原価では労務費率が社員の待遇改善を実施したことに加え、アルバイト講師等の採用が順調に進んだこともあり、前年同期比で0.1ポイント上昇したほか、原材料費率が模擬試験の受験者数増加を主因に0.4ポイント上昇した。また、その他原価も夏期合宿費用の増加や教材の配送方法変更(校舎での手渡しから宅配に切り替え)に伴う運賃の増加、減価償却費の増加等によって0.8ポイント上昇、一方で地代家賃は増収効果で0.7ポイント低下した。

販管費では集学舎を子会社化したこと等に伴うのれん償却額が57百万円増加したほか新基幹システム導入に伴う減価償却費の増加があったものの、広告宣伝費率が前年同期比2.0ポイント低下したことが寄与している。人材採用が順調に進んだことで、人材採用のための広告費用が減少したほか、生徒募集のための広告宣伝施策についてもブランド力が向上してきたことに加え、保護者の情報収集源がスマートフォンやWeb中心にシフトするなど外部環境が変化してきたこともあり、テレビCMやチラシ広告を削減して会社ホームページの充実を図り、新たにMA(マーケティング・オートメーション)ツール※1を導入するなど、広告宣伝手法の見直しを進めたことも改善要因につながっている。なお、会社ホームページ経由の資料請求件数は4月-10月累計で前年同期比15.2%増となっており、見込み顧客数※2も4月-9月累計で前年同期比12.8%増となっている。

※1 会社ホームページからの過去の問合者情報を一元管理し、その人の特性により数十パターンあるメールから興味関心の近いメール配信を自動化する仕組み。
※2 見込み顧客数=資料請求者+入塾テスト予約数+学習相談予約数+有効問合者数


子会社の業績動向について見ると、医歯薬専門予備校の野田学園は既卒生の回復により計画どおりの増収増益に、水戸アカデミーについては塾生数が計画を若干下回ったものの前年同期比では増加している。また、集学舎については売上高で356百万円、経常利益で約90百万円とほぼ計画どおり推移し、のれん償却額56百万円を考慮しても、利益面で増益に寄与している。

集学舎を除いた連結売上高は前年同期比5.7%増となっており、生徒1人当たり平均単価は約1%上昇したことになる。受講料の高い野田学園が回復したこともあるが、早稲田アカデミー小学部の平均単価上昇が主因となっている。2018年春の難関中学合格者数が増加したことを受け、模擬試験や特別講座の受講者数や夏期合宿の参加者数が増えたほか、理科・社会の受講者数が増えたことも平均単価の上昇につながった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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