貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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東証P
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カドカワ・ドワ Research Memo(2):大手出版社と動画コミュニティサービス運営会社が経営統合


■会社の概要・沿革

KADOKAWA・DWANGO<9468>は、大手出版社であるKADOKAWAと日本最大級の動画コミュニティサービスである「niconico」を運営するドワンゴがゲーム情報ポータル、電子書籍、教育事業などの分野で、シナジーによる新規事業の創出と成長を目指して株式移転により2014年10月1日に設立された共同持株会社。

経営統合までの沿革は、2010年10月に(株)角川グループホールディングスと(株)ドワンゴが電子書籍や各種コンテンツの配信に関して包括業務提携したことに遡る。2011年5月には資本提携に発展し、同年11月には「角川ニコニコエース」サービスの提供を開始、2013年3月には広告に関わる合弁会社(株)スマイルエッジを設立(2014年12月に経営統合による広告事業の戦略転換で役割を終了したことにより解散、2015年7月に清算)するなど、両社の関係は急速に緊密化し、2014年10月の経営統合に至る。なお、商号を2015年10月1日付でカドカワ株式会社※へ変更予定。

※カドカワは、当社グループを構成するKADOKAWA、ドワンゴの音(カ:KADOKAWAのKA、ド:ドワンゴのド、カ:KADOKAWAのKA、ワ:ドワンゴのワ)を組み合わせたもの。経営統合を内外に強く示す効果を狙っている。

●KADOKAWAの会社概要と沿革
(株)KADOKAWAは1945年11月に創業した角川書店が前身。設立当初は国史・国文学関連の書籍に強みを持つ文芸出版社であったが、メディアの進歩とその時代のニーズの変遷に的確に対応したメディアミックス戦略を展開しながら事業形態を進化させ成長を遂げてきた。

1970年代に入り、創業時からの文芸路線を一般大衆路線へ転換。さらに1976年、映画事業に参入し、角川文庫と角川映画の連動によるメディアミックスにより経営基盤を拡大した。1980年代以降は、1982年9月の「週刊ザテレビジョン」の創刊以降、各種情報誌を立て続けに創刊。1990年3月には都市情報誌「東京ウォーカー」を創刊し、「情報誌の角川」の地位を築く。1994年以降は、「メガソフトウェア・パブリシャー」を標榜し、マルチメディア展開を開始。インターネット、デジタル・コンテンツ、ブロードバンドなどのIT事業にも進出し、メガコンテンツ・プロバイダーへの転身を図る。

2000年代に入ってからは、ブロードバンドの普及に対応するために、出版と映像の総合メディア企業から出版と映像、ブロードバンド事業の3つの事業形態へシフト。2003年4月に角川ホールディングス設立(2006年7月に(株)角川グループホールディングスへ社名変更)し、出版を主力事業とする事業会社として(株)角川書店を新設する。以後も、時代ニーズに素早く対応した事業再編を積極的に行う。2010年10月にドワンゴと電子書籍や各種コンテンツの配信に関して包括的業務提携。2013年6月に社名をKADOKAWAへ変更、10月には子会社9社を吸収合併し、One Company化の組織変更を行った。1998年11月に東京証券取引所市場第2部へ上場し、2004年9月に東京証券取引所市場第1部へ市場変更。

●ドワンゴの沿革と会社概要
ドワンゴは、一般登録会員約5000万人、プレミアム会員約250万人を有する日本最大級の動画コミュニティサービス「niconico」(ニコニコ動画、ニコニコ生放送など)から携帯電話の着うた、着メロディサイト、デコメ、人気のきせかえサイトやゲームソフトウェアの企画・開発・販売を行うエンタテインメントコンテンツの提供会社。

1997年8月にネットワークゲームを対象としたシステムの企画、開発、運用、サポートコンサルティングを行う事業会社として設立された。以後、(株)セガ・エンタープライゼス(現(株)セガホールディングス)、ソニーコミュニケーションネットワーク(株)、任天堂<7974>などのゲーム会社のほか、i-mode用ゲームなど携帯電話向けゲームなどのシステム運用を手掛け事業基盤を整えた。2001年4月に携帯電話向けコンテンツ開発・運営を目的として(株)コンポジットを設立(2002年11月に協業体制の強化を目指し100%子会社化)したのに続き、6月にi-mode向け着メロサイト「16メロミックス」の配信を開始し成長路線に。

2003年7月に東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場(2004年9月に東京証券取引所市場第1部へ市場変更)した後は、M&Aや大手コンテンツホルダー企業などとの提携や協業による拡大戦略を加速する。2005年4月にネットワークゲーム開発、携帯電話向けコンテンツ強化等を図るため、ゲームソフト開発会社である(株)チュンソフトを、11月には(株)スパイクを相次いで子会社化。2006年2月にはエイベックス・グループ・ホールディングス<7860>へ第三者割当増資を行い業務・資本提携した。

2006年12月に「ニコニコ動画」のサービスを開始し、2008年5月には「ニコニコ動画」においてヤフー<4689>と協業。2010年10月には角川グループホールディングスと電子書籍や各種コンテンツの配信に関して包括業務提携したほか、2013年7月には日本電信電話(NTT)<9432>とネットワーク技術などの研究分野に関して業務提携した。これらの結果、インターネット上の多彩なエンタテインメントコンテンツを提供する総合エンタテインメント企業へ転身を遂げる。

2014年12月に教育事業展開のひとつとしてファッション、ヘアメイク、映像、ゲーム、アニメ等の分野でクリエイターを養成するスクールを運営する(株)バンタンを子会社した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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