信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
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4662 フォーカスシステムズ

東証P
1,294円
前日比
-31
-2.34%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.5 1.54 2.94 130
時価総額 211億円
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フォーカス Research Memo(8):減益予算の達成が中長期的成長へのカギ


■フォーカスシステムズ<4662>の業績動向

(5) 2017年3月期会社計画と中期的な展望

実質的に東証第1部市場初年度となる2017年3月期予算は、売上高が前期比3.1%増の17,000百万円、営業利益は同16.1%減の800百万円、当期純利益は同33.7%減の490百万円と、増収ながら2ケタの減益を見込む。

増収を予想するのは、前期と同様に公共向けと民間企業向けが順調に拡大すると見ていることが主要因。対照的に、大幅な営業減益になるのは、3年先5年先を見据え、1)より優秀な人材確保への採用投資、2)現社員へのより高付加価値をつけるための技術者への教育投資、3)ガバナンス強化を目的とした社内管理体制へのシステム及び人的投資、4)自社製品の開発販売のための投資、??を行う影響を織り込んだためだ。1)の採用費と3)のシステム投資を除くと、現場から社員を外し、教育研修を行うため、その穴を外部パートナーの活用で補うため、社員の不稼働とそれに伴って外注費が増大することが収益圧迫要因となる。なお、当期純利益の減益率が営業利益に比べ大きいのは、前期にあった投資有価証券売却の特別利益の発生を見込まないことによる。

同社では対外的に発表した中期経営計画、具体的な経営目標はない(リーマン・ショック後の業績不振期には安定して売上高経常利益率5%以上を確保する社内目標があったようだ)。足元では、経済状況に左右されない盤石な企業となるべく、事業セグメントごとに人材育成・体制構築を中心とした以下の戦略を打ち出していた。

a)公共関連事業
官公庁向けの各情報処理システムの開発で培ったノウハウをベースに、今後制度改革に合わせて更改が予定されているシステム開発プロジェクトに対応できる人材確保と体制の維持を図り、確実な受注獲得を行う。さらに、インフラビジネスではユーザーニーズにすべて対応できる要員数を確保するために、多数の技術者を育成する。

b)民間関連事業
インターネット普及拡大等の進化に伴うネットワーク技術、セキュリティ技術とクラウドに代表される大規模データ処理等の最先端技術への対応が必要とされる民間企業の新規システム構築・更改と運用保守を受注するための人材育成。

c)セキュリティ機器関連事業
国内外のセキュリティ製品開発企業との連携強化により、同社が持つセキュリティ機器関連製品とサービスのシェアを拡大するため、営業企画提案ができる人材の拡充を図る。

しかし、同社が東証市場第一部銘柄指定を受けた直後に大幅な減益予算を組んだのは、業績の回復・拡大トレンドが鮮明になった2013年3月期以降、需要増加により日常業務が極めて繁忙となる一方で、技術の進歩に合わせた社員教育を充分に行うこと、および自社製品の開発ができなかったことが背景にある。東証1部上場を果たし、ビジネスパートナーの積極的な活用が進み、足元正社員数1,000人超、ビジネスパートナーを含めて2,000人超の体制となったことで、今後もビジネスパートナーを積極的に活用し一段の収益拡大を継続して実現するには、一時的に減益になったとしてもこのタイミングでの教育、および自社製品の開発が不可欠との経営判断が働いたためと考えられる。このため、弊社では同社が中期的に一段の成長を遂げるには、今期に教育投資が確実に実行されるかどうかが極めて重要であると考え、採用投資や教育投資の進捗について注目する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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